架神のカレー日記03.7前半
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2003年7月15日
朝:カレースパ(チョコトマトカレー使用/終了)

 朝、カレースパを食べた。

 忙しい。

2003年7月14日
カレーなし

 朝食におにぎりチキンラーメンを食べた。チキンラーメンの具材は海苔玉子のみ。しかし、不思議とチキンラメーンには、このような貧相な具材が似合う。チキンラーメン自体が良い意味でチープな味わいだからだろう。

 適当に仕事した。

 仕事の後、休憩室にが置いてあった。知り合いが秋田へ帰った際にお土産で持って帰って来たもので、皆さんでご自由にお飲み下さい、と書かれていた。そこには「結構高価なものなので、皆さんで飲んでください」と、「皆さん」にアンダーラインが引かれ、強調してあった。
 しかし、彼女はまだまだ世間知らずだと言わざるを得ない。「皆さんで」などと注意書きを添えたところで、そんなものが貧乏人の前で何の役に立とうか。譲り合いの精神というものは、基本的にゆとりある人間にのみ許された考え方であり、逼迫した人間には他者のことなど考える余裕はない。私が、普段1.8リットル800円の安酒ばかりを呑んでることも考えれば、そのような高価な酒を目の前にして自制できるわけもない。
 というわけで、基本的に「飲めるだけ飲む」つもりだったが、さすがに何の肴も無く、がぶがぶとは飲めない。結局、一升瓶の1/3ほど飲んだところで止めた。何だ、私も結局良識的だな。ちなみに、飲んでるときに土産の主がやってきたが、彼女も思ったほど同僚が日本酒を飲めないことが誤算だったらしく、私がぐいぐいと飲んでいても何も言わなかった。結果オーライ。

 帰りに、あなご天(90円)を買い、夕食は蕎麦を作った。その後は黙々とジャンプ感想を書きつづけた。疲れる。特に黒猫の感想を書くのが疲れる。一度、頭の中で黒猫のストーリーの価値変換を行い、次にその歪めた価値感覚のまま、論理整合性のある文章を作らなければならないからだ。実際にはそれらの脳内処理に掛かる時間自体はたいしたことはないのだが、エネルギーのコストが大きい。

 書き終えた後、何となく何か食べたい気分になった。全くお腹は減っていなかったのだが、そういう気分なのだから仕方がない。たぶん、ストレスだろう。幸い、私は就寝直前のカロリー摂取による肥満などを全く気にすることが無いので、何か食べるものは無いかと冷蔵庫を漁った。3週間前に賞味期限が切れた納豆が見つかった。食べ物は賞味期限内に確実に処理する私としては珍しいことだ。とりあえず、その納豆を食べることにした。
 納豆ごはんを作って食べてみた。想像通り何の問題も無く、美味しく頂けた。若干味は落ちるものの、臭いも色も何の問題も無い。納豆って強い。

2003年7月13日
カレーなし

 「七人の侍」は期待していたほど超感動大作というわけでもなかったが、非常に良く出来た素晴らしいエンターテイメントではあった。感動するほど楽しめなかったのは少し残念だが、もう少し年を経ればこの作品で感動できる日もきっと来るだろう。

 朝はインスタントの焼きそばをたべた。夜はレタスキムチチャーハンを作って食べた。

 今日は昼から夜まで7時間くらい次のライブの準備をしていて、さっぱり休んだ気はしない。体感的には週6くらい労働している気分だ。疲れた。

2003年7月12日
カレーなし

 朝食にレトルトのハヤシライスを食べて仕事へ行った。通勤の途中、電車の中で少し眠って乗り過ごしてしまい15分ロスした。このまま行けば遅刻だが、走っても間に合うかどうか分からない。走った挙句間に合わなかったら最悪なので、諦めて歩いていった。結果、1分遅刻だった。走らないまでも、早歩きすれば間に合っていたのに。怠惰な性格が裏目に出たようだ。まあ、いいや。

 適当に仕事をした後、新宿へ行った。いつものゲーセン「モア」4Fの50円ゲームコーナーでセイヴァーをしたり、怒首領蜂をしたり、エスプレイドをしたりして、帰る前にふと3Fの100円ゲームコーナーへ寄ってみた。・・・・・私は、そこで恐ろしい光景を目の当たりにした。
 
 式神の城IIというゲームがある。弾幕避けシューティングと呼ばれる部類のゲームで、画面上を覆い尽くさんばかりの弾が飛んできて、それを細密なレバー操作でもって、ちまちまと避けるゲームだ。式神の城は比較的簡単な部類に入るらしいが、それでも私は全然クリアーできない。シューティングをしない人から見たら、こんなゲームをやっている人は余程の暇人か、ゲーム仙人だろう。
 私が目撃した、恐ろしい光景とは……このゲームを一人で2Pプレイしている男のことだ。この意味がわかるだろうか?200円を投入し、二人プレイを選択、そして左手で1P側のレバーとボタンを操作し、右手で2P側のレバーとボタンを操作する。しかも、1Pキャラクターと2Pキャラクターは全く別の動きをして、それぞれが機能的に行動している。弾除けも、全く違う二つの場所で、迫り来る敵弾をそれぞれが避けている。ありえない。人間の為せる業ではない。これを目撃したとき、私はまさに「開いた口がふさがらなかった」。
 その男は結局ラスボスまで進んだが、そこで惜しくも敗れ、悔しがっていた。それにしても……返す返すありえない。一体、どのような修練を積めば、あのような超人的技巧を手に入れることが出来るのか。全く想像もつかない。石仮面しかないんじゃないかと思ってしまうくらいだ。
 しかし、あの人は何を思って、一人で2Pプレイクリアーなどという曲芸プレイに挑戦する気になったのだろうか。何かが分かるかと思い調べてみたところ、どうもアルカディアというアーケードゲーム専門雑誌で2人同時プレイのハイスコアを集計しているらしい。あの人はこの部門に一人で挑戦しようとしているのではないだろうか。世の中恐ろしい人がたくさんいるものだ。

 モアを立った後、とてもピザが食べたい気分になったので、新宿のファーストキッチン「ベーコンポテトピザ」(230円)を食べた。友人のアキトさんや妖精さんは「ファーストキッチンのような不味いピザが食えるか!」と言っていたが、私にはそれほど酷いものとは思えない。コストパフォーマンスを考えると十二分な出来だと思うのだが。ファーストキッチンはソースバーが充実しているので、貧乏人は何だか得した気分になれるのも嬉しい。

 帰りにを買った。これからケーブルテレビで七人の侍』を見る。とても楽しみだ。

2003年7月11日
夜:カレースパ(チョコトマトカレー使用)

 朝、レタスキムチチャーハンを作って食べた。上手に作れたようでとても美味しかった。やはりゴハン一粒一粒に玉子の膜が張るように丁寧にかき混ぜるのが大切だ。

 銭金から電話があった。何か生活に変化があったら、また出してもらえたようだが、残念ながら何も変化がないので流れた。残念、もたもたせずに星矢ミュージカルを進めておけば良かった。学生の頃は即断即決だったが、最近は断を下した後、行動が完結するまで平均1年くらい掛かる。

 今日は主に次のライブの準備をしていた。ちなみに、準備とは次のライブで配布する豪華パンフレットの製作である。結構カリカリと頑張っていたが、全然進まなかった。いつものことだが、これくらいで出来るだろう、という目算の3倍くらい時間が掛かる。別に私の作業効率が悪いわけではない。実際に着手すると、構想していたよりもより良いアイデアなどが生まれるため、コンテンツ量が増えてしまうからだ。こういうのは、やり始めるまでは果てしなく面倒くさいが、実際に着手してしまえば案外面白く時の経つのを忘れて没頭してしまうため、気付いたら夜になっていたりする。なお、準備を進めながらカレースパを食べた。

 洋画「ディープブルー」は結構面白かった。主役は実はコックだった。あのコックならエイリアンでも倒せそうだ。「神様、疑うわけではありませんが、これは何かのシャレですか!?」窮地において、なんだこの余裕は。このコック、どうも有名なラッパーらしい。

 今日、ライブの準備のため資料を調べていると、このようなページを見つけ、このアンディという人物に非常に共感した。彼のエピソードを読んで声を上げて笑った。ただおかしいだけではなく、彼のパフォーマンスに、何か良くわからない感動のようなものがこみ上げてきて、危うく泣きそうになった。これはあくまでただの紹介文なのに、すごい。「MAN OF THE MOON」は是非見たいと思う。
 「スプートニク」フォンクベルタといい、最近尊敬できる人物を多く知ることができて何だか幸せだ。干していた布団が夕立でずぶ濡れになったことも、がんばって作っていたデータがブレーカーが落ちて消えたことも癒された気がする。

2003年7月10日
カレーなし

 朝食に味噌煮込みうどんごはんを食べた。味噌を入れすぎて、明かに辛すぎた。

 仕事に行った。適当に仕事した。おにぎりをもふもふと食べて、お昼寝して、もう少し仕事して、新宿に行って、カフェアヤ牛丼(280円でお味噌汁と玉子が付くため、牛丼屋と比べても最もリーズナブル)を食べて、少し遊んで帰った。

 このゲームがやりたい。信じられないことに、最も新しい部類のゲームにも関わらず、私のパソコン性能がギリギリ最低稼動環境に達している。素晴らしい。

2003年7月9日
カレーなし

 朝食におむすびお味噌汁を食べた。おむすびは梅入りのもので、昨日の晩に作っておいたものだ。朝、すごい発見をした。朝食がごはん・梅干し・お味噌汁だと、いかな私といえど貧しさを感じずにはいられないが、梅おむすび・お味噌汁だと、まったく貧しさを感じないどころか、ちょっと贅沢な朝食であるかのような気さえするのだ。「食卓に塩を並べるだけで豪華な気分になる」以来の大発見だ。こういうアイデアが1000くらいたまったら本を出したい。

 朝食を食べた後、いつも通り仕事へ行った。適当に仕事をして、おにぎりを食べて、お昼寝をして、仕事して、時間になったので会社を発った。それから「地獄甲子園」のチケットを買いに渋谷へ行き、首尾良くキューブリック付きの前売り券を入手した。

 せっかく渋谷まで来たので、何か面白いものでもないかと適当に歩いていたら酒屋を見つけた。酒屋といっても渋谷のセンター街にある酒屋だ。ただの酒屋ではない。中にはショーケースに飾られた、一本ウン十万円の酒が飾られていて、見ているだけで楽しかった。なお、それらの高価な酒には一つずつキャプションが付いていたのだが、そういったキャプションを読んでいると、味を表現するというのが如何に高度なレトリックを要する作業かイヤというほど理解できた。
 たとえば、次に挙げるテキストはヴィンテージモルト250000円の品に添えられていたキャプションだ。まずは一読して欲しい。

「ビックで奔放で、見事にまるやかなフレーバーをもち、ビートのスモーク古典的なスペイサイドモルトの花っぽさと非常にはっきりとしたエステル香」(原文ママ)

 ・・・・・・どうだろう。少なくとも、私にはこのキャプションを読んでも何一つとして、その酒の味わい・風味を想起することは出来なかった。一体「ビートのスモーク古典的なスペイサイドモルトの花っぽさ」とはどういうことなのだろう。もう「ビートのスモーク」というのが訳がわからないし、「スモーク」と「古典的な」の間に何ら助詞を介していないのも気になる。これは助詞を排することにより、詩的なリズムを産み出すことが狙いなのだろうか。そうだとすればリズム的にはあながち失敗とも言えないが、しかし万人に分かりやすくモルトの味わいを伝えることには明かに失敗している。
 このキャプションはまるでラカンの著作の如く難解で、とてもじゃないが私のような平凡人には理解できない。まあ、25万円もする酒を平凡人が買うわけがないし、私のような人間が理解できなくて当然なのかもしれない。しかし、「まやか」と誤字をそのまま放置している辺り、本当に売る気があるのかどうか疑わしい。あと、「ビック」じゃなくて「ビッグ」だろう、とも、思う。
 このように食の味わいを他者へ伝えるという作業は本当に難解なことなのだ。だから、ミスター味っ子では人が寿司に乗って空を飛ぶし、栗田ゆう子は「ヒラメがシャッキリポンと舌の上で踊るわ!」などと言ってしまうのだ。

 家に帰って、とんこつラーメンを作って食べた。酒が切れた。

2003年7月8日
朝:チョコトマトカレー

 今日は仕事が休み。毎朝見ていた「無責任艦長タイラー」が今日で最終回なので、7時半に起きて見るつもりだったが、布団の中でウトウトしながら見ていたら、最後の1分くらいしか頭に残らなかった。残念だ。もう一回再放送して欲しい。

 次に起きたら昼の12時。しまった、寝すぎた。とりあえずカレーを食べた。

 今日やる予定の作業は以下の4つ。
1、ジャンプ感想を書く
2、レスを書いてまわる
3、作ってるものの続きを作る
4、今度のライブの準備をする

 2時頃からカリカリとやっていたが、2番が終わったのが夕方6時。ここで私の創作意欲も終わった。

 ケーブルで聖闘士星矢を見ながら、夕食を食べた。今日は残りのハムを使ってステーキを作った。オリーブオイル、バター、胡椒、ペパーミントで焼き、を付けて食べた。付け合せに人参タマネギのソテー、それと目玉焼きも食べた。ハムのステーキは美味しかったけど、生ハムのままチマチマと食べた方がコストパフォーマンスが大きい気がする。あと、何故か今日は白米がとても美味しく感じられた。

 GBAのソフトで「MOTHER1+2」が出たことを知り、とてもガッカリした。やっぱりワンダースワンなぞ買わずに、素直にGBAを買っておけば良かった。

2003年7月7日
カレーなし

 朝、うどんを作って食べ、仕事へ行った。昼頃、休憩室に何か食べ物でも落ちてないかと探しに行くと、折り良く同僚が店屋物を残そうとしているところだった。幸運にも昼食にねぎとろ丼を得ることができた。

 仕事の後、無力無善寺というところでライブをする予定だったので高円寺に行った。何時に集合するか決めていなかったので、適当に6時半行ったが、早過ぎたらしい。1時間待ってもメンバーは誰も来なかった。リハーサルとかする気はなかったようだ。
 こんなに早く来る必要が無いならば新宿のゲーセンに寄っていけば良かった。私は仕方なく、高円寺のゲーセンで時間を潰すことにした。どちらにしろゲーセンで時間を潰す事には変わりない。

 今日のライブは何も考えずただ音楽だけをやるという、単なる自己満足のライブだった。まあ、お客さんからカネ取ってないし、事前にそういうライブだと説明もしているから問題無いだろう。
 それにしても、音楽しかしないライブというのは本当に楽だ。脚本を書かなくていいし、覚えるべき台詞もない。普通のバンドというのは、まあそういうものなのだろうけど、彼らは音楽を真剣にやっている。彼らは音楽のクオリティを高めることに情熱を注いでいるが、私たちは音楽を適当にやっている。昨日は、その適当にやっている音楽を適当に垂れ流すだけだから、本当に楽だった。そして、やっている当人はちょっとしたスポーツみたいなものだから、爽快で楽しかった。
 私たちの昨日のライブには何の価値も無いと思うのだが、そういった当人たちの思惑に反して、なぜか受けは良かった。
 これまでの私たちのライブは「音楽/funny(滑稽な面白さ)/interesting(知的感興)」で構成されているはずで、一方、昨日のライブは「音楽/funny」のみで構成されていた。こちらとしてはいちばん大切な部分は「interesting」であり、そこに心血を注いでいる。そのため「interesting」さえ放棄すれば、昨日のようにお気楽なライブができるわけだが、「音楽」が聞きたいならばもっと真剣に音楽をやっているバンドや交響楽団でも聴きに行けばいいわけだし、「funny」を求めているならばコミックバンドや真剣にお笑いをやっている人を見に行けばいい。つまり、昨日のように「音楽/funny」しかないライブを私たちがやる意味は「自分たちがやってて楽しいから」しかないわけであり、客観的・論理的に考えても私たちが昨日のようなライブをする必然性はどこにもない。何より、昨日のようなライブをする限りは私たちにオリジナリティは一切無い。ライブに「interesting」が存在するゆえに、私は自信を持って「ライブに来て下さい」といえるわけだし、「バンドをやっています」と公言できるわけだ。「interesting」の存在しないライブは単なる自慰行為であり、とてもじゃないが人に「見て下さい」などとは言えない。
 だが、そのような自己満足のためだけに行われたライブ(「音楽/funny」がそれなりの評価を受けたというのはどういうことか?ここから得られる論理的帰結は、普段の私たちが心血を注いでいる「interesting」が、それほどお客さんに知的感興を与えていないという悲しい現実だ。これは由々しき問題である。私たちの「interesting」のアピール手段が稚拙であるために、お客さんに何が「interesting」であるのか理解して頂けず、ややもすれば「お笑いバンド」とか「コミックバンド」とか誤解されてしまうのだろう。私たちはもっともっと音楽を疎かにして、その分、「interesting」を効果的にアピールする努力を重ねなければならない。

2003年7月6日
夜:チョコトマトカレー

 朝食は、塩バターラーメンを作って食べた気がする。

 休日二日目の今日は、心機一転、作りかけのあれやこれやを進める気だったが、昨日怠惰の限りを尽くした私がそう簡単にクリエイティブな情熱を取り戻せるわけもなく、相変わらず一日中ゲームしてしまった。しかし、そんな私の惰弱を神さまが見過ごすはずもなく、4時間進めたシミュレーションゲームのデータが消え、今日半日の行いは水泡に帰した。

 夜はカレーを食べた。初めてバイマクルー(こぶみかんの葉)を使ってみたが、とても美味しかった。しかし、バイマクルーは量が多すぎる。葉っぱ1枚でカレー5食分はあるが、バイマクルーは見た感じ40枚くらい入っている。・・・200食分か。

2003年7月5日
カレーなし

 昼の1時ごろ起床。昨日の日記にも書いたとおり、今日は完全なオフであり、仕事に行かないのはもちろん、家の中でも何一つクリエイティブなことはしないと、心に決めていた。私にはこういう日が必要なのだ。できれば週に1日はこういう日が欲しい。

 まずは、ゲームだ。それも、何か発展性のある、積み上げられるタイプのゲームではなく、とても無益な、非常に刹那的なゲームがしたい。というわけで、私は「カルドセプト」という昔クリアーしたボードゲームを始めた。対戦技術を磨く必要も無いし、カードをコンプリートする必要があるわけでも無い。ただやってて楽しいというだけで、純粋なキルタイムを目的に遊ぶゲームは本当に良い。ゲーム自体が楽しいというより、むしろそのような贅沢な時間を享受している実感が、とても気分が良い。調子に乗った私はサンドイッチを作り、それを食べながらゲームした。まさに気分はサンドイッチ伯爵だ。とても幸せだった。

 そのあと、ケーブルテレビで「サムライフィクション」をなんとなく見た。なんとなく面白かった。続けて、京極夏彦の「七人みさき」を見た。なんとなく面白かったような気がしなくもない。夕食には、豚肉ニンジン玉ねぎ味噌で炒めたものをごはんにかけて食べた。

 そんな感じで今日は全くのオフを楽しく過ごした。チャットでのバンド会議も最小限にとどめた。クリエイティブな作業を一切放棄する、という意味では本当は日記も書きたくないくらいだが、私の性格上、今日書かなければ明日3日まとめて書くだけだから、やっぱりこまめに書くことにした。昨日と今日の日記の文章が適当なのは、そこらへんに理由がある。

 ところで、ケーブルテレビを適当に付けていたら、おそらく最近の曲と思われるクリップが流れていて、バンド名は失念したが、曲名が「SMOKE ON THE WATER」で、なぜかメロディーはゴダイゴの「Return to Africa」という曲が流れていた。さっぱり意味がわからない。ゴダイゴの「Return to Africa」をカバーして、それに「SMOKE ON THE WATER」と名付けたのか?それとも、たまたま「SMOKE ON THE WATER」と名付けた曲が、たまたま「Return to Africa」に似ていたというだけなのだろうか。やっぱりわけがわからない。

2003年7月4日
朝:貰い物グリーンカレー(終了)

 朝食に昨日の残りの豚汁グリーンカレーを食べて、仕事へ行った。お昼にカップラーメンを食べたあと、お昼寝したりした。少し時間を潰す必要もあったため、今日は8時くらいまで仕事していた。自主残業、無賃労働だが、今日の仕事は久しぶりに普通に遊んでいればいい気楽なものだったので(正確にはそういうわけでもないのだが)、楽しかった。

 その後、新宿のゲーセン「モア」へ。こんなことを書いても誰も興味はないだろうが、モアには「ヴァンパイアセイヴァー」という一昔前の対戦格闘ゲームがあり、金曜の夜はそこで達人たちによる素晴らしい戦いが繰り広げられているのだ。その時間調整のため、今日は8時まで仕事していたといっても過言ではない。
 今日は久しぶりにほえさんという方の素晴らしいジェダを見ることができた。私も同じジェダというキャラクターを使っているが、私のジェダがただ乱暴に暴れているだけなのに対し、ほえさんのジェダは本当に美しい。ジェダは非常に繊細なキャラクターで、その一挙一動が極めてリスキー。ほえさんは、そんなキャラクターを何のプレッシャーもないかのように縦横無尽に扱う。私もいつかあのように華麗にジェダを使いたいものだ・・・・・・と思いながら早2年が経とうとしている気がする。

 その後、綾瀬アキトさんと合流。以前、「今度酒を奢ってやるよ!」と彼が言っていたので、明日はお互い休みだし本当に奢ってもらうことにした。私はこういった社交辞令を見逃さない。
 まずは彼に連れられ、歌広場というカラオケBOXに。最初は「ソルジャードリーム」など社交的なアニソンを歌っていたが、彼も筋少好きだったため、後半は二人で楽しく「踊るダメ人間」など歌ったりした。筋肉少女帯は歌う機会を選ばないと、場の雰囲気がとても悪くなるので要注意だ。最後は「花咲か天使テンテンくん」のOP曲である「クラスで一番スゴイやつ」を熱唱して締めた。私は基本的に下ネタは嫌いだが、この曲を熱唱することにはまったくためらいを感じない。本当に素晴らしい曲だ。

 カラオケの後は白木屋で飲んだ。アキトさんは流石サラリーマンだ。「好きなものを頼んで良いよ」と太っ腹なことを言ってくれた。なので遠慮無くネギトロ巻きとか、豚トロ焼きとか食べさせてもらった。すごいなあ。会計のときもまったく躊躇無くお金を支払っていたし、やっぱり週5日働いている人は世界が違う。
 いろいろな話をしたが、それなりに酔っていたのであまり覚えていない。しかし、私が明日は完全なオフであることを嬉しそうに語ると、すごく共感してくれたのは素直に嬉しかった。

2003年7月3日
カレーなし

 朝食にサンドイッチを作り、仕事へ行った。仕事では昼食に朝作ったサンドイッチを食べたあと、お昼寝した。

 シエスタを習慣付けることにした。就労中、眠気に耐えながら労働に励むという姿勢自体が間違っていることに気付いたからだ。どうせ眠くなるのだから、こちらから機先を制して昼寝をした方が良い。実際、作業効率も上がるし、気分もスッキリするし、何より「西洋かぶれ」という響きが素晴らしい。このご時世にもなって「西洋かぶれ」。精神が、お洒落だ。

 帰りにを買おうとしたが380円ぶどう酒が金が足りずに買えなかった。わびしい。代わりに150円豚肉を買って、夕食は豪華に肉入りのうどんを食べた。

 昨日まで一生懸命取りかかってきた作品(の一部)がやっと一段落した。今回の作品はバンドのメンバーと主に二人で作り上げたのだが、改めて実感させられたのは、私は別に特別にすごい能力を持っているわけではない、ということだ。私ができるようなことは誰にだってできる。私の才能はその程度でしかない。
 だが、私が多くの人間に比べ、明かに勝っている点も確かにある。それは今回の作品に如実だが、これだけくだらないことにこれほどの時間と情熱を維持できる持久力だ。
 今回作り上げたものは本当にくだらない。まさにゴミだ。通常の神経の持ち主なら貴重な時間をこんなものに注ぎ込もうとは決して思わないだろう。思いついたとしても一笑に付して終わりにする。当り前だ。常人なら、ここで踏みとどまるべきだ。しかし、その一線を踏み切ることのできる自分の異才を、私は果たして評価して良いのだろうか。


2003年7月2日
朝:カレースパ(チョコトマトカレー使用)

 なんとも恐ろしいことに、起きた瞬間から疲れていた。朝食(といっても既に12時だったが)にカレースパを食べ、シャワーを浴び、スタジオのためすぐに新宿へ向かう。休みなのにせわしない。

 大体、身体がだるい日というのは声が出ない。やはりスタジオは散々で、まったく練習にならなかったので15分くらいやって諦めた。今日はバックの練習が必要だったので、ぼんやりとみんなが練習するのを見守っていた。

 そのあとモアで少し遊んで帰宅。お風呂に入った後、月見そばを作り、それを肴にを呑んだ。蕎麦を肴に呑む酒は最高だ。こんな愉悦を教えてくれた池波先生ありがとう!うまいがいちばん!


2003年7月1日
昼:もうやんカレー200倍

 朝は残った最後の豚肉を使い、チキンラーメンを作って食べた。朝から豪華だ。

 仕事中、辛さ200倍エビカレーが職場に届く。常識的な辛さのカレーを頼んだ上司たちと一緒にお食事。私はメーヤウの激辛チキンカレーも、法政大の探検カレーも完食した程の男だ。200倍などと謳ってはいるが、たいしたものではないだろう。このときの私は、この200倍カレーをまだまだ軽く考えていた。

 だが、このカレーは凄まじかった。もう、美味い不味いのレベルではない。痛い。ただ、痛い。それも、耳の奥が痛い。カレーを食べたら耳の奥が痛い。なんだそれは。ありえない。
 このときの私のカレーの食べ方は、すでに「食事」の域を超えていた。身体は小刻みに震え、全身に悪寒が走り、カレーを見るだけで吐き気がする。その身体に鞭を打って、カレーを盛ったバターライスを口に近づける。このとき、身体が拒絶反応を起こし、なかなかスプーンを運ぶことが出来ない。私は服毒自殺をするくらいの覚悟を持って、カレーを口に放り込む。あとは歯を食いしばり辛さに耐えるだけだ。延々とこれを繰り返した。この作業を、もはや食事ということはできないだろう。もし、カレーという食べ物を知らない人に「これは劇薬だよ」と言えば、きっと疑わなかったに違いない。とにかく、そういうすごいカレーだった。

 結局、私はこのカレーを2/3ほど食べたところで、残念ながら残してしまった。これ以上食べつづければ、この後の業務に明らかに差し障りがあると考えたためだ。耳の奥が痛いとか、身体が震えるとか、吐き気がするとか、もうこれは食事じゃないし。しかし、私が完食できなかったとは、おそらくこの会社でこれを完食できる人間はいないだろう。
 この200倍カレーは、辛さ自体は法政大の探検カレーと同程度だろう。だが、探検カレーのそれよりも量が多く、それゆえ完食できなかった。あと、辛いばっかりで、決して美味しくも無かった。なんだかゴハンに異常に辛い豆板醤を塗りつけて食べているようなものだ。探検カレーも、激辛チキンカレーも、辛さだけでなくなんとか味わいも感じられるのに、それらと比較すると、この200倍カレーはあまり上等なカレーとはいえない。

 食後、突然強烈な眠気に襲われた。どのくらいの眠気かというと、面前で上司が私に向かってマンツーマンで説明している最中に寝てしまったくらいだ。私は少し休憩を取り、お昼寝することにした。
 起きてみると、すごくスッキリしていた。なんだかサウナの後のような爽快感だ。辛いカレーを食べた後、寝るとスッキリするのだろうか。この爽快感が、激辛カレーによるものなのか、それとも単にお腹一杯食べたあとのお昼寝は気持ち良いだけなのか、その真相は闇の中だが、どちらにしろ言えることは、日本人もすべからくシエスタを取るべきということだ。

 仕事から帰って、お茶漬けを食べた。


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