WJ29号感想

ついに、神漫画「黒猫」が最終回です。


☆☆☆SBR☆☆☆

あらあら、ツェペリさん反則で降格ですか。
でも、(単行本持ってないんで確認できませんが)サンドマンの件は事故とはいえ、橋を落とすとか、鉄球を使った走行妨害は実際してましたし仕方ない気もします。
直接攻撃を加えなければいいのかなあ。

SBRのルールも誤解していました。
STAGE1をゴールして、すぐに次の目的地に向かって走り出すのかと思ったら、そこで一旦休憩らしいです。
最終的にニューヨークに1番で到着した人が優勝かと思ってもいたのですが、合計獲得ポイント数で競うみたいです。
そういうことは早めに説明して欲しかった気もしますが、荒木先生もお休みの間に考えたのでしょうか。

最後にスタンドらしき武力行使者の存在が確認され、これからはバトル要素も入ってくる模様。
グリードアイランドのボマーさんみたいな役割ですかね。
名前だけで言うなら、ゼニヤッタ・モンダッタさんが怪しい気がします。(ポリスネタなので、クィーン、キング・クリムゾンと並んでも遜色ないはず。まだジョジョには出てきてないですよね?たぶん)


☆☆☆ジャンプシネマアイランド☆☆☆

1行で済むことなんだから監督名も書けばいいのに。
スパイダーマン情報で一番大切なのは監督じゃないですか(違)

というわけで、スパイダーマン2サム・ライミ監です。
ただ、個人的にはスパイダーマン1はサム・ライミ監督じゃなくても撮れそうな映画だったと思うので、2もあんまり期待してません。悪い映画じゃなかったんですけどね。(ヒロインの性格には大いに疑問を抱きましたが)
「死霊のはらわた」みたいに続編を作るごとに世界観を破壊していくなら大歓迎です。
スパイダーマン3ではやはり中世にタイムスリップ。


☆☆☆デスノート☆☆☆

おのぼりミサたんの文通開始。
しかし、ペンパルのライト君はミサたんの頭の悪さにイライラのご様子。
目とか死神とかもLにバレてしまいました。
しかも、ミサたんは自分ではできないので密会の方法をライト君にお願いしてます。
だめだよ、自分がイニシアチブ取らないと殺られちゃうよー。

ここで、ライト君も非常にまずい立場になりました。
警察側絶対有利です。
ホンモノのキラの振りして密会の方法をミサたんに知らせるだけで、ミサたんがホイホイ来てくれます。
騙されたことを知ったら、確保に来た警官数人は殺られちゃうでしょうが、それで終了です。
ライト的にはここでその方法を提示せざるを得ないでしょうし、そうしなければ自分の疑いが深まります。
密会の方法を提示しつつも、それをワナだとミサたんに悟らせるのがベストかもしれませんが、しかし、ミサたんはお馬鹿なのでかなり厳しそう。
ライト君の殺意が高まる中、ミサたんの安否やいかに。
(´-`).。oO(……あと何週持つのかなあ)

それにしても、ミサたんはカナリお馬鹿な感じなので、もし仮にこのような状況下でなければ、ライト君はミサたんと密会して、巧みに口説いて、お持ち帰りされて(ミサたんのおうちに)、後で市役所なり何なりで住所から調べれば簡単に名前を割り出せそうな気がします。
ミサたんも、もしライト君が40代後半の冴えないおっさんとかだったらどうするつもりなんでしょう。
寿命半分使って死神の眼をゲットしてまでそれだと浮かばれませんね。
ミサたんにとって最大の救いはライト君がいけめんだったことでしょうか。
まあ、とにかく二人のラブロマンスにはいちご100%より期待してます。


☆☆☆ストーリーキング☆☆☆

今回から「作画部門」が新設。
しかし、課題ネームが真倉先生ってのはどうなんだろう…。
で、その課題ネーム『蹴りたい田中』こちらから入手できます。

真倉先生のネームじゃ、描く気しないんじゃないかな……
なんて思って読んだんですけど、これが意外と面白いです。
というか、岡野先生と作風が同じですね…。
ぬ〜べ〜での共闘期間が長すぎたのか、岡野先生(真倉先生)が二人いるみたい。
しかし、『蹴りたい田中』ってすごいネーミングです。
いいのか、それは。

どうでもいい追記)僕は以前、自分のバンドのために「千利休の神隠し」という曲を作ったんですが、バンドメンバーから「ダジャレじゃねーか!」と酷く不興でした。「蹴りたい田中」がアリなら「千利休の神隠し」もアリだと思うなあ。


☆☆☆ボーボボ☆☆☆

今週は全編ツボでした。
でも、これ以上の感想は書けない。


☆☆☆ぷーやん☆☆☆

思ったより面白くなりました。打ち切りでしょうけど。
この学校の生徒会は投票で選ばれないのかなあ。


☆☆☆ブリーチ☆☆☆

朽木さんは何のためにこの場にいたのだろう。
隊長は何でこんな役立たずなんだろう。

結論:この隊長は前線指揮官としてはダメダメな気がします。


☆☆☆武装錬金☆☆☆

爆爵さま死亡。
若かりし頃の黒々としたおひげも素敵。
初登場時はものすごい違和感を覚えたパピヨンのマスクも、もうこれ無しの素顔に逆に違和感を感じるほどに馴染んできました。
フラスコの”彼”は爆爵さまが魅了されたほどの男、どれほどの変態かと期待していたのですが、とりあえず普通っぽくて残念。
これからの活躍(変態)に期待。


☆☆☆テニス☆☆☆

…………おかしい。
ただ試合を見ているだけなのに、
赤也の異常な汗…

それまで汗の一つも描いてなかったのに、このセリフが出てからは汗ダクの越前少年。

冒頭の「いったい何なんだ、アイツはーっ!?」は、風林火山の『風』を使ったことではなく、越前少年の発光現象に対してのコメントかと一瞬思いましたが、許斐先生が突然正気に返るわけもなく。


☆☆☆ゲドー☆☆☆

「幻」編に入ってから、やっぱり面白さが薄れたゲドー。
仲間の命がかかってるとか、そういう背景があるだけで物語のほのぼの感が無くなってしまいました。
これまでの人畜無害な展開が好きだったのに。残念。

どうでもいいけど、寝起きの外堂兄妹はどせいさんみたいです。


☆☆☆こち亀☆☆☆

前半はゲッソリでしたが、通天閣ジャック以降はそれほど酷くなかったように感じます。
しかし、同じネタでも10年前の秋本先生ならもっと面白く描けたでしょうが。


☆☆☆ゴリラ☆☆☆

申し訳無い。
この作品に対するコメントは勘弁してください。


☆☆☆黒猫☆☆☆

物事には何事も終わりがあります。
終わりの無いストーリーなどありえません。
神の記した漫画「黒猫」もその例外では無いのです。
全世界60億の読者に愛されつづけた「黒猫」もついに終焉を迎えたのです!

トレインのにこやかな笑顔から始まった今週の黒猫。
クリードさまとの頂上紳士決戦から8ヶ月後の世界。
頂上紳士となり、自由意志による紳士の世界を継続させたトレイン一行が強盗団を捕縛するシーンから始まります。
そして、この一見すると本当にどうでもいい捕物帖に、実に9Pものページ数が割かれているのです。
一見すると、とても最終話に描くべき内容とは思えません!

しかし、神である矢吹先生に間違いなど何一つとしてありえません。
矢吹先生が最終話の前半を丸々使用して、このような一見するとどうでもいい捕物帖を描いたことにはそれ相応の意味があるのです。
トレインはクリードさまとの最終決戦において、個人個人の自由意志による紳士的世界を選択しました。
もし、クリードさまの紳士革命が成功していたとすれば、強盗団の彼らは機械化を施され、立派な紳士として生まれ変わっていたことでしょう。
クリードさまの紳士革命が阻まれたため、彼らのような非紳士的な悪党がいまもこの世にのさばっているのです。
つまり、クリードさまの紳士革命を阻止した以上、トレインには彼らのような非紳士的人間を捕らえ、紳士的に更正するよう努力する義務があるのです。
決して金のためではありません。
今週の捕物帖は一見するとどうでもいい鼻紙のような9ページですが、紳士革命を打ち破ったものの責任を描くという意味において、欠くべからざる9ページだったのです。

その後、トレインの手元に復元されたハーディスが戻ってきます。
しかし、復元されたハーディスは銃身がオリハルコンではないため、もうレールガンを撃つことはできないのです。
作中では触れられていませんでしたが、銃身がオリハルコンでなくなるというのは、単にレールガンを撃てなくなるというだけの話ではありません。
これまでのようにハーディスを鈍器のように扱い、敵対するものを回転しながら打ち据えたり、頭上から十字を切りながら打ち据えたりすることができなくなるということなのです。
言うまでもなくハーディスの殺傷能力は

レールガン>殴打>>>>(超えられない壁)>>>>銃撃

となっています。
つまり、トレインの手元に帰ってきたハーディスは銃弾を射出するだけの一般的な銃器と変わらず、時速30キロでしか弾丸の飛ばない黒猫世界においてはトレインの殺傷能力は皆無になったということなのです。
これはクリード戦を終えて、さらにトレインが己の「不殺」の信念を強めたと考えても良いでしょう。
クリードさまとの頂上紳士決戦を終えたトレインには、敵を殺傷する武器などもはや必要無いのです。
ただ、彼の手元には人畜無害なただの銃器であるハーディスがあれば良いのです。
これからの黒猫世界をよりバリアフリーなイメージに導く優れた描写といえるでしょう。

そして、最後に……。
トレインと、ハーディスの関係が綴られます。
トレインにとってハーディスは飼い猫時代の彼の象徴です。
今回ハーディスが壊れたことは、トレインがその象徴から決別する機会でもありました。
しかし、彼はそれをせず、ハーディスを修復したのです。

トレインは言います。
ハーディスを捨てる機会なら以前にもあった。
サヤが死んでそれをきっかけにクロノスを抜けたとき、そのまま消えても良かったがクロノスからハーディスを奪還して消えたのだ、と。
その理由は「過去は切り捨てられるものじゃない」からです。

素晴らしい信念だと思います。
トレインにとってハーディスは飼い猫時代の自分の象徴でした。
飼い猫から自由な野良猫へ変わろうとするとき、あえて飼い猫の象徴であったハーディスを奪還してまで手元に置き留めたのです。
それは、トレインが過去の飼い猫時代の自分をも含めて、今の自分であろうとする行為だからです。

その奪還シーンが、トレインの回想として描かれています。
しかし、僕はその絵を見て、一瞬我が目を疑ってしまいました
トレインは自分の都合でハーディスを取り返そうとする過程で、クロノスの構成員を何人か殺傷しているようにも見えるのです。
確かに、トレインは第1話、第2話では殺人に対するためらいが微塵もなく、突然第3話から『不殺』の信念を持ったことで有名です。
このときも、奪還に際し邪魔をするクロノス構成員を微塵の躊躇いもなく殺傷したと考えておかしくはありません。

ですが、不殺の聖人君子頂上紳士となった今のトレインが、過去の「自分の主義を守るために他人を殺傷した行為」を今になって自慢気に語るとは僕には思えません。
もし、本当にこれが構成員を殺傷した絵であったと解釈するならば、トレインは過去の自分を象徴する物品を得るために他者を殺傷する行為現在でも肯定していることになります。
他者を殺傷してまでハーディスを奪還し、その理由を「カンタンなことだ」といってしまうトレイン。
さらに、その理由はトレインのごく個人的なものなのです。
これでは、トレインがとんでもなく非常識な人間であるかのように思えてしまいます。
これまで黒猫を読んできた僕には、トレインがそのような性格のキャラクターであるとはどうしても信じられません。

そこで、僕はこの奪還の回想シーンをしっかりと注視しました。
そして、10分ほど眺めたとき、僕は驚くべき真実に気が付いたのです!
やはりこれは、構成員の方々を殺傷しているコマではなかったのです!!

このコマをよーくごらん下さい。
まず、手前右手側の男性。
彼は両手を上に挙げています。
おそらく、これは万歳をしているのでしょう。
そして、全ての人たちがトレインを囲んで円形になっています。
また、トレインも含め、全ての人たちが両足を前に突き出した姿勢を取っています。
これらのことを総合すれば、彼らが輪になって踊りを踊っていたことが明白なのです!
両足を前に突き出していることから、おそらく黒猫世界におけるコサックダンスのアレンジ形でしょう。
そう思ってこのコマを眺めてみると、踊りを踊る彼らの表情が実にいきいきとして、楽しそうであることが分かります。
中には大きく口を開けている人もいるため、彼らが歌を歌いながら踊りを踊っていることまで読み取れるのです。
良く見ればこのコマの中には「黒き猫よ〜♪」というトレインを賛歌する歌詞まで書かれているではありませんか!
彼らは戦闘していたのではないのです。
トレインの送別会のために、陽気に剣舞(銃舞?)を踊りながら、楽しく歌を歌っていただけなのです。

いやあ、実に危なかったです。
このコマに一見すると血飛沫のように見えなくもない描写があったため、うっかりするとトレインが邪魔をする構成員を殺傷する絵であるかのように見えてしまいました。
ストーリー展開上、絶対にそんなことはないと思いじっくり眺めたから、彼らが踊りを踊っているという「正解」に辿り付く事ができましたが、パラパラと流し読みしていると最後にとんでもない誤読をしてしまうところでした。
この血飛沫のようなものは、おそらく周囲の黒い枠をベタ塗りするときに誤ってスミを落としてしまったのでしょう。
矢吹先生が神にも等しい漫画家であっても、ベタを塗るアシスタントは普通の人間ということですね。
神ならぬ人間のミスですから、アシスタントの方を広い心で許してあげましょう。

ついにラストです。
非情の暗殺者としての過去を持ち、今では立派な紳士であるトレインの口から、素晴らしい金言がもたらされます。
これはトレインの口から発せられたものではありますが、そのまま矢吹先生の代弁でもあると考えて良いでしょう。


「過去は…切り捨てられるものじゃない。
そいつがそいつであるかぎり――

みんなそうさ。
生きていくには過去を背負っていかなきゃならない…。

だから大事なんだ。
いずれ背負う事になる現在を
装飾銃と仲間と、どう生きていくか。

俺の生き方は、もう決まってるけどなっ」


実に……実に素晴らしいセリフです!
これは、作中のトレインたちにのみ関わる言葉ではありません。
全人類がその胸のうちに留めておくべき名言でしょう。
このセリフは、僕たち人類全て、もちろん矢吹先生をも含めた、全ての人間に共通して言えることだからです。


そう!

つまり、矢吹先生が今後どのような漫画を描こうと!
新しくどのような連載をはじめようと!
矢吹先生が「黒猫」、つまり、「BLACK CAT」というオリジナリティ溢れる漫画を描いていた。
その過去を矢吹先生は背負って生きていかなければならないのです。
「いずれ背負う事になる現在をどう生きていくか」
矢吹先生は「オリジナリティたっぷりの生き方」を選択しました。
「オリジナリティたっぷり」という現在を選んだ矢吹先生。
その現在も、いずれは過去となります。
しかし…………
過去は切り捨てられるものではないのです。
非情の暗殺者としての過去をハーディスという象徴に携えたトレインの如く、「ミスターオリジナリティ」としての過去を「BLACK CAT」という作品に込めて、矢吹先生はこれからも創作活動を続けていくのです!
そのような矢吹先生の強い意志が感じられる素晴らしいラストでした!!

「俺の生き方は、もう決まってるけどなっ!」

矢吹先生の生き方はもう決まっているのです!!


矢吹先生は偉大でした。
そして、これからも……

矢吹先生は偉大です。
矢吹先生は偉大です。



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