ところで、なぜあなたはCDなりテープなり、とにかくレコーディングした音源を発売しようとしているのでしょうか。
その目的は確たるものとしておかねばなりません。
そして、パンクにおいてCDを発売する目的など言うまでもありません。
カネのためです。
考えてもみて下さい。
あなたのパンク魂を伝えたいだけならば、それはライブを数多く行えば良いだけのことです。
いくらリスナーがあなたのCDを聴きこんだところで、あなたはCDを介してリスナーをぶん殴ることなどできないのです。
CDではあなたのパンク魂を十全に伝えることはできません。
歌詞でパンク魂を表現するのが精々です。
CDを発売する理由は"カネのため"と割りきるのが肝要です。
実際、セックス・ピストルズのシングルやアルバムを見ても、彼らがそのような意図で音源を発売していることは明白です。
もしも彼らのレコーディング音源が、彼らがライブで演奏しているものほどラウドでアバウトなものであれば、果たしてあれほどのセールスを記録できたでしょうか。
私はそうは思いません。
彼らのレコーディング音源は、不快感なく聴くことのできるクオリティを保っていたからこそ、あれだけの売上があったのだと思います。
自分たちが本物のパンクロッカーだと主張するためには、演奏は下手なほど良いのですが、しかし、売上のため、カネのためには、レコーディング音源での演奏はある程度上手くなければならないのです。
そして、カネのためにレコーディング音源を作ることが正しいパンクロッカーの姿であるならば、クオリティの高いレコーディングを行うことも、また正しいパンクロッカーの姿だと自覚してください。
なお、私はSTEP1にてCDは軟派なメディアであり、パンクロッカーに相応しいメディアはカセットテープである、と断言しましたが、レコーディング音源を発売するにあたってはカセットテープではなくCDメディアによる発売を推奨します。
何故ならば、カセットテープによる量産よりもCDによる量産の方がより安価で手軽だからです。
また、最近はCDは聴けてもカセットテープは聴けないという環境の方も多いため、メディアをCDにした方が購買層の幅も広がります。
そういった理由からメディアはCDを選びましょう。
全てはカネのためです。
いいですか。
レコーディング音源の発売に関しては、「真のパンクスにだけ売れればいい」といった考え方は捨ててください。
全ての人を購買層に見込むのです。
もちろん、まったくパンクに興味のない人や、パンクを蛇蝎の如く嫌っている人には決して受け入れてはもらえないでしょうが、普通の音楽ファンは言うまでもなく、ファッションパンクすらも購買層に想定してCDを作るべきです。
全てはカネのためです!
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