WJ22・23合併号感想

あのハンコは何に使えっていうんですかね。


☆☆☆ジャンプ海賊団☆☆☆

「ゴンです」
と書かなければ分からない、ゴン絵に苦笑。
この1コマから、ものすごいやる気なさが伝わってきます。
まあ、冨樫先生は毎週連載しているだけでも「良く頑張ったね!!」って感じですので、こんなどうでもいい企画に労力使わなくてもいいんですけど。
それにゴンって、4色カラーで描かれてもあんまり喜ぶ人いないだろうし・・・。


☆☆☆ワンピース☆☆☆

エネル「おれは打算的な女が嫌いでね」

まあ、実際に打算が嫌いなのは作者か編集者のどちらかだと思いますが。
ここでロビンに高度な取引などされてはちびっこが付いて来れませんからね。
ワンピースは単純明快バトル路線で売ってますから、まあ当然です。

この世界の「神」の定義はとても良く分からないものですが、ある程度以上の力を得たものは神?なのでしょうか。
エネルも結局は悪魔の実を食べたゆえの能力ですし、生まれ持ったカミナリ体質ならともかく、それで神を名乗るのも何だかおこがましい気がします。
ガンフォードのいうように、長の称号として神を名乗るならともかく、神の帰るべき場所まであるといわれては人とはまた別の種族であるようなイメージを持ちます。
とはいえ、天空の世界の人々も羽が生えてることを除けば普通の人間でしたし、フェアリーバースも変な場所にあるだけで、中の人々は青海と変わらぬ生活かもしれませんが・・・。


☆☆☆ハンター☆☆☆

というわけで、ワンピースが打算なきマンガとすれば、こちらは打算まみれのマンガです。
もちろん良い意味で。

このマンガ、ゴンが普通に戦闘をしていることすら実はとても珍しいのですが、その滅多にない戦闘シーンがちょっと驚くほど面白い。
何度も繰り返しいってますが、ゲンスルーに比べてゴンは単純戦闘能力自体では圧倒的に格下のはずで、そんな主人公がいま出来ることだけで、上位の能力者に勝利したのが素晴らしいです。
戦いの中で強くなるとか、死にかけたらコスモが増えるとかじゃなくて、戦闘前に読者に提示された戦闘力だけでちゃんと勝利させた辺りがスゴイです。

こういった知力を用いた戦いというのは、まあ、どのマンガでもやってることはやってます。
たとえばナルトではシカマルと扇子持った砂のお姉さんとの戦いがそうでしたし、こないだの黒猫の「上から襲えば〜」ってのもそうですね。

ただ、それらと今週のハンターの決定的な違いは、ハンターの方が格段に分かりやすく、読者のツッコミを許さず、戦闘に爽快感があったことだと思います。
戦闘中にアイデアを閃いて〜という形ではなく、あらかじめワナを張り巡らせ、対策を練る時間が与えられ、そこから戦力差を補って各個撃破するという形も実は何気に斬新な展開です。
僕は個人的には、襲ってくる敵の軍勢を周到に設置したワナや地の利を活かした戦闘で迎撃するというシチュエーション(ex,バビル2世のバビルの塔攻略、 聖闘士星矢ハーデス編の聖域攻略)が大好きなので、今週の一連のワナと作戦はとても魅力的でした。
絵柄的にも迫力のあるもので、べらべらと説明を並べ立てなくとも、動きだけでどうやってボマーが追い詰められていき、作戦が展開されていったのかが分かります。
これはとても大事なことで、それがひいてはスピード感と緊張感を醸しているのです。
たとえば上に例を出したシカマルの場合だと、太陽の動きを調節するためにかなりの時間逃げ回ってる描写がありましたが、そういう描写が入ると、たとえそれが1コマ2コマであっても話自体の緊迫感が著しく殺がれるものです。作中では長い時間、膠着状態にあったわけですからね。
また、膠着状態の戦闘をイメージすると、地味すぎます。
一方、今週のハンターは、足場破壊→巨大岩落下→グー、と、どれもが破壊力のある描写で読者の目を愉しませます。
作戦の論理的な魅力彩りを添え、カタルシスを与えていたわけです。

次に、細かいところをいろいろ感想述べますと、まず落とし穴トラップ。
ジャンケン、のあと、見開きで放出能力を使うのかと思わせておいて、やっぱりグー。
このフェイントいいですね。ジャンケンは最初なんだか嫌でしたけど、見事に三択として機能しています(主に読者に)。

グーで発動させた落とし穴ですが、最初、ゴンがあれだけの巨大な穴をパンチで穿ったのかと思い、「これじゃビッグバンインパクトじゃん!」と少し萎えましたが、ゴン自体は丸太を破壊した程度ということで安心。
いくら、すごいオーラといっても、この時点でウボー並のパワーを出して欲しくないですから。

落とし穴の深さは、ツェズゲラ式ジャンプでも確かに届かない高さですし(目算)、ゲンスルーは移動スペルを使えば脱出自体は容易ですが、彼に「追い詰められたのは逆に奴の方じゃないか!?」と思わせることで、脱出への注意を一瞬逸らせた点も見事です。
そして、スペル脱出を防ぐ意味も兼ねた巨大岩落下から、わざわざ抜け道を気付かせて、そこへゲンスルーを誘導した流れはもはや言うまでもないでしょう。
抜け道の背の高さも、ゲンスルーは立ち上がれない低さだけど、ゴンがジャンケンをするには支障のない高さで、ゴンの背の低さを有利なものとしています。

「待て!!まいった!!まいったァア!!」
と叫ぶゲンスルーにも容赦なく一撃。
ああー、ホント素晴らしいです。
ここでゴンが本当に待ったならば、また面倒くさい展開となって、読んでる側も「あー、バカだなー、だからあそこで止めを刺しておけば良かったのにー」ともどかしく思うところです。
しかし、といって、あの状況でゲンスルーの取り得る最善の選択肢は待ったをかけることですから(戦闘前に「まいった」を言えば戦闘終了という取り決めがあったので、とりあえずゴンのグーを止めようと考えるなら、最善の選択肢です)、それをやらないのはおかしいです。
普通のマンガなら、あの状況で「まいった」と言っている敵に止めは刺せません。
そのために先週の「やめるなら、いまのうち」という流れがあったのかと思うと、ゲンスルー戦がいかに良く作られた話かと驚かずにはいられません。
これだけ作りこまれていれば、そりゃあ、休載もしますよね。
たまには休んでもイイので、「後ろに飛んでダメージを軽減した!」みたいな某黒猫のような戦闘シーンはハンターでは勘弁です。

もうちょっと話を続けると、ゲンスルーにヒットしたジャンケングーの威力が、ちゃんと表現されていたのも高評価。
思うに、地形とか障害物とか壊すときの必殺技の威力はどんな漫画家もそれなりに描けていると思うのです。
しかし、問題はそれが人にヒットしたときの演出です。
「あれー、この技もっとすごい威力あると思うのに、なんだか当たったらしょぼいなあ」
という経験はありませんか?
やっぱり人に当たったときのダメージを描くのは難しいと思うのです(『らんま1/2』の爆砕点穴はそれのパロディーだと思います)。
今回のはゲンスルーがあの姿勢でヒットしたこと、岩盤にめりこんでいることなど、グーの破壊力が伝わり、及第点だったと思います。

そして最後。

「条件がある・・・『大天使』でバラを治してやってくれ・・・」

この一言が最高に素晴らしかったです。
ここが僕がワンピースは好きになれないのに、ハンターが大好きな理由でしょうか。
全身を縛られ身動きの取れないこの状況下で、それでも条件を付きつけるということは、条件を呑んでもらえないならカードを持ったまま心中という腹づもりでしょう。
以前ゲンスルーがいっていた「危ない橋を渡るときは三人一緒だ」は、どうやら本心だったようです。
僕は作中の悪人本当に邪悪な心のみしか持っていないという描写は、ストーリーを勧善懲悪にするためのとてもつまらない演出で、それは悪人のキャラクターを浅くし、物語自体を薄っぺらなものにしていると思います。
よくあるのが、不出来な手下を意味なく殺したりする悪人ですが、こういうのを見るたびに「ああ、くだらねえなあ」と思わずにはいられません。
悪い心しか持っていない悪人は、常人にはとても理解不能なもので、共感できない薄っぺらなキャラクターですが、自己の目的のためになら悪事も行う悪人なら、僕たちには理解でき、共感できるキャラクターになるわけです。
ゲンスルーが悪人であることは間違いありませんが、少なくともボマー三人には一般的な悪役像とは乖離した仲間意識がはっきりと見られたわけです。

6人分のクローンを用意していたと聞き、ゲンスルーが本心から負けを認めブックを使ったラスト。
この状況でカードを渡すことに条件を付けるということは、ものすごくムシのいい話で、普通に考えたら死ぬまでゆっくり嬲られてカードを強要されるだけで、ゲンスルーさんにもその覚悟があったはず。
それをあっさり受諾したうえ、ボマー全員分のクローンまで用意していたということで、これまであれだけ凶悪だったゲンスルーが負けを認めるという流れにも、まったく納得できます。
主人公があんまり敵役を殺さないマンガというは多いですが、ワンピースが「何で敵生きてんの?」みたいな展開が多いのに比べて、今回ボマーを生かしておく選択には無理がありません。
今回の決着は非の打ち所がないという程に秀逸なラストだったと思います。たとえ、最後のページの半分が真っ白でも。

振りかえってみると、ゲンスルーはゴンからカードを奪うために、なだめたりすかしたり、騙したり、脅したり、実力以外にもありとあらゆる手段を用いました。
それに対してゴンも事前にワナを仕掛け、作戦を立て、相手に対応する修行を経て対峙します。
打算まみれのマンガってのは、打算のないマンガに比べて、お互いが本当に全力を出しきっている感じがします。

あとは、次週の傷を治した後のボマーの対処、振る舞いですが、まあ心配することはないでしょう。
傷を治した後も、ふんじばったまま放置・・・とか、その辺りかとも思いますが、ゴンたちがゲームクリアーするまで確実に動きを止めておくような何か妙案でもあるのですかね。


☆☆☆ヒカ碁☆☆☆

扉絵もあんなだし、タイトルもあんなだし、終わりかと思ったら本当に終わりました。
しかし普通の打ち切り作品とは違い、巻末掲載ではなく、ラストに23Pを与えられ、北斗杯編終と付けられていることから、間違いなく続編は描かれるでしょう。
しかし、北斗杯編終とか書かれると打ち切り漫画によくある「第一部完」みたいで、何だかコワイですねえ。

そんな最終回、あんまり内容には触れることがないんですが、僕のイチオシめがねであるルーリィさんの扱いが酷くて可哀相でした。
「お前には関係ないよ」って・・・・・・。
最後なのにそんな扱いかぁ〜〜。


☆☆☆テニプリ☆☆☆

あれは何だ!?
ダブル(ハンター)か?影分身か?(ナルト)
いや、木下 陰人だッ!!!(焼きたてジャぱん)

先週は相当の内容でしたが、今週もなかなかのハイレベルです。
菊丸が二人になったラストはみなさん普通に笑えたと思いますが、サンデーで好評連載中の「焼きたてジャぱん」というパン職人マンガで、最近、審査員のピエロとか、店番の木下クンとかが分身の術を使っていることを思い出すと、なお笑えたかと。
おそらく原理は彼らと同じですしね。

あとはスタミナ切れで情けなく負けた僕らの岳人クンが、やたら偉そうなところとか面白かったです。

岳人「試合の中で進化していきやがる」

青学メンバーはサイヤ人ですか?


☆☆☆いちご100%☆☆☆

これもある意味、非常に打算的なマンガ。
お色気だけを押し出したいという気持ちはよく伝わりました。
まあ、それはそれとして、不必要にスリリングでなかなか面白かったです。


☆☆☆ミスフル☆☆☆

いろいろとつっこんだ方がいいんでしょうけど(蛇神先輩とか)、何だかうまいこと乗せられてるみたいでイヤなのでやめます(蛇神先輩とかに)。
三像の「があっ、がああっ」には迂闊にも声を出して笑いました。

あと、選手の練習を見るのは当然の務めだと思うので、羊監督の
「このオレ直々にチェックしてやろう」
は何か勘違いしていると思いました。


☆☆☆ジーズ☆☆☆

うーん、「身近にいるイイ人っぽい人が悪人」は、ここ数ヶ月で何度となく目にしたような・・・
少年守護神とか、闇神コウの第一回もそうでしたし。
4P読んだ時点で、「この先生、ラスボスっぽいなァ」と思われるようではダメでしょう。

ホイッスルは読む気がしなかったのですが、今回のはそれほど近づきにくい感じでもなかったです。
むちゃくちゃつまらなくもなかったですし。
いや、別段面白くもなかったのですが。
まあ、普通。ヤタガラスのすごさは最後まで伝わりませんでした。


☆☆☆こち亀☆☆☆

お祭り刑事はそうでもなかったですけど、お祭り強盗はグッときました。
逃亡も神輿でのんびりと。心が和みます。


☆☆☆黒猫☆☆☆

マロさん、転んだーーーー!!!!!!

極一部の好事家のみをターゲットにしたような、全く何の意味もない不必要なマロさんのローリング。
タオ関係無いとか、転がる意味が分からないとか、これにつっこんでいては、矢吹先生の思うツボだと知りながらも何か言いたくて仕方ないですね。
とりあえず、読者全プレはマロさんボールにするべきかと。

グラビティボムは、もう何が何だかさっぱり分かりません。
たしか、重力ってのは地球の中心に向かって物を引っ張る力ですよね。
つまり、高重力空間ってのは、地球の中心に引っ張る力を強化させた空間、と考えられるのですが、高重力空間を圧縮して弾にするってのは一体どういう意味なんでしょうか。
おそらく作者の意図としては、触れた場所の周囲に高重力空間を出現させる弾(着弾点から地球の中心に引っ張る)と言いたいのでしょうが、間違っても高重力空間それ自体を圧縮して飛ばしているわけではないです。
もし本当にそうなら、この弾が飛んだ軌道上の全ての地表が着弾点と同じくへこんでなければおかしいですし、実際は球型の弾になるはずがありません。
円の面積と同じ広さを持った高重力空間が、長い棒を地面に突き刺したような形で飛んでいくはずです。

また、頭上からトレインが飛んできて、それに特大のグラビティボムを当てた場合、トレインと地球の中心を結んだ直線上の物体全てに高重力が及ぶので、トレインの真下にいるマロさんもトレインと同様の重力ダメージを受けることになります。
さらに、トレインは当然重量を増して高スピードでマロさんの頭上から落ちてくるわけで、マロさんは自分にかかるGとトレインにかかるGを受けるため、トレインの2倍の重力ダメージマロさんの死はほぼ確実なものとなります


  ↓トレイン↓  ←グラビティボム、ヒット。トレイン落ちる
  ↓     ↓
  ↓     ↓
  ↓     ↓
  ↓マロさん↓  ←ヒットと同時に、マロさんにも高重力。
――――――――  ←ボムがヒットすると辺り一帯に高重力空間
  高重力空間
   ↓↓↓
  |-------|←この空間内に入ったもの全てに重力は等しくかかる。


☆☆☆ジャガー☆☆☆

ビューティー田村、やっぱりカワイイ!!
サンドイッチを池に投げ捨てようとするあたり、萌え〜。
涙ぐんだり、頬赤らめたり。かわいいですよ、この人。



戻る



★★★中古LD・CD・DVDの通販サイトです。★★★