架神のカレー日記03.7後半
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2003年7月31日
カレーなし

 起きた後、コメを炊いていたら昼になった。

 両親から送ってもらった山芋を摩り下ろし、それをご飯に乗せてお味噌汁と一緒に食べた。

 食事の後、ジャンプ感想を書いた。ほとんど昨日の内に書いていたので、すぐに終わるかと思いきや、「BLACK CATファンに100の質問」なるものを見つけてしまい、これをせっせと書いていると、結局4時間ほど掛かってしまった。
 しかもこれが時間を掛けた割には、あまり面白くない。そもそも100も質問があると、本当にその作品が好きでも、答えに窮する難問がいくつかあるものだ。BLACK CATなら、何をかいわんや。質問の度に、いちいち機知に富んだ答えを考えるのも大変で、30問を過ぎた辺りから、ずいぶんとおざなりになってしまった。何だか、無駄に時間を使ってしまった気がする。もっと、有意義なことは幾らでもあるのに・・・。

 5時ごろ、エーツー花火大会に行くため、家を出る。祭り好きの私も、狛江で花火大会があるなど知らず、てっきりエーツーリーダーの脳内花火か何かかと思っていたが、電車が和泉多摩川に近づくに連れ、浴衣を着た人々の数が増え、本当に花火があるのだと分かり、安心した。
 花火では、まず、土手で派手に転んだ。夜露のせいか、薄く塗れた土手の雑草は、ゆるやかな傾斜ながらも私の足を滑らせるには十分な危険性を秘めており、まさかこんな土手で滑るとは思ってもいなかった私は、あっさりと足を取られ、尻餅を付いたまま、ずるずると滑り落ちてしまった。これにより、手や服などが泥まみれになり、これからの花火大会に暗雲たる気配を漂わせた。
 だが、冒頭のアクシデントはさておき、花火自体は素晴らしいものだった。隅田川のそれと比べれば、やはり規模自体は小さいものの、その代わり打ち上げ場所の間近まで近づくことができ、かつて無い程に近距離から花火を見ることができた。距離が近いだけで、花火の趣というものはまるで違ってくるもので、音も絵もこれまでに経験したことの無いほど迫力のあるものだった。実は隅田川より、こちらの方が楽しかったかもしれない。

 帰って、シャワーを浴び、お茶を飲み、いま日記を書いている。泥塗れのパンツは洗濯機に放り込んだ。

2003年7月30日
夕頃:ラム肉のレッドカリー

 昼頃に起き、タマネギ・竹の子・玉子・わかめ・ラム肉などを入れた大層豪華な蕎麦を作って食べた。悪くはない。悪くはないが、やはり蕎麦は1品2品ちょこんと乗っている方が見た目も味わいも上品で良い気がする。

 日中はジャンプの感想を書こうと思っていたが、通販の発送のためにCDをこしらえたり、梱包したりしていたら何時の間にか時間が無くなり、全く手を付けることが出来なかった。

 その後、柏ザックスへ、エーツー森永理科さんを見に行く。生まれて初めてアイドルに恋してしまった私は森永さんのステージをきらきらと目を輝かせながら見ていた。ふと横を見ると、見るからにオタクさんらしき人々も、同じように目を輝かせながら森永さんのステージを見ている。おそらく客観的に見れば、私は彼らと何ら変わることなかっただろう。そして、実際何も変わるものは無い。しかし私はむしろ「ああ、私もすっかりオタクさんになってしまったのだなあ、まあいいか、仕方が無い」と奇妙な安心感と諦念を覚えてしまった。私がこれまで頑なに保持していた矜持も、アイドルの魅力の前では何の役にも立たなかった。
 しかし、森永さんのステージで残念だったのは、森永さんが全くめがねをかけなかったことだ。森永さんのファッションカタログも購入したが、やはりどのページを開いてもめがねをかけていない。クッ、何故だ、何故なんだ!どうして芸能界ってやつは、こうも腐り切ってやがるんだ!!

 あと、エーツーはいつも通りブレイクしていた。帰りの電車で教えてもらったが、昨日の彼女達の売上は、私の日給と丁度同じだった。いいなあ。私なぞ、ヴィジュアル系をやっていたときでも、それほどは儲からなかったのに・・・。インディーズでは、ほとんどが赤字だ。これだけ黒字になれば立派なものだ。彼女達は「隙間産業だから」と謙遜していたが、これは紛れも無く彼女達の実力だろう。いま、彼女達には流れもきているようで、いずれ彼女達が私たちの手の届かないところに行ってしまうのではないかと、藤宮君も複雑な心境を吐露していた。

 帰りの電車の中で、明日、エーツーと狛江の花火大会に行くことになった。

 夜の2時半ごろまでジャンプ感想を書いていた。2時半まで起きていたのはバンドメンバー(映像班)が製作したプロモーションビデオがTVで流れるというので、見るようにと言われていたからだ。
 最近、身の周りの人の躍進が甚だしいが、私はのんびりとやっていこうと思う。最悪でも、食いっぱぐれることはないわけだし。でも、寿司が気軽に食べれるくらいの金持ちにはなりたい。

2003年7月29日
カレーなし

 冷夏のせいか、はたまた21の大きなライブが終わって気が抜けたのか、夏風邪をひいてしまったらしい。たいしたことはないが、咳などが出て、鬱陶しい。

 朝食に、タマネギ・竹の子・ラム肉などを炒めたものに、目玉焼きを付けて食べた。通勤中の電車の中では、京極夏彦の『魍魎の匣』を読んでいたが、この書、文庫本の癖に1000Pもあるため、妙に分厚い。立って読むと手が疲れる。上下2冊に分けて欲しかった。

 仕事は相変わらず簡単なものだったが、眠気に耐えるのが大変だった。今日も1つ上の上司は「手当てが付かないなら僕は管理業務などやりませんよ!」と言い切っていた。最近、あの人は反骨精神溢れている。

 仕事の後、友人たちと映画『地獄甲子園』を見るため渋谷へ。8時待ち合わせだったが、案の定、海上姉は遅刻したので、先に友人二人と、渋谷の安いスパゲティ屋で夕食を摂る。スパゲティ350円、ホットサンド240円。結局600円近く使ってしまったが、ホットサンドは値段の割には素晴らしい味だった。

 食事の後、海上姉と合流した私たちはパルコのPART3にあるシネクインへ。思ったよりも広い会場を、9割方観客が埋め尽くしていた。封切りから1週間以上過ぎていることを考えると、なかなかの集客ではないだろうか。
 『地獄甲子園』の内容は……手放しで賞賛できるほどの物ではなかった。部分部分に光る点はあったものの、全体に美味しいところは抑え目で、その代り、分かりやすいネタが全編に散らばっていた。分かりやすいネタを量産することにより、『地獄甲子園』は、一見さんにもそれなりに楽しめるコメディ映画となったであろうが、それは別に漫画太郎先生の原作でなくても良かったはず。かえって、「漫画太郎の映画化」を楽しみにしてきた、コアなファンにはチープな印象を与えたのではなかろうか。せっかく漫画太郎先生原作の映画なのだから、「いちばん美味しいところ」を全面的に押し上げて、そのままの勢いで全編突きぬけて欲しかった。製作側も、そのところは理解はしているように見受けられたが、、おそらく興行との兼ね合い云々があるのだろう。とにかく、手放しでは賞賛できない出来で、かつ、原作は超えられていない、ということだけは断言できる。……ビデオでいいかな。

 あと、単館系の映画では「えびボクサー」「インターステラ5555」が気になった。

 映画の後、友人たちがプリクラを撮っている間、POPTEENという雑誌が置いてあったので、それを興味深く眺めていた。この雑誌、私のような男性の目から見ると、一冊丸々ギャグにしか見えないのだが、定期的に刊行されていることを考えると、女性からはそれなりに購入されているのだろう。しかし、不思議な雑誌だ。
 このような雑誌を見ると、男女間の温度差を実感する。この雑誌で良いとされている物は、私たち男性から見ると一概に良いとは思えない。まず第一に、モデルの女性たちは誰もめがねをかけていない。これでは話にならない。美を論じる以前の問題だ。

 プリクラを撮り終わると、外はものすごい豪雨だった。私だけ幸いにも傘を持っていたのだが、傘があるからどうこうというレベルではない雨量で、私もずぶ濡れになった。家に帰り、身体が冷えたので熱いシャワーを浴びようと思ったが、こんなときに限ってガスの調子が悪く、全裸のまましばらく震える破目になった。風邪ひいてるのに・・・。

2003年7月28日
朝:ラム肉のレッドカリー

 朝シャワーを浴びて、レッドカリーを食べ、仕事へ行く。電車の中でジャンプを読んだが、ハンターハンターが素晴らしく面白かった。

 今日も仕事は眠かった。私の2つ上の上司が、「今日残業できるか?」と聞いてきたが、今日は仕事の後予定があったので、NOと答えた。2つ上の上司は私の1つ上の上司に、同じように「今日残業できるか?」と尋ねたが、1つ上の上司は「いやー、だめですね。今日は帰って犬夜叉見ますから」と答えていた。
 先週土曜の話になるが、この1つ上の上司は自分の管理業務を放り出して途中で退社しようとし、2つ上の上司に咎められたとき、「ガンダムシードがちゃんとビデオに撮れたかどうか不安なので、帰らせてください!!」と言い切った。当然、彼の要求は受け入れられなかったが、なんと勇猛な男であろうか。オレは会社の犬じゃねえぜ、という気概をありありと感じる。私も彼を見習いたい。
 そんな私の会社は現在人手不足らしく、バイトを募集しているので、興味のある人は私の方まで一報下さい。職種は、いわゆるデバッガーです。場所は中野富士見町。給料は安いが、こんな楽な仕事はそうそう無いと思います。日中眠くならない人なら本当に楽勝。

 仕事の後、海上姉妹が新しく始めたバンドを見に池袋手刀へ行った。ライブは急場凌ぎにしては、よくできていたと思う。これからも何となく頑張って欲しい。
 ライブの後、「感想などを聞きたいから打ち上げをする」というので、彼女達とファーストキッチンへ行った。しかし、打ち上げの席では彼女達は当初の目的を忘れ、始終「テニプリは話はクソだが、大石は好きだ」とか「リピュアの花穂は狙いすぎていて萌えれない」とか、そんな話ばかりで、全く駄目な姉妹だなあ、と微笑ましく思った。
 特にライブの直後、「今週のボーボボ、ソフトンがすごくカッコ良かったんですよー!!」と真剣に力説していた海上姉は、存在自体が奇跡だと思った。

2003年7月27日
夜:ラム肉のレッドカリー

 朝食にナポリタンスパゲティーバタートーストを食べながら、映画「マン・オン・ザ・ムーン」を見た。アンディ・カフマンというコメディアン(?)の伝記映画だが、劇中で満杯の会場が途中退場でガラガラになったり、会場中からブーイングを受けたりするシーンがあり、しかも私はそれに大層憧れてしまったため、(私にとって)大変悪い影響を与えた映画だった。

 その後、京極夏彦「怪」シリーズ「赤面ゑびす」「福神ながし」を見た。これで「怪」シリーズは4つ全部見たことになるが、「福神ながし」が一番良かった気がする。なんだか七福神の人たちは可哀相だったが、小さいことは気にしないことにしよう。クレジットを見ると、作者の京極夏彦はともかく、水木しげる、荒俣宏、宮部みゆきなどが出演しており、無駄に豪華だ。しかし、本当に無駄だ。

 その後、蕎麦が食べたくなったので、わかめ蕎麦を作り、食べた。それから、買い物に行った。

 買い物といっても、いつものスーパーだ。今日は土用の丑の日らしく、うなぎが並んでいたが、まさか買うわけにもいかない。今日はレッドカリーが作りたかったので、うなぎを横目にナスピーマン竹の子などを買った。肉は手頃な半額鳥肉がなかったので、ラム肉を購入した。
 レッドカリーはラム肉が良かったのか、ココナツミルクの味わいがラムに溶け込んでおり、いつもよりミルキーに感じられた。さすがラムだ。美味い。もしかして、ラムじゃなくて牛肉などでも同じようになるのかもしれないが、いかんせん牛肉など試しようがないため、分からない。なお、煮込みの際にバイマクルー(こぶみかんの葉)を入れてみたが、煮込み中に香りに慣れたのか、いつもとあまり違いを感じられなかった。入れる量が少なかったのかもしれない。

 その後、ケーブルで「るろうに剣心〜星霜編」を見た。評判は追憶編ほど良くは無く、実際に私が見ても追憶編ほどの素晴らしさは感じられ無かった。これと追憶編を並べて考えること自体どうかと思うほど程度に差がある。追憶編は吝嗇家の私がうっかりDVDを買ってしまうほどの名作だったが、星霜編は一度見たからもういいかな、と思う程度だった。……なんか、薫のキャラが変だ。

2003年7月26日
カレーなし

 朝、貰いものの赤飯を炊き、それと昨日の残りの麻婆豆腐で食べた。

 仕事は今日もまた眠かった。

 帰りに隅田川花火大会を見に行った。正直、どちらかといえば面倒くさかったが、こういう祭りごとは参加しなかったらしなかったで、後々何だか損した気分になって結局後悔してしまう。面倒くさいなら行かなければ良さそうなものだが、そういう理由で行かない訳にもいかない。我ながら、厄介な性分だ。だが、職場近くのコンビニでフライドチキン安酒を買っていると、段々楽しくなってきた。

 隅田川は、例年のことだが、浴衣姿のカップルが目立った。彼らと比べると、一人で来ていた私は若干の物悲しさを感じないわけにはいかなかったが、しかし、一人身には一人身のアドバンテージがある。少なくとも、気遣う相手のいない私は機動力では彼らより遥かに長じている。一人身で来たからには、木蔭の隙間からわずかに漏れ見える花火の断片に歓声を上げるような場所ではなく、文句無く花火の全形が見渡せる場所を妥協無く捜し求めなければならない。ここで素晴らしい場所を手に入れることができれば「私は花火を純粋に楽しむため、敢えて一人で来た」と自分を納得させられるが、場所まで妥協してしまったなら、単に寂しい人になってしまう。
 果たして、花火開始から十数分後。私は花火の全形をほとんど完璧な形で眺望できる場所を得た。第2会場の方までは流石にカバーできないが、まあ、どちらか一方が十全に見えるならば十分だろう。そこに座り、持参した赤飯、フライドチキン、そして花火を肴に酒を呑んだ。やはり、来てしまえば祭りは楽しいものだ。

 花火の帰り。これも例年のことだが、最寄駅は酷く混んでいた。幸い、私は明日仕事もなく、余裕があるため、浅草をぶらぶらと歩いた。安いラーメン屋があったので、そこで一番安いラーメン(290円)を食べた。味は値段相応のものだったが、酒を呑んだ後のラーメンというものは、実際の味以上の満足感を覚える。
 花火終了から1時間強が経った頃、私は最寄の地下鉄の1つ隣の駅へ着いていた。時間が経っていたこともあり、また隣駅ということもあり、ここではすんなりと電車に乗り、綾瀬へ帰った。

 帰りに、レンタルビデオでジム・キャリーの「マン・オン・ザ・ムーン」を借りた。

2003年7月25日
朝:カレーパンもどき(素カレー使用/終了)

 朝食は昔掲示板で教えてもらった、カレーパンもどきを作った。パンにカレーを塗って二つ折りにした後、油を多目にひいたフライパンで揚げ焼きにするというものだが、今回はオリーブオイルを使ってみたところ、黒く焦げてしまった。オリーブオイルだからいけなかったのか、それとも、オリーブオイルということで、私が量をケチったのがいけなかったのか。とにかく、これを作るときは素直にサラダ油を使うべきだと思った。

 仕事は今日も眠かった。睡眠はしっかり摂ったし、通勤中の電車の中でもぐっすりと寝ていたのに、それでもすごく眠かった。シエスタの後も変わらず眠かった。
 本当に睡魔というものは抗いようが無い。なぜならば、眠いと認識したときには既に寝ているからだ。人はどうだか知らないが、少なくとも私の場合は現実がシームレスに展開されるため、抗うべき間隙が存在しないのだ。仕事をしながら、何かを考えたり閃いたりすると、それが2ステップほどの論理展開を置いて、少しずつ現実味を失っていき、荒唐無稽な話に変わっていく。そして、その頃には既に夢の中に落ちている。頭の中のイメージが現実味を失い出す1つ前のステップの辺りで、おそらく眠っているのだと思われる。また、瞬きをしたと思ったらそのまま寝ていることもある。どちらにしろ、例えばコーヒーを飲むとか、顔を洗ってシャッキリするとか、そういったアクションを起こす余地が全く無い。今日も目を覚ますたびに立ち上がり辺りをうろうろと歩き回ったりしたが、そんな努力には何の意味も無く、椅子に座れば、また何時の間にか寝ている。いったい、こんなものにどうやって抗えというのだ。
 
 帰りに新宿に寄り、紀伊国屋で「スプートニク」を購入した。約2700円。両親から送られた図書券を使った。「スプートニク」は既に図書館で借りて読んだものだし、私としても、これを何度も読み返そうとは思わない。だが、強い感動を覚えた素晴らしい芸術作品が常に手に届くところにあるというのは、たぶん良いことだろう。私もフォンクベルタのような立派なアーティストになりたい。と、最近、冗談じゃなくて真剣に考えている。

 ちなみに、紀伊国屋は天文地学のコーナーに「スプートニク」がカテゴライズされていた。「スプートニク」ほど、どのジャンルに分類されているか分かり辛い本も無い。店員がこの書にたいして然程の理解を示していないのであれば、この本は「歴史」「天文」などに分類されるだろう。紀伊国屋ですらそうだった。しかし、この本の正しくあるべき場所は、「写真集」、もしくは「芸術」のどちらかだ。むしろ、壷とか刀剣とか絵画とかと並べて置かれた方がより位置付けとしては正しいだろう。この書はほとんどが文字で占められているが、重要なのはその文字列が持つ情報力ではなく、この書物そのものの存在だからだ。ピカソの絵が、直裁的な情報伝達能力において評価されているわけではないのと同じだ。本という体裁を取りつつも、その本質は「本」ではない。返す返す素晴らしい作品だ。やっぱり尊敬してしまう。

 帰って、親から届けられた麻婆豆腐の素を使い、麻婆豆腐を作った。コメは、昔、人からもらった雑穀(あわ・ひえ・きび・はと麦・押麦)を炊いてみた。普通に美味しかった。

2003年7月24日
朝:素カレー

 朝、チキンラーメンと、コメに素カレーをかけて食べた。素カレーは貧しさは拭えないものの、別にそれほど酷くはなかった。具材が無いことの侘しささえ忘れられれば、何となく普通のカレーだと自分を騙し騙し食べられる。

 仕事に行った。今日の仕事はとてもとても簡単で、ヒマなだけの仕事だったが、それゆえ眠気も酷く、一日中うとうととまどろんでいた。明日も同じ仕事なので、今日は早く寝ようと思う。

 仕事中にずっと思っていたのだが、実家に帰りたい。実家に帰って、お肉とか茄子とか食べたい。いま現金がなくて、毎日どうやって食事を摂ろうか悩んでいるが、実家に帰れば食材に不便せず、好きな料理を作ることができる。8月中に少し多めに働いて9月の頭から一時帰省しようと思っていたが、8月前半に帰りたい気がしないでもない。

 夕食は、バタートーストと、プレーンパスタを食べた。プレーンパスタとは、パスタにバター胡椒を絡めただけのもので、今日の夕食は炭水化物と脂質しか摂れなかった。だから、実家に帰りたい。とにかく、茄子が食べたい。

 いま気付いたが、今日は隣駅で花火大会だったらしい。失敗した。土曜だとばかり思っていたのに、土曜は隅田川だった。

2003年7月23日
夜:カレースパ(素カレー使用)

 久しぶりの仕事。やっぱり寝過ごした。間に合ったものの、朝食が摂れなかった。

 今日の夕食をどうしようかと考えた。冷蔵庫には何もない。財布には350円しかない。まあ、下ろせばお金はまだ若干あるのだが、何はとまれ現金がない。カレーも作れない。・・・・・・ん?具材がない??具材を買う金がない??・・・・・でも、カレールーだけはある!

 結論が出た。ついに、アレを作るときが来たようだ。「素カレー」である。一切の具材を拒む、男の中の男のカレー、「素カレー」。いつかは作ろうと思っていたが、ついつい恐ろしくて踏みきれなかった「素カレー」。しかし、今日ほど素カレーを作るのに最適な日も無いだろう。

 というわけで、スパゲティを茹でたあと、素カレーを作る。水を沸かし、おもむろに固形カレー粉を加え、溶かして2分ほど煮こむ。完成だ。料理と言うことすらおこがましいお手軽さだ。
 それをスパゲティーにかけて食べてみた。うむ、想像通り、単に麺にカレー味が付いただけだ。しかし、カレースパではせっかくの素カレーを味わい尽くしたことにはならないだろう。明日は残りの素カレーをちゃんとご飯(一口分だけ残っている)にかけて食べてみようと思う。

2003年7月22日
カレーなし

 朝、コメを炊こうかと思ったが、面倒くさいので止めた。チキンラーメン玉子を入れて食べた。

 今日はこれまでの疲れを癒すべく、一日たらたらと遊んで暮らす予定で、夕頃までは予定通り、なんとなくアニメを見たりして過ごした。『銀河英雄伝説』は面白い。まったく話の筋は追えないが、一話一話、飛ばし飛ばしでも見ていて面白い。
 このように夕頃まではまったりと過ごしていたのだが、そのあと「ヴァンパイアセイヴァー」のページを作ったら、疲れてしまった。失敗した。

 夕食は近所のスーパーに安い魚でも買いに行こうかと思ったが、財布に50円しかなく諦めた。納豆キムチお味噌汁で夕食を摂った。

 お米がなくなったので、カレーが作れない。レッドカレー食べたい。

2003年7月21日
カレーなし

 素晴らしいライブだった。私たちも考えられる限りの工夫と努力をし、9割方成功は見込んでいたが、最後の1割の不安が拭いきれなかった。だが、パンクの神さまは私たちに微笑んでくれたようだ。ライブは大成功だった。
 最近、ライブで音楽ばかりやってて、すごく手抜きをしていた感があったが、今回は音楽が1時間20分中わずか5分と、全力で取り組めた。やはり、ライブで音楽をやらないと充実感が全く違う!ライブで音楽なんてやっちゃダメだ。

 今回のライブは、乙女の純情を4人の人間が持ちうる知力・技術・情熱・体力・精神力の全てを尽くして1ヶ月間に渡り、全力で踏みにじるというものだが、終わった後、ターゲットから「チックショー!私一人を騙すためにここまでやりやがって……ここまでやるかよ……フツー……めちゃめちゃ手が込んでるし……なんか……むしろ……ありがとうございます」と言われたときは、本当に1ヶ月頑張って良かったと思った。

 個人的には、私は自分のストーリーテリング能力を過信しすぎていたことを反省したい。そのせいで、一時ライブが致命的な状況になりかけたが、メンバーメタリカ君の咄嗟のフォローで持ち直した。今回の敢闘賞は彼に差し上げたい。彼の活躍がなければ、今日の成功はあり得なかっただろう。本当に彼は素晴らしいプレイヤーだ。音楽の話じゃないけれど。

 今日のライブは来てくれたお客さんの反応もすごく良かった。ライブ終了後、半数は私たちを激賞し、残り半数は苦虫を噛み潰したような顔で帰っていった。特に、お客さんの中で「カネ返せ!」と吐き捨てた人がいたのがとても良かった。感動した。ついに待ち望んでいたこの言葉を得られた。面と向かって「カネ返せ!」なんて言われたバンドはそうそういないだろう。実に誇らしい。方々で自慢したい。

 大体、どんな人からも「良かった」などと言われるライブはダメだ。そんなものが本当に衝撃的なライブのはずがない。本当に衝撃的なライブなら意見が分かれて当然だ。良し悪しのベクトルなど評価には全く関係ない。大切なのは絶対値だ。「普通に良かった」「どちらかといえば良かった」。こんな評価をされたら負けだ。そんな評価をされるくらいなら、いっそのこと「絶対二度と見たくない」「友達にも見るなと言いたい」このくらいの評価をされたいものだ。無論、適当にやれば、酷い評価を受けるのは簡単だ。そうではなく、全力を尽くした上で、考えられる限りの努力の末に、半数の絶賛の裏側で、酷い評価をされたい。

 ところで、一つ自画自賛したいのは、ライブで配布したパンフレット8万字もの文章を書いたのは、おそらくインディーズバンド史上、私たちが初めてではないだろうか。8万字という数字は、標準的な文系学生の卒論2つ分に相当する。

 帰って、お客さんからもらった素晴らしいMDを聴いた。本当に素晴らしい。宝物だ。危うくエンドレスで聴きそうになった程に。自分の声が、むしろ邪魔だ。我ながら、これを聴く今の自分はイタすぎると思う。私の家に来る客人がいたら、是非これを聴かせて自慢したい。

2003年7月20日
カレーなし

 夜は忙しくて書けないと思うので、今のうちに書いておく。

 朝は納豆蕎麦を作って食べた。醤油だけでつけだれができそうな気がしたが錯覚だった。ちゃんとも入れるべきだ。

 明日はついにライブ。大物だ。2年前の「ミルシア学園」以来の忙しさだ。この1ヶ月間、誰が見ても「クソくだらねえな」と思うことに、あり得ないほどの手間と情熱を注いできた。明日のライブが1000円というのは安すぎる気がしてきたくらいだ。今までも出来る限りのことはやってきたし、今日これからも人事は可能な限り尽くす。後は明日の天命を待つだけだ。私たちが費やした莫大なエネルギーが、明日のたった10分に集約される。この瞬間をライブで見れる人は本当に幸せだと思う。

 今日これから、私は、明日の10分を最大限効果的に演出する方法を、全ての知力を注いで案出・構成する。明日の成否は、全てこれからの私に掛かっているといっても過言ではない。この大事な仕事を、己の才能全てをぶつけて取りかかりたいと思う。

 明日は失敗したら最悪ファンが全員いなくなると思うが、まあ、仕方ない。ここまで来れば後は神頼みだ。パンクの神さま!私たちにファニーエンドを!!

2003年7月19日
カレーなし

 あいも変わらず忙しい。

 21日に配布する音源マスター作業を行った。バンドに関して、私の持ちうるスキルの中で最も程度の低いものが音楽に関するスキルだが、そんな私がいじってるのだから、たいしたものができるわけがない。酷いものになったら歌い手のフちゃんに悪いなあ。

2003年7月18日
カレーなし

 今日も忙しかった。

 ・・・・・・で、済ませたいところだが、今日はとても素敵なことがあった。某アイドル声優「わぴこ元気予報」をデュエットするという僥倖に巡り会ったのだ。自分の日頃の行いがそんなに良かったのかと過去を振り返ると、決して良くないどころか、次のライブの関係で、ここ1ヶ月くらい鬼畜外道のようなことをしている。
 皆さんも経験があるだろうが、テレビ越しに見るアイドルというのは、余り可愛くはない。しかし、実際、直接目にすると、さすがアイドル。ものすごく可愛い。なぜ、テレビ越しに見るアイドルが可愛くないか。言うまでもない。テレビではアイドルはメガネをかけないからだ。アイドルが全力を出せば(メガネをかければ)私のような一般人はクラクラとしてしまう。すごいなあ、アイドルって。

 ちなみに、事務所の関係で固有名詞は出せないが、上記のことは本当のことである。決して妄想とか脳内設定とか白昼夢の類ではない。

2003年7月17日
カレーなし

 カレーを食べるヒマもないくらい忙しい。

 何でこんなに忙しいのかと、いま製作しているパンフレットの文字数をカウントすると六万字を超えていた。休みの日は一日一万字書いてた計算になる。一万字といえば、標準的な文系学生の期末レポート5つ分に当たる。

 ・・・・・・そりゃあ、忙しいよなあ、自分。

2003年7月16日
カレーなし

 カレーは食べなかった。

 どうかと思うくらい忙しい。

 Cubasisを用いてレコーディングした。Cubasisは相変わらず理不尽なまでに意味がわからず、突然リズムが変わったり、音が聞こえなくなったりと、このクソ忙しいときに私を悩ませた。ベースでパソコンごと殴り壊したくなったほどだ。しかし、いろいろと思考錯誤した結果、最も意味の分からなかった問題は何とかフィックスできた。良かった、物事には何事も理由がある。だが、まだ細々とした問題は手付かずのままで、頭が痛い。DTMの家庭教師が欲しい。


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