架神のカレー日記03.4前半
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2003年4月15日
夜:甘口カレー

 早めの夕食カレーを食べ、表参道へ。友人が仕事で使って廃棄するビデオテープをあげるから取りに来いとのこと。ありがたく取りに行く。

 テープは50本あった。雨の中、巨大な紙袋を抱きかかえたまま、原宿のCD店に預けておいたCDを回収に行く。もう、この時点でかなりヘロヘロになり、疲れきっていたが、まだ家には帰れない。これまでのことは、あくまで事のついでに過ぎないからだ。

 その後、新宿へ。今日の外出の主目的は海上姉妹にバンドメンバーの斡旋をすることだった。ということで、私が紹介した女性と一緒に4人でカラオケへ。彼女たちはアニソンのコピーバンドがしたいらしく、カラオケは必然的にアニソン縛りだった。
 私はビデオテープを担いだせいで、コップを持てば腕が震え、マイクを握れど声が続かないほど衰弱し切っており、美少女3人に囲まれていながらもあまり楽しめなかった。だが、終わってみれば彼女たちは息投合していたように見える。もっとも、盛りあがっていたのはバンドの話ではなく、コスプレの話だったが・・・。

 さて、これでやっと帰れる。早く家に帰って、このバカ重いビデオテープを部屋の片隅に安置したい。早く帰ろう。早く帰ろう。

 だが、終電は既になかった。信じられない。まだまだ余裕だと思っていたのに、まさかこんな早く終電がなくなっているとは・・・。国会議事堂前で終電が無くなっていたことに気付いた私は400円かけて新宿へ戻り(本当に無駄な金だ)、諦めて漫画喫茶で一泊することに決めた。

2003年4月14日
夜:カレースパ(甘口カレー使用)

 前日の夜から早朝4時くらいまでかけて、「にゅうす(だけ)」のTINA先生とバンドメンバーのメタリカ君と共に、IRCで金儲けのことを相談していた。こういうことをしていると良くあることだが、終わった後も興奮して眠れなくなる。仕方ないので、6時ごろにホットサンドを作り、早めの朝食を摂った。そのままテレビを見ていたら7時過ぎ頃に寝たと思う。

 それから、嫌々秋葉原まで出向き、プリンターを回収。870Cは昨日持って帰った740Cとは段違いに重く、プリンターの機能と重量は比例するのだと思った。プリンターを持って、駅から自転車で家まで帰るのは困難を極めた。筋力も無いよりはあった方がいい。
 
 帰って、カレースパを作り、食べながら、また金儲けの話などした。あと、耐えられなくなってゲームもした。

2003年4月13日
カレーなし

 今日は東京都知事選だった。私は基本的に政治が大嫌いで、政治のことで頭を悩ますくらいなら、消費税が増税される方がまだマシだと考えているくらいなので、一生、参政権など行使するつもりはなかったのだが、それは間違いだと気付いた。
 政治に参加したくないという気持ちはやはり変わらないが、それと選挙というシステム自体を経験することは別だ。そもそも選挙というものは、そう頻繁にあるものではない。経験しようと思ってすぐに経験できるものではないのだ。だが、いつ選挙に関する知識が必要になるかは分からない。やはり機会がある時に経験しておくに越したことはないだろう。
 というわけで、我が家から自転車3分の小学校へ行き、そこで選挙に参加する。選挙というものがどういうシステムで成り立っているのか、主に興味はそこにあったのだが、いたってシンプルなものだった。まず届けられた投票場入場整理券を入り口の係員に提示すると、照合の後、中へと通される。そこで投票用紙を貰い、所定の場所で被選挙人の名前を書き、所定のボックスへ投票する。私は白紙投票をしておいた。
 また、見届け人とかいうよく分からない人達もいて、記念に貰えるという投票済証とかいうものについて質問をしても、あっちの人に聞け、と、これまたよく分からない庶務係に回された。庶務係に「記念に貰えるという投票済証とは何ですか?」と尋ねたところ、庶務係の人は「こんなものを欲しがるやつが本当にいたのか」という驚いた顔を見せ、投票済証を差し出してきた。それは、白い小さな安っぽい紙に今日の日付と都知事選であることが書かれただけの、今すぐゴミ箱に捨てたくなるようなくだらないもので、確かにこんなものを欲しがる者などいないだろうと思った。これは、一体なんのためにあるシステムなのだろうか。
 そう思って調べてみたところ、案の定、投票済証を集めるのが趣味、という人がいた。また、会社の労働組合などでは組織票として選挙に参加するので、後日投票済証を回収するところもあるらしい。前者は大変微笑ましいが、後者はまったく馬鹿らしい話だ。投票対象を強制されるのはもちろん、なにゆえ投票を強制されなければならないのか。
 世間では「投票は権利ではなく義務だ」などという人達もいるが、私に言わせれば、そんな人たちは他人に対する思いやりの気持ちが欠如しているか、政治に対して本当に真剣ではないか、頭がおめでたいかのどれかだ。そんな人たちは、世の中には政治のことを真剣に考えることが精神的に耐えられない人間がいることなど理解できないのだろう。私一人の経験上では、小、中学校の教員などに、特にこういう人間が多い気がする。そんな人達がプロパガンダしているのだから、こんな風潮になってしまっているのも詮方ない(子供の頃の教員の言葉は無駄に重いものだ)。だが、投票を義務の如く声高に叫ぶのは、弱者に対する精神的蹂躙であることを彼らは理解すべきだ。どれほど正当に思われる意見であっても、必ず少数派は存在し、それが正当であると一般に思われるほど、少数派にとっては残酷な凶器となる。そこで必要となるのが、まさに批判的精神なのであるが、これは多くの人に欠けている以上に私に欠けているので、あまり偉そうなことは言えない。投票が法律で義務化されているブラジルなど、私には批判的精神の封殺としか思われず、まったく理解に苦しむ話だが、それはマリファナが解禁されているオランダを多くの人は理解できないのと同じ話で、内政不干渉の一語で口を出すべきではないだろう。その国にはその国の事情があるはずだ。だが、今の日本に投票を義務化する必要性があるとは思えない。

 まあ、そんなどうでもいい話は置いておいて、私は秋葉原プリンターを買いにでかけた。お目当てはエプソンPM−870C。ネットでの下調べでは底値は14700円だという。大打撃だが、プリンターがなければ何かと不便で仕方ない。私のプリンター使用頻度はおそらく一般的ユーザーの20〜30倍はあるだろうから。
 実際に秋葉原で数店を回った結果、私はTAOという店で13440円で870Cを購入した。アウトレット品だが、問題はないだろう。思ったより安く買えたのでホクホクしながら家に帰り、さっそくプリンターを開けてみた。・・・PM−740Cが入っていた。

 や、やられた・・・・・・。

 当然、TAOに電話する。最初は「明日お持ち頂ければ870Cと交換します」という話だったが、あんなクソ重たいものを秋葉原まで無駄に持っていくなど考えられない。着払いで送りつけることになった。本当なら送料向こう持ちで折り返し送ってきて欲しいところだが、明日どうしてもプリンターが必要なので、明日も秋葉原に行くことになった。本当に腹立たしい。時間的な面でもそうだが、むしろ往復の交通費380円が惜しい。380円といえばが1パック買えるではないか!
 あと、電話口の対応にあまり誠意を感じられなかったのが、また腹立たしい。ミスは、別にいい。人間ミスはする。問題はミスをした後の対応だ。心のこもった、誠心誠意、謝罪しているフリをして欲しい。商売で何より大切なのは、誠実であるフリだ。心がこもっている必要はない。ミスは誰にでもあるから、実際に心を痛める必要は全くない。だが、心をこめて謝っているフリをする営業努力は必要だ。心をこめているフリなんてタダなんだから、そのくらい気を遣って欲しい。

 夕食は味噌バターラーメンを作って食べた。食べながら「海底超特急マリンエクスプレス」を見たのだが、期待していたほど面白くはなかった。手塚治キャラクター総出演の作品だが、横山光輝キャラクター総出演の「ジャイアントロボ」と比べても、遥かに見劣りする。鉄腕アトムVS写楽保介という図式はどう考えてもアツイはずだが、なんだかとてもしょんぼりした内容だった。写楽の声がスネ夫だったことも一因かもしれない。
 ちなみに、この作品は私が小さな頃に見て、トラウマになっていた作品でもある。人が溶けて死んだり、無条件のヒーローだった鉄腕アトムが自爆したりと、怖がりだった子供の頃の自分には刺激が強すぎたようだ。
 他にトラウマになった作品は、同じく人が溶けて死んだ「パタリロ」と、小学生の頃、学校で無理矢理見させられた「はだしのゲン」がある。特に後者は、そのせいでつい5年ほど前までハエが恐ろしく、ハエが体に止まったらウジが出てくるのではないかという軽い強迫観念になっていた。だが、網戸のない学生寮での生活でハエの侵入が妨げ難くなり、また傷口にウジが発生するとかえって化膿止めの代わりになり医療効果が高い、などの知識を得たおかげで、今ではハエは全く怖くない。去年、買ってきた傷み物の桃ウジがついてきて、それで初めてウジというものをまじまじと眺める機会を得たのだが、意外と小さくてウジウジしていて可愛かった。とにかく、子供に「はだしのゲン」を無理矢理見させる学校教育は間違っていると思う。

2003年4月12日
朝:揚げカレーパンぽいもの(甘口カレー使用)

 掲示板で教えてもらったカレーパンぽいものを作ってみた。食パンに適当にカレーを塗って、二つに折って爪楊枝で止め、多めにをひいたフライパンで焼き揚げるらしい。とはいっても、私の家には爪楊枝がないため(そしてこのためだけに買うのもばからしいので)、力強く二つに折り曲げることで代用した。
 まず1枚目。フライパンに食パンを落とすと、すごい勢いで油が跳ねかえってくる。予想していたことではあるが、怖い。油の跳ねかえらないフライパンとかあったら売れると思うのだけど、誰も作らないのだろうか。食パンは幾らか油を染み込ませるとずいぶん重たくなるようで、爪楊枝で止める必要も無く、最初に力強く二つ折りすれば何とかなった。
 完成品を食べてみる。「こんな油っぽいもの美味しく食べれるのだろうか」と懸念していたが、何の問題も無く、普通にカレーパンの味がした。美味しかったので、計3枚も作って食べた。要は油まみれの食パンのはずだが、少なくとも私は油っぽいとは感じなかった。だが、それは私が日常的に油の摂取量が少なすぎるため、そう感じられるのかもしれない。まあ、とにかく美味しかった。

 今日はあんなことやこんなことなど、いろいろと建設的なことをする予定で、決意を固めていたが、私のようなダメ人間が予定通りに事を運べるはずもなく、やはり一日中ゲームしていた。自己嫌悪になるから、絶対何かした方がいいと、頭の片隅で思いつつも振り切れなかった。

 夕食はもやしとか玉子とかチムチとか入れた味噌煮込みうどんを作った。うどんを食べてていると汗が出て、春を感じた。引きこもりが季節を感じるのはこんなときくらいのものだ。

2003年4月11日
カレーなし

 仕事へ。この会社は本当に誠実な商売をしていると思う。注文先から3日で依頼された仕事を1日で終わらせてしまった。確かに1日で終わる仕事ではあったのだけれど、もし私が経営者なら、ゆっくり仕事して3日掛けて稼げるだけ稼ぐのになあ。

 お昼には、こないだのお誕生日に貰ったカロリーメイトをかじった。私の周りの友人達は、カロリーをプレゼントしておけば私は喜ぶと思っているようだが、それはまったくその通りであり、大変嬉しい。夕食はレタスと鶏肉ともやしとタマネギのキムチ炒めを作って食べた。

 ケーブルテレビを導入してからというもの、私のテレビ依存度が跳ねあがり、それに伴い引きこもり度も上がってしまった。月に3000円もケーブルテレビに払う金があるならでも買えばいいのに、と周りの人からも言われるが、これのおかげで毎日がとても楽しく幸せなので仕方ない。今日もとても素晴らしい映画を発見した。

 それは『TOKYO 10+01』という映画だ。加藤夏希などが出演しているのだが、これが全編通して驚くほど軽佻浮薄で、主人公の台詞は徹底して棒読みだし、アクションシーンも安っぽいし、とにかく全体的に映画とは思えないほどチープな雰囲気が充満している。だが、それは明らかに確信犯だ。
 全体の安っぽさとは裏腹に、センスは飛び抜けている。主人公のスネークのジャケットの裏には「蛇」と書かれているし、ヤクザっぽいキャラの名前は「高倉 文太」だし、中国人姉妹の日本語は典型的にカタコトだった。
 この作品は本当に脱力的まさにB級映画だ。だが、素晴らしいB級映画だ。良い作品に費用なんて関係無いと改めて思った。派手な映像や熱のこもった演技、心を揺さぶるメッセージをもって、リアルな感動を与えるばかりが良い映画の条件ではないはずだ。台詞が棒読みであったり、アクションシーンがしょぼかったりすれば、それはリアルな感動を損なうが、一方でその映像が虚構であることも強調できると思う。そして虚構であることを前提に推し進めるならば、通常の映画的表現とはまた違ったアプローチが可能になるだろう。虚構的映像は、リアルな映像では表現できないようなリズム感を表現できるはずだ。たとえば、少女革命ウテナの戦闘シーンのように、プリンセスチュチュに見られるバレエのように。もし、私がいつか映像を撮るような機会があれば、こういう映画を撮りたいと思うが、それにはセンスが足りない気もする。


2003年4月10日
朝:カレーオムライス(甘口カレー使用)

 昨日さっぱり無気力だったのは、一昨日までの3連休を精力的に過ごしすぎた反動だと思う。幸運なことに仕事が休みだったので、今日は意識的だらだらと過ごすことにする。

 というわけで、今日はずっとテレビを見てるか、ゲームしてるか、ごはん食べてるかくらいだった。朝食はオムライスカレーをかけて食べて、夕食は親子丼を作った。

 昨日に引き続き、ウェブ上に公開する日記としては不適格なまでに内容が無いので、昨日今日で見たテレビの感想でも適当に書いておく。

■キテレツ大百科・・・とても愛らしいキャラクターであるブタゴリラも、初期は性格が悪かった。キテレツも初期は口汚く、中期以降のインテリジェンスが感じられない。
■花咲か天使テンテンくん・・・私の大好きな蘭林リョウイチがアニメ版は2話から登場する。素晴らしい。蘭林が。彼を見ているだけで心が温まる。
■仮面ライダーX・・・ラスボス、ノロイ博士の頭が悪すぎる。いま見ると、この頃の特撮は本当にしょぼく、別に愛国戦隊大日本が特別しょぼいわけではないのだと思った。
■幽遊白書・・・ハンターと比べると、この頃の冨樫先生はたいして考えずにマンガ描いてたんだな、と思う。あんまり面白いイメージはなかったが、やっぱりあんまり面白くない。
■のらくろくん・・・小さい頃大好きだったが、いま見ると、何ともサイケデリックなお話だった。ブタが自然を壊して、イヌが弁明して、キノコのお化けが「人間どもは大地を破壊する」云々といってた。
■少年アシベ・・・昔は心温まるお話だと思っていたが、いま見ると、意外と痛々しい。
■ドラゴンボール・・・初期のドラゴンボール(Z以前)はとても出来の良い話なんだと再確認した。

 テレビの感想というか、アニメの感想になってしまった。

2003年4月9日
朝:甘口カレー

 ヘロインを手に入れたので試してみたら、それがとても良い塩梅で、何することもなく、気持ち良くへろへろしている夢を見た。

 朝からそんな夢を見たものだから、一日中とても無気力で仕事にもさっぱり身が入らず、帰って袋ラーメンを作って食べた後、日本酒をいつもより多めに呑んで、ボーっとアニメを見ていた。見ていたら何時の間にか寝てた。

2003年4月8日
夜:甘口カレー

 昨日の夜から続いたミーティングは今朝7時過ぎに終了した。本当に疲れた。当然ながら、帰ってすぐに寝た。

 起きて少ししたら夜になった。カレーを作った。何だか今日はあまり日記を書く気力が起きないので、要点だけを書きたいと思う。つまり、チョコを入れすぎたカレーはトマトを入れることで中和できるということだ。長い人生、うっかりカレーにチョコを入れすぎてしまうことも一度や二度はあるだろう。そんなときはトマトを入れるといい。甘さを打ち消すのは辛さではなく、酸味だと知った。

2003年4月7日
カレーなし

 朝早く起きてカレーを作ろうと思っていたが、朝早くなど起きれるはずがないうえ、テレビをつけたらやっていた「バンパイアハンターD」が面白かったので、手が付けられなかった。

 池袋へライブしに行く。今日は5分しか出ないので、緊張感が全くなかった。リハまでヒマなので、路上で週刊誌を100円で売っているおじさんを探そうと池袋の街をうろついたが発見できず、ジャンプを買うことが出来なかった。

 5分だけライブ。5分だけだったが疲れた。やることやってヒマになったので、またおじさんを探しに池袋をうろつく。しかし、やっぱり見つからなかった。しょぼくれていたら、憐れに思ったのかお客さんが買ってくれた。本当にありがとうございます。

 その後、メンバーでミーティング。終電までに帰るつもりだったが、とても情熱的な内容で帰るに帰れず、それどころか日が昇っても終わらず、議論は9時間にも及んだ。ライブよりよっぽど疲れた。今も疲れてる。

2003年4月6日
カレーなし

 「〜したまま」の「まま」の品詞が気になって、手元の広辞苑で調べてみた。何も書かれていなかった。広辞苑において何も書かれていないということは、つまり名詞ということなのだが、それにしても「まま」が名詞というのはいまいち信じがたい。そこでネットで検索をかけてみたところ、どうやら「形式名詞」という実質的な意味が薄れた名詞らしい。考えても分からないわけだ。まあ、そんなことはどうでもいい。

 朝は7時半に起きてアバレンジャー555を見るつもりだったが、見ていたら寝てしまい、起きたら11時だった。それからだらだらと「三つ目がとおる」を見て、たぬきそばを作り、玉子を落して食べた。休みは朝がゆっくり気楽でいい。
 
 その後代々木へ。バンドメンバーと明日のライブに関してミーティングをしに行く。相変わらず全く音楽に関係ない作業と議論を2時間ほど交わして終了。メンバーとスパゲティーを食べに行く。
 食べに行ったのは、代々木駅の裏の方にある「壁の穴」というスパゲティー店。プレーンスパゲティー100円ということで、今後の参考のために行ってみたのだが、ゲームセンターの中でものすごく場違いに営業していてビックリした。普通に小さなゲームセンターの中に、突如厨房が現れたような佇まいだ。
 最初はゲーセンの店主が趣味で始めたのかと思い(早稲田では本屋の親父が趣味ではじめたカレー屋が本屋の奥で営業されていた)、味は期待していなかったが、プレーンスパゲティは100円の割には良い味だった。おそらくバターと絡めただけと思われるが、コショウチーズなどが卓上に置かれているため、適当に味を変えていれば最後まで飽きずに食べられる。良い店だ。見た目も面白いし、代々木に寄ることがあれば立ち寄ることをお勧めしたい。JR代々木駅の大きな改札の裏の道にあるゲーセンの中だ。お洒落で高級な雰囲気のある、こちらの「壁の穴」とは何か関係あるのだろうか。

 夕食はカレーを作ろうと思ってたのだが、スパゲティを食べたこともあり、あまりお腹が減っていなかったのでやめた。半熟ゆで卵レタスサラダを作り、それと親から届いたグレープフルーツを半分食べた。

 ところで、今日から始まったアニメ『デジキャラットにょ』が何気にハイレベルだったと思う。初回ということでキャラクターや、舞台となる商店街や、主人公の行動動機などに関する説明がメインになるのだが、この作品ではそれが徹底的に説明的で、しかもそれが確信犯的に計算され尽くしていた。
 たとえば先週からジャンプで新連載となった『闇神コウ』の第1話も非常に説明的だったわけだが、それとこれとでは話が違う。後者は説明的であることが物語全体のテンポを阻害し、結果退屈でつまらないものになってしまったが、前者はあくまでリズミカルに説明的であり、また、説明的であることを強調するセリフ回しが、まるでクモの巣を張るように物語全体を作り上げている。そうして徹底的に説明的に構築された世界観は、視聴者からして全くの虚構世界であり、それがデジキャラットというキャラクターの世界観に非常にマッチしていたのだ。
 これは、ある意味「一周まわった面白さ」なので、あまりアニメを見ない人には、この面白さは理解できないと思う。いや、はっきりいってつまらないだろう。だが、体系的に何かを作りあげようとした経験のある人にとっては、この作品のこの手法はとてもスリリングなもので、また整然と作り上げられた世界観には幾何学的な美しさすら感じられる。ここまで計算して作り上げるとは何と大胆で緻密な高品質な作品だろう、と、ゴハンを食べながら思った。

2003年4月5日
夜:カレースパ(なんだか甘いカレー使用/終了)

 今日も仕事。適当に納豆とかで朝食を食べて家を出る。昼は昨日の残りのコッペパンを食べた。
 今日、仕事をしていて気付いたのだが、私はどうやら非効率的な作業が生理的に受け付けられないらしい。ある作業目的があったとして、そこへ至る過程を強制され、しかもそれが非効率的であったなら、著しく作業意欲が減退するということだ。自分の中でより効率的と思われる作業方針を打ち立てながらも(それが本当に効率的かどうかは知らないが)、人から非効率的な作業方針を強制されるのだから、自分としては「あえて非効率的なエネルギー消費」をしていることになり、それが非常に気持ち悪い。別に早く仕事を終わらせたからといって早く帰れる訳でもないので、単純に性格的な問題だろう。

 知り合いが後楽園遊園地コスプレをしているというので、帰りに寄ってみる。当然入園するようなお金はないので、電話で入り口に呼び出す。フルーツバスケット紅葉コスだった。
 彼女がコスプレに最近すっかりはまってしまっているのも、元はといえば私が去年の夏コミに連れていったからだろう。一人の少女を正しい道に導けたようで私も嬉しい。良かった、良かった。
 しかし、ああいう場でああいう人達を見ていると自分もやりたくなってくるものだ。そろそろ暖かくなってくるし、お金の掛からないもので何かやろうかと思わなくもない。

 綾瀬へ帰る。あまりに寒いので、何か暖かいものでも食べて身体を温めて帰ろうかと駅前のスーパーへ寄ってみる。だが、そう都合良く暖かい試食があるわけがない。あまり意味なく家路へと着いた。雨は冷たく、風はきつかった。

 帰ってカレースパを作って食べた。あとはゲームしてた。

2003年4月4日
カレーなし

 当分仕事はないだろうという大方の予想に反して今日は仕事だった。朝、目玉焼き丼(美味しんぼに出てきたサギくさい丼もの)を食べ、家を出た。昼食にはおつとめ価格53円で買ったコッペパンを半分食べた。

 夕食はレタスとキムチのチャーハンを作った。気まぐれでレシピなど書いてみたいと思う。

材料(1人分)

冷ごはん・・・適当
たまご・・・1個
キムチ・・・適当
レタス・・・適当
かつお節・・・適当
醤油・・・少し
塩コショウ・・・適当
油・・・適当


1、適当な器にたまご(全卵)を適当にとき、冷ごはんを絡める。ごはん一粒一粒に卵が膜を張るように念じながらかき混ぜる。ごはんを潰してはダメだ。あと経験上、温かいごはんより冷たいゴハンの方がいい。

2、フライパンに油をひき、1で作ったゴハンをフライパンにかける。適当に塩コショウを振る。

3、適当な量のキムチを加え、さらに炒める。細かめにちぎったレタスを適当に加え、少しだけ炒めて火を止める。レタスがシャキシャキなうちに火を止めるのが大切。

4、少しだけ醤油を加えて軽く混ぜ、適当な器にチャーハンを移す。上からかつお節を適当にかけて完成。


 チャーハンを美味しく作るのに大切なのは、とにかく冷ごはんを使うことと、ごはんを卵に絡めることだ。こうしないとパラパラしたチャーハンが作れず、べたべたしてしまう。私の母は長年父や私や妹から「ママのチャーハンべたべたしてて不味いねー」といわれていたが、私が17の頃、母はこの方法を自力発見し、しばらく有頂天になっていた。べたべたしないチャーハンを作れたことがさぞかし嬉しかったのだろう。だが、その2週間後、アニメ「中華一番」でこの方法は紹介されていた。不憫で母には言えなかった。

 食後、アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」を初めて見たが、ホル・ホースとポルナレフのガタイが良すぎて怖かった。
 何気なく「将太の寿司」大年寺三郎太を検索にかけたが、思ったよりヒットせずに悲しかった。すごいキャラだと思うのになぁ。漢字が違ったかな?

2003年4月3日
カレーなし

 5日ぶりのお休みなので、昼ごろ起きて、適当にどんべえとか食べてみる。そのあとボケーとしながら洗濯をしたり、ゲームをしたりしたあと、早稲田へ。今日はお花見らしい。

 今日のお花見メンツは、バカップル♂(早大6年目、ガンプラ職人)、バカップル♀(電波系アイドル)、鬼畜(早大5年目)、姐御(ゼミの先輩)。あと、たけるさん(みんなのアイドル)も来る予定だったが、風邪で来れなかったらしい。

 3時集合ということだったが、当然時間通りに集まるはずがない。3時半に早稲田に到着した私は新歓で賑わう早稲田キャンパスをぶらつく。この時期はフレッシュな感じの人は一年生と間違われ、様々なサークルから勧誘を受けるのだが、流石に私は間違われなかった。一年生にしては容貌が貧相過ぎるのだろう。

 ところで、少し気になる立て看板を文学部キャンパスで発見した。



 て・・・天空の雀荘・・・ラピュタ・・・。千点棒を持つシータが怖すぎる。どうやらジアザーサイドという劇団の公演らしい。これは見に行った方が良いのだろうか。

 4時過ぎになって、一行と合流。おおっ!なんということだ!!鬼畜の奴、ギターを鳴らしながら登場か!!
 クソッ、やられた!完全に主導権を握られてしまった。まさか21世紀にもなって、アコースティックギターを弾きながら登場する人間を生で見ることがあろうとは!こんなシチュエーション「人造人間キカイダー」の中だけの話だと思ったのに!

 一行は戸山公園へ移動。シートを引き、食材を並べる。私の持ち寄った食材は、家から作ってきた焼きうどん(具なし)と、先ほど買っておいたワセ弁のベスト唐揚げ弁当。姐御は蓬餅、鬼畜はスナック菓子、それと同じくベスト唐揚げ弁当。そしてバカップルの二人は大量のお手製ペペロンチーノを持ってきていた。その量、およそ1kg

 ちなみに、この時期の戸山公園は人で溢れかえっている。早大生が新入生歓迎会として、ここ戸山公演でお花見をしているのだ。私たちも何となくサークルのフリがしたくなり、ガンプラサークルという設定でお花見をすることに。白々しく自己紹介をしたりして、無意味にサークル気分を演出した。本当に無意味だ。

 しかし、それにしても今日のバカップルも凄かった。もうダメだ。彼らを見ていると、感動すら覚えてくる。バカップル♀が「寒いわー、ちょっと、アナタ、そのコート貸しなさいよ」といえば、バカップル♂はそそくさとコートを脱ぎ、彼女に手渡す。そして自分は「寒い、寒い」と震えている。さらに彼女はビールをこぼして汚れた手をそのコートで拭っている。もちろん、彼はそれを見ても何一つ文句を言わない。まったく、信じられない光景だ。だが、彼らにはこれが日常なのだろう。そうか、これが愛の力か。私なら耐えられな愛の力は素晴らしい。

2003年4月2日
朝:カレーの穴風チキンカレー(5)

 今、真剣に悩んでいることがある。

 先日、4月バカということで、子供心を忘れない私は身の周りの多くの人に嘘メールを送った。そして亀山さん(バンドのギター、美少女)には「出家して坊主になりました。」と送ったのだが、朝起きたら彼女からとても真剣なお返事が返っていた。

 さて、どうしたものか。「ウソだよー。昨日は4月バカだよー」と返してあげるのが最も人道的な解決手段なのだが、せっかくここまで綺麗に騙されてくれているのに、それは何とも勿体無い。このまま静観すべきか。それとも何かネタとして昇華するべきなのか。いや、もし仮に、もし仮にだが、次に彼女に会うとき、私が頭を剃って袈裟を着て現れたら彼女はどんなにビックリしてくれるだろうか。そう考えると、ちょっとやってみたい気もするが、流石にもう私も若くないし、髪は大切だし、それはいくらなんでもはっちゃけすぎだよなあ。本当に何か良いアイデアは無いものかなぁ。
 そんな感じで一日中悩んでいた。


 朝食はカレーを食べて仕事へ行った。用事があるので終了時間が来たら逃げるように職場を離れ、高田馬場へ。

 高田馬場への用事というのは、学生時代からその名前だけは聞いていたが、結局1度も行くことのなかったラーメン屋「べんてん」に誘われたことだ。ラーメン650円、つけめん700円と非常に高額だが、麺の量が異常に多いことで有名で、デフォルト(並)で2玉半あるらしい。

 引率者の九印(昔のバンドのメンバー)に連れられ、「べんてん」へ。想像していたより、はるかに小さく、店構えが古い。だが、雨天にも関わらず人が並んでいる。営業時間は午前10時半から午後6時まで。私が入ったあとすぐに閉まった。なるほど、学生時代に私が結局行くことのなかった理由はここらへんにあるのかもしれない。大学からは微妙に遠く、営業時間は甚だ短いということか。

 店に入り、隣の人のテーブルを見ると、牛丼並盛り程度のどんぶりに汁が満たされている。なんだ、量が多いといってもこの程度か、むしろ少ないくらいじゃないか、と思っていたが、それは大いなる誤解だった。そのどんぶりは、つけめんのつけたれだったからだ。
 また、隣の人を見ると、が運ばれてきた。でかい。何だこれは。大き目のラーメンどんぶり一杯に麺が詰まっている。これは中盛りくらいか?と考えていたが、それも誤解だった。それがこの店の並盛りだったからだ。大盛りになると洗面器に入れられて出てくるという噂を聞いたが、さもありなん。

 しばらく待ち、運ばれてきたつけめんに箸をつける。つけだれは比較的あっさりめの醤油味。麺の量も思ったほどきついものではなく、するすると食べれた。さすがに完食することはできず、つけだれを残してしまったが、味と量とお値段を考えれば、決して悪いものではないだろう。ただ、早稲田地元民の九印と違い、私は馬場にくるだけで交通費が掛かってしまうので、そこまで考えるとコストパフォーマンスは高くない。べんてんの限られた営業時間を考えると、たまたま早稲田に寄ったからちょっと行ってみよう、ということも出来ないだろう。おそらく今後行く機会はないと思うが、一度べんてんを食せて良かった。

 どうでもいいことだが、昨日の夜見た、アニメ版「中華一番」がお腹が痛くなるほど面白かった。「北斗の拳」に出てきそうなガタイの良い男二人が、アワビを食べるなり、「うめェェ」とかいいながら腰を抜かしてヘナヘナと座り込む様は、並大抵のセンスでは描けないと思った。現在最高の料理マンガは「焼きたて!ジャぱん」だと信じて疑わないが、やはり「中華一番」が素晴らしい作品であることも間違いない。

 あと、「仮面ライダーアマゾン」を見て十面鬼を演じたいと思った。後ろの方の目立たない顔のがやりたい。

2003年4月1日
カレーなし

 ロト6一等が当たった。大金持ちになったので働く必要がなくなり、仕事を辞めた。

 仕事を辞めたので、毎日が日曜日だ。労働に毒された現代人は働かなければ自己の存在意義を見失ったりするのかもしれないが、私はそんな貧困な人生を送ってはいない。私にはするべきことがたくさんある。

 とりあえず朝ごはんを食べる。私は大金持ちなので、作るのが面倒くさいと思ったら無理に自炊などしない。気軽に外食をする。何のためらいもなく松屋に入り、最も高価な朝食である「朝定食 焼き魚」(450円)を注文。気まぐれで麦とろ汁ミニ牛皿まで頼んでしまう。朝から、牛肉を食べてしまった。夢のような朝食だ。だが、ロト6で一等が当たった私にはこの夢のような朝食が日常となるのだ
 
 次に、ゲームを買おうと思った。とりあえずやりたいのは「女神転生NINE」だ。バカでかくて重たいX−BOXを買ってまで、クソゲーといわれているNINEをやるなど、貧乏だった頃の私には想像もつかない。だが、今の私には決して手の届かない夢ではないのだ。
 駅前のゲーム屋に適当に入り、ポンとX−BOX本体、並びに「女神転生NINE」を購入。他のゲーム屋をまわって最安値を研究したり、定期で新宿まで行ってビックカメラで買ったりはしない。これが金持ちというやつだ。

 家に帰って、少しNINEを遊び、やはりクソゲーであることを確認した後、以前から読みたかった「野望の王国」愛蔵版を買いに書店へ。一冊1400円の野望の王国を、現在出ている全八冊ポンと購入。無論、新書である。古本屋で9冊セットで売られるまで首を長くして待つようなことはしない。

 そろそろお腹が空いてきたので、昼食ピザでも頼もうかと思う。私は大金持ちなので、一日三食何の気兼ねもなく食べれるし、ピザの宅配だってしてしまう。自分でピザを取りに行けば500円引きだが、面倒くさいので配達してもらう。注文したのはシーフード・ミルフィーユMサイズ(2300円)。肉も食べたかったので、トッピングでイタリアンソーセージロースハムもトッピングしてみた(各200円)。また、以前から一度頼んでみたかったサイドメニューというやつを頼んでみる。チキンナゲット5ピース(300円)と、シーザーサラダ(400円)だ。大金持ちなので何の問題もない。

 豪華な昼食を美味しく頂き、野望の王国を読んでいると、早くも夜の帳が降りてきた。そろそろ夕食の時間だ。労働のストレスに晒されることなく、毎日楽しく遊び、美味しいゴハンに囲まれる生活が死ぬまで続くのかと思うと幸福で仕方ない。夕食はそんなバラ色の人生の門出を祝い、豪華に食べることにする。

 豪華といえば、やはり寿司だ。近くのスーパーの惣菜コーナーで、いちばん高い特上寿司(780円)をなんと2パックも買う。あと30分待てば半額セールになるが、面倒くさいので定価で購入。大金持ちなので小さいことは気にしない。

 家に帰り寿司をゆっくりと食べながら、ケーブルテレビでアニメを見てまったりとする。ウニイクラも2パック買ったから2カンも食べれる。ああ、幸せだ。タコはあまり好きじゃないので残してしまおう。労働を放棄し、毎日美味しいゴハンを食べてヌクヌクと生きていることがこんなに素晴らしいだなんて、なんだ、この世は天国じゃないか。ああ、幸せだ。明日は温泉にでも行こうかなあ。


 ・・・だめだ。嘘をつくつもりが、これじゃ単なる妄想だ。


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