STEP5 「バンド練習をしよう」



ある程度個人練習が進み、メンバー全員のパンク技術が向上してきたら、次はいよいよバンド練習に入ります。
一人では上手く出来ていたパンクも、全員で息を合わせるのは難しいものです。
日頃から定期的にスタジオなどでリハーサルを重ね、ライブ本番に向けてパンク技術を高めていきましょう。
STEP5では、リハーサルスタジオの選び方から、スタジオ練習で気をつけること、そしてスタジオの後のミーティングの要点などを解説します。

・スタジオを借りよう

さっそくリハーサルスタジオを借りましょう。
ちなみにスタジオというものは大きくリハーサルスタジオとレコーディングスタジオに分けることが出来ます。
リハーサルスタジオというのは、バンドの練習用のスタジオで全国津々浦々に大小様々なスタジオがあります。私たちが借りるのはこちらのスタジオですね。
一方、レコーディングスタジオというのは、その名の通りCDなどを作るための録音用スタジオです。
こちらについては、STEP10「レコーディングに挑戦だ」にて改めて触れることにしましょう。

さて、リハーサルスタジオの選び方ですが、まずは何といってもメンバー全員の家から近いところにあるスタジオを選びましょう。
メンバーは何せパンクロッカーです。
誰にも縛られることなく、気の赴くままに自由気ままに生きている人間たちです。
スタジオが家から遠いというだけで、サボタージュするには十分な理由です。
私の知り合いのパンクバンドではベースが「家から徒歩10分も掛かる」という理由でスタジオに一度も参加せず、結局ライブも出来ないまま解散した経緯があります。
これはあまりにも極端な例ですが、このように家から遠いというだけでパンクバンドは解散の萌芽を抱えてしまうことを意識してください。
どうしても全員の家から中間距離にある場所にスタジオが取れない場合は、ボーカルとベースの家に近い場所を優先してください。
統計的に見て、パンクバンドで最も心が広く気が長いのはギターとドラムだからです。

メンバー全員の家から近いスタジオが幾つか候補に上がったでしょうか。
では、次にスタジオの設備・機材を比べてみましょう。
パンクバンドにとって最適なスタジオとは、以下のような条件を備えたスタジオです。
  • 安い
  • 地下にあって、ジメジメしている。かび臭い
  • スタッフが無愛想
  • シンバルが割れている
  • 飲酒・喫煙可
  • 鏡が張ってある
  • 演奏が録音できる
まず、安いというのは絶対条件です。
何度も繰り返してきましたが、パンクとはもともと労働者階級の怒りの声、つまりプロレタリアートの音楽だからです。
経済的に貧困であるに越したことはありません。

地下にある、というのも重要なポイントです。
ジメジメしてかび臭い場所であればモアベターです。
最初は何事も形から入るべきです。
暗くてジメジメしたかび臭い場所で不健康(=パンク)のイメージを膨らませましょう。
また、地下には「世間の鼻つまみ者(=パンク)」というイメージも付随するため、一石二鳥です。

その意味では、スタッフも無愛想な方が良いですよね。
妙にフレンドリーなスタッフでは、せっかくジメジメした暗い場所にあっても、気分が明るく前向きになってしまいます。
こんなことではパンクはできません。

機材のメンテナンスも可能な限り劣悪な方が望ましいです。
シンバルが割れていたり、アンプから音が出なかったり、マイクがひしゃげていたりすると、パンクな雰囲気が出て良いですね。
実際のところ、それら機材がボロボロなのは先人のパンクロッカーたちが暴れた結果なのです。
ボロボロの機材から先輩パンクスの情熱を感じ取れれば、練習にも熱が入るというものです。

また、アンプから音が出なかった場合は、店のスタッフとケンカをするチャンスです。
「おい、音がでねえじゃねえか」
「それはお前らの扱い方が悪いからだろ、ボケ」
「なんだとこの野郎、こっちはカネ払ってんだよ!」
ここまでは既に成句として成立しているやり取りです。
パンクロッカー向けのスタジオであれば、あなたたちの機微を汲んで、速やかに殴り合いに移行してくれることでしょう。

飲酒・喫煙が出来ることは、パンクロッカーにとって、最低条件といっても過言ではありません。
パンクロッカーにとって、飲酒・喫煙は呼吸と同じような意味合いを持ちます。
2時間のスタジオとはいえ、耐えられるはずがありませんし、耐えられるようではファッションパンクです。

「鏡が張ってある」「演奏が録音できる」というのは、パンクバンドに関わらず、全てのバンドにとってあるに越したことはありません。
鏡が張ってあれば、自分たちのパフォーマンスを確認できます。
特にベースの人は自分の身体を刃物で傷付ける練習などをするときに、鏡が必須となってきます。

演奏が録音できる環境があることも大切です。
スタジオで自分たちの演奏を録音し、それをスタジオ後のミーティングで検討するためです。

上記のような点に注意して、理想的なリハーサルスタジオを探してください。
なお、スタジオは総じて昼間が安く夜間が高くなっていますので、出来る限り昼間に入るようにしましょう。
とはいえ、開始時間が早すぎるとパンクロッカーは皆寝過ごしてしまいます。
昼3時以降にするべきでしょう。
ちなみに、スタジオを予約するのはマネージャーの仕事です。
他のメンバーは基本的に「練習をしよう」という意志を見せないように気を配りましょう。
嫌がるメンバーをマネージャーが無理矢理練習させている、というポーズを(外見だけでも)取り繕うべきです。
嬉々としてスタジオへ向かっているところを見られてしまうと、週刊誌に「驚愕!×××(個人名)はファッションパンクだった!」とスッパぬかれてしまいます。

・スタジオ練習で気をつけること

スタジオをレンタルしたら、次はスタジオ練習です。
しかし、スタジオで漫然と練習していただけではパンク技術の向上は望めません。
時間は有限です。要点を押さえて、要領よくパンク技術を磨いていくべきす。
この項では、スタジオ練習を有意義なものにするために、スタジオ練習中、気をつけるべきポイントをアドバイスします。

まず、なんといっても重要なのは、スタジオに行こうという意志を持たないことです。
練習開始の時間が来ても、家で寝ていましょう。
たとえスタジオが昼からだろうが、夜からだろうが、寝ていましょう。
むしろスタジオの練習開始時間に合わせて就寝時間を調節するくらいで構いません。

スタジオの開始時間が20分ほど過ぎた頃、マネージャーが電話で怒鳴ってくるはずです。
あなたは寝ているところを起こされ苛立たしいはずですから、マネージャーに怒鳴り返し、乱暴に受話器を叩きつけ、二度寝に入ります。
程なくして、マネージャーから再度電話が掛かってくるはずですから、次は仕方なく起きましょう。

起きてもすぐにてきぱきと身支度を始めてはいけません。
それではまだまだファッションパンクです。詰めが甘いというしかありません。
正しいパンクロッカーならば、まずは起きがけに手近にある酒を手に取り、一息で飲み干しましょう。
寝ぼけまなこで酒を探し回るのは格好悪いですから、あらかじめ枕元に酒を用意しておくとよいですね。

起きがけに呑んだ酒ですっかり出来上がったあなたは、しばしスタジオのことを忘れ、放心状態のまま時間を過ごします。
すると、三度マネージャーから電話が掛かってきます。
あなたはすっかり酔っ払っているので「うるせー」などマネージャーに対して、思いつく限りの暴言を吐き散らしましょう。
そうすれば、あとはマネージャーが家までやってきて、あなたをスタジオへ引っ張っていってくれます。

これだけの手順を踏んで、やっとスタジオへ到着することが出来るのです。
なお、メンバー全員がこれでは流石にたまったものではありませんから、これらの正当な手順を踏むのは、ベーシストに一任しましょう。
あとのメンバーは、遅刻してくる、べろべろに酒に酔ってくる、程度の努力はするべきですが、基本的にはまともにスタジオに来ても構いません。

メンバーが全員揃ったら、早速音を出してみましょう。
このとき大切なのが、全員が「自分の音が一番大きくなるように」セッティングすることです。
バンド全体の音量バランスなど、間違っても考慮してはいけません。
基本的に全てのメーターを上げられる限り上げておきましょう。
こうなると、己の力で音量レベルを上げなければならないボーカルが最も不利ですが、そこは持ち前のパンク魂で乗りきりましょう。

また、ギターは基本的にアンプの全てのノブを10に設定しましょう(これを専門用語で『フルテン』といいます)。
こうすることでエフェクターを使わずとも、ギターサウンドにオーバードライブ(歪み)をかけることが出来ます。
パンクギタリストならやはりアンプに直結して、スカスカのギターサウンドで演奏すべきです。
もし万一、ギタリストがエフェクターなど取り出そうものなら、ベースで殴り壊しましょう。
さらにベースがエフェクターなど使おうとした場合は、エフェクターを殴り壊すだけでは生温いです。
ベーシスト自身を殴ってすぐさまクビにしてしまいましょう。
ギターなら一度の過ちは許せても、ベースを許すわけにはいきません。
バンドの顔であるベーシストには、それだけの重い責任があるのです。

また、これもいうまでもないことですが、スタジオ練習中にチューニングし直すなど、断じて許されることではありません
ちょっと音程が狂ったから調弦し直すなど、それはまさにファッションパンクの考え方です。
そんなクソ細かいことを気にしていてはパンクは務まりません。
もしメンバーがチューニングを合わせているようであれば、鉄拳を一発お見舞いして目を覚まさせてあげましょう。

最後に何よりも気をつけたいポイントですが、それはスタジオ練習を重ねていれば、いやでも演奏技術が上達してオリジナルの音楽に近い演奏になりがちだということです。
もうこれも何度も繰り返し述べてきたことですが、コピーとはいえ、オリジナルと同じように聞こえる演奏は絶対にしてはいけないのです。
しかし、人間とは悲しい生き物です。
いかに音楽的素質に欠けていようと、いかに技術的上達が遅々としたものであろうと、スタジオ練習を続けていれば、どんな人間であれそれなりに上達し、いつしか原曲に近い演奏になってしまうのです。
そうならないように普段からお互いの音に気を付け、メンバーの誰かに演奏技術の上達が見られた場合は、何らかの手段を講じるか、もしくはクビにしてしまうか、とにかく早急な対処が必要となります。
このことについては、次の「お互いの音を確認しよう」で詳しく述べます。

とにかく、本番は練習以上の力は絶対に出せないものです。
本番では練習の半分の力しか出せないと思っても良いでしょう。
ですから、練習の時点で、最低でも「理想のヘタクソさ」の倍程度の技術に押さえるよう、各自が意識的に努力する必要があるのです。

・お互いの音を確認しよう

前項「スタジオ練習で気をつけること」でも少し触れましたが、とにかくパンクバンドにとって最大の敵は、どんなに適当に練習していても、演奏技術がかならず上達してしまうことです。
オリジナル音源とほぼ同程度の演奏が出来るようになってしまえば、その人のパンク生命は絶たれたといっても良いでしょう。
そうなってしまえば、諦めて他の音楽ジャンルに転向せざるを得なくなります。

ですから、日々の練習の間も、お互いの演奏技術が向上していないか、常に確認する必要があります。
基本的にパンクロッカーは自分の音さえ聞いていれば良いのですが、いまのバンドメンバーと末永くパンクを続けたいのであれば、お互いのことを思いやる余裕を持ちたいものです。
演奏中に、もし演奏技術の向上が気になったメンバーがいたら、勇気を持って注意してあげましょう。
本人には耳の痛い話かもしれませんが、ちゃんと本当のことを言ってあげるのが、真の優しさというものです。

では、具体的にどのようなポイントに注意して、メンバーの演奏を聞けば良いのでしょうか。
たとえば、バンド全体の演奏として捉えたとき、その演奏が「音楽に聞こえるかどうか」というのが一つの判断基準になります。
雑音としか聞こえないならばOKです。
誰も問題のある演奏技術に達していません。

次にチェックすべきは「ドラムのリズムがないがしろにされているか」という点です。
いかに皆がパンクらしく乱暴な演奏が出来ていても、ドラムの作るリズムにきっちりと合った演奏では拍子抜けです。
各パート、最低でも±2小節の誤差は欲しいところです。

また、「途中で疲れているか」という点も重要です。
パンクロックとは怒りの音楽化です。
最後まで体力配分を考えて怒るような器用な人間はいません。
始めから全力投球であるべきです。
1曲のうち、大体半分くらい過ぎたあたりで、ボーカルは喉が潰れ声が出ず、ギターはストロークの回数が極端に減り、ドラムはポンポンとやる気なく叩き、そしてベースはすっかり疲れて座り込んで酒を呑んでいる、というのが理想的です。

そして、「ピストルズの原曲通りに聞こえないか」というのが、守るべき最低限のボーダーです。
ここを超えてしまうと、もはやピストルズのコピーバンドとしてはやっていけません。
第三者が初めて聞いたときは雑音としか思えず、曲のタイトルを言われてやっと「ああ、そういわれればそんな面影がはかなくも感じられるような気がする」という程度の演奏が理想的です。

バンド全体の演奏をチェックした後は、各パートごとに演奏をチェックしましょう。
ボーカルは、「腹から声を出していないか」「歌詞がはっきりと聴き取れないか」などをチェックしましょう。
ギターは「歯切れの良い音が出ていないか」「問題なくバレーコードを押さえていないか」「ギターソロを弾こうとしていないか」「リズム感を出していないか」「チョーキングなどテクニックを使っていないか」などを注意すべきです。
ベースは「ドラムとリズムが合っていないか」「リズム隊の自覚を持とうとしていないか」「一曲最後まで演奏していないか」「音の粒が揃っていないか」などです。
ドラムは「リズムキープができていないか」「右手と左手で打音の大きさが同じになっていないか」「曲の展開を把握していないか」「FILL INを使っていないか」などに目を(耳を?)光らせましょう。

もしメンバー各人が、お互いの音を確認する余裕がないというのであれば、これはマネージャーの仕事となります。
マネージャーはメンバーの悪いところを指摘し、各自が意識的な練習ができるよう配慮しましょう。

練習中に気をつけるべき点をチェックリスにしておきました。
マネージャーの方は、以下をプリントアウトして、実際のスタジオなどで使ってみて下さい。
なお、空白の行にはあなたが思いついたチェック項目を書き加えてください。
全ての項目が「OK」になるように頑張りましょう。


●全体の演奏チェック  
・雑音にしか聞こえないか? OK/NG
・ドラムのリズムはないがしろにされているか? OK/NG
・途中で疲れているか? OK/NG
・ピストルズの原曲通りに聞こえないか? OK/NG
  OK/NG
  OK/NG
●ボーカルチェック  
・腹から声を出していないか? OK/NG
・怒りの感情は表現されているか? OK/NG
・歌詞がはっきりと聴き取れないか? OK/NG
  OK/NG
●ギターチェック  
・歯切れの良い音が出ていないか? OK/NG
・問題なくバレーコードを押さえていないか? OK/NG
・ギターソロを弾こうとしていないか? OK/NG
・リズム感を出していないか? OK/NG
・チョーキング等、テクニックを使用していないか? OK/NG
  OK/NG
●ベースチェック  
・ドラムとリズムが合っていないか? OK/NG
・リズム隊としての自覚を持っていないか? OK/NG
・一曲最後まで演奏していないか? OK/NG
・音の粒が揃っていないか? OK/NG
  OK/NG
●ドラムチェック  
・リズムキープが出来ていないか? OK/NG
・右手と左手で打音の大きさが同じになっていないか? OK/NG
・曲の展開を把握していないか? OK/NG
・FILL INを使用していないか? OK/NG
  OK/NG


・ミーティングをしよう

スタジオのあとはバンドミーティングです。
練習について、今後の活動について、ライブの予定についてなど、メンバー全員で話し合いましょう。

それにつけても、第一に必要なのはやはり「酒」です。
酒抜きでは、まともな議論など出来ようはずがありません。
マネージャーを除いたメンバー全員分の酒を用意しましょう。
とりあえず全員べろんべろんに酔いつぶれるのです。話は全てそれからです。

最初の議題はその日のスタジオでの演奏についてです。
まずはスタジオで録音したテープを聴いてみましょう。
前項「お互いの音を確認しよう」で用いたチェックリストと照らし合わせ、誰がどのような技量で、どの程度問題があるのか、メンバー全員で確認しましょう。

そして、今後問題が出てくると思われる技術に達してしまったメンバーについては、マネージャーを加えて、どうすべきか考えましょう。
一度上がってしまった技術を落とすことは、通常の方法では不可能です。
ここではこれまでに先人たちが行ってきた、「上がってしまった技術を落とす方法」を列記します。
  • ギター、ベースを左手に持ちかえる
  • ストラップを極限まで下げる
  • チューニングを変える
  • 目をつむって弾く(叩く)
  • 喉を使って歌うよう意識する
上記のようなことが、これまで多くのパンクバンドで実践されてきましたが、しかしいずれも一時凌ぎに過ぎず、いつかはそれらの条件を克服してしまい、最終的には「右でも左でもストラップを極端に下げて目をつむっていても、いかなるチューニングであろうと即座に反応して弾けてしまう」プレイヤーになってしまう怖れがあります。
こうなってしまえば、もはやプログレに転向するしか道は残されていません。
もし、これらの手段を全て講じたにも関わらず、結局高いレベルの技術に行きついてしまったならば・・・悲しいことですが、そのメンバーとはここでお別れです。
ここまで来てしまっては、その技術を落とすことよりも、新しくヘタクソなメンバーを探した方が効率が良いからです。
そのときの非情な決断もマネージャーの大切な仕事です。

演奏面での話し合いが一段落したら、次は今後のバンド活動戦略です。
次にコピーする曲や、記念すべき初ライブをどこで行うかなど、今後のバンド活動の指針を話し合いましょう。

バンド活動の指針を計画し、発表するのは全てマネージャーの仕事です。
その一方、このときにメンバーに求められる態度は完全なる無関心です。
マネージャーがどんな熱っぽく今後の計画を話していても上の空、全く興味を示さない、そのような態度を堅持してください。
「カネもらえるならそれでいいよ。やりたくねえことはやんねえし」
という投げやりな態度を示しましょう。
ただし、各パートごとに、マネージャーに対する態度に若干違いがあると、ピストルズのコピーバンドとしてより高いレベルであるといえます。
つまり、ベースは全くの無関心。ボーカルはマネージャーに反撥。ギターとドラムはマネージャー寄り、といった具合にです。

マネージャーが提案すべき活動指針は、いかにしてこのコピーバンドをスキャンダラスなものに仕立て上げるか、ということです。
そのためには様々な過激なパフォーマンス行為をメンバーに提唱すべきです。
たとえば、セックス・ピストルズは女王の戴冠25周年に合わせ、ロンドン市中を流れるテムズ川を下りながら「GOD SAVE THE QUEEN」を歌いました。
マネージャーは、このようなセンセーショナルでショッキングなイベントを企画し、ミーティングでメンバーに提案するのです。
メンバーはべろべろに酔いつぶれており、聞いていないかのように思うかもしれませんが、大丈夫です。
あなたの企画したイベントが本当にパンクなものならば、彼らは喜んで動いてくれるでしょう。

上に挙げたピストルズの例にならい、日本で行える同じようなイベントの一例を提唱いたします。
それは毎年7月岩手県盛岡市で開かれている「北上川ゴムボート川下り大会」です。
これは、1チーム5000円というリーズナブルな価格で誰でも参加できる川下り大会で、国内で開催される川下りボ ートレース大会の中では、日本一の参加艇数を誇ります。
マイナーな川下りの世界では、比較的注目されるイベントといえます。
このようなパンクなイベントを提唱すれば、バンドメンバーは皆乗り気になってくれるでしょう。

上に挙げたのはあくまで一例に過ぎませんが、パンクでセンセーショナルなイベントを行うことは、その気になれば決して難しいことではないということです。
まさにここがマネージャーの腕の見せ所であり、マネージャー冥利に尽きる仕事でもあります。
メンバーの舞台はライブ、マネージャーの舞台はミーティングなのです。

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