架神のカレー日記03.10
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2003年10月31日
カレーなし

 朝、起きた。もう一度布団に潜った。いま布団から出なければ、今日の用事に間に合わないことを承知の上で、布団に潜った。我ながら駄目だ。

 今日は『カネコヂル』というインディーズバンドを紹介しているミニコミ雑誌の取材を受けに新宿へ行った。メンバーとの待ち合わせ時間には間に合わなかったが、インタビュアーとの待ち合わせ時間には間に合った。
 インタビュアーの「一年を振りかえってどうでした?」「CD『TVショッピング』を作り上げた時の感想はどうでした?」「今後、こんなバンド活動をしていきたい、というようなのはありますか?」などの問いに、「昨年は赤字でした。金が儲からないバンドなどやっていて無意味だと思います」「原価を100円以下に押さえられなかったのが残念で仕方ありません」「バンドメンバー間で経済観念の徹底を計りたいですね。皆には金を儲けようという確固たる意志が感じられません」など、終始金の話と今後の経営戦略の話のみしておいた。おそらく、インタビュアーとしては今後の活動方向とかメジャーに行きたいかとか、どういう音楽性とか云々聞きたかったのだろうが、私は音楽よりも金に興味があるので詮方ない
 ちなみに、インタビュー中、常にカネカネ言っていたせいか、喫茶店での飲食料はあちらに持って頂けた。思いきって一番高いものを頼んで良かった。
 
 帰りにモアに寄った。エスプレイドが消えていた。クリアーした後で良かった。ケツイは何だか微妙だ。つまらなくもないけど、あんまり面白い気もしない。

 11時ごろ、メンチカツ丼を作って食べた。銀河英雄伝説が面白い。もう何度も何度も言ったことだが、オーベルシュタインがカッコ良くて仕方がない。

2003年10月30日
カレーなし

 朝、寝過ごしたのでおにぎりを作って食べて仕事へ行った。

 上司に昨日決めたひとり罰金制度のことを話した。こういうことは周囲の理解と協力が必要だ。上司は苦々しい顔をしながら快く承諾してくれた。

 果たして、今日は7時間3分で仕事を終えることができた。上々の成果と言えよう。だが、まだ3分も余計に働いている。ここで満足していてはダメだ。この数値を限りなくゼロに近づけなければならない。
 3分という数字は、確かにそれだけを見るならば取るに足らないものだ。カップラーメンを作れば終わってしまう。だが、一日だけならばたいしたことのないその時間も、長期的視点に立てば決して馬鹿にすることはできない。塵も積もれば山となる、というではないか。
 幾ら働くことが大嫌いな私と言えど、残念ながら一年の半分くらいは働いている。アバウトに年間の労働日を180日とよう。この場合、一日に3分無賃労働をしていたとしたら、一年で計540分も無駄に働いている計算となる。時間にして、なんと9時間だ。さらに、これを私の日給から賃金換算すると、実に8871円。ほぼ9000円もの額に相当する労働を、無給で行っていることになる。さらに、会社というものは良識的な会社であったとしても、労働者に支払う賃金はその労働者の労働力が稼ぎ出す額の半分までである。言いかえれば私が9000円の労働をした場合、会社はそれによって18000円以上もの利益をあげているのだ。1日3分、うっかり無賃労働をするだけで、会社にこれだけの益を与えていることになる。私たちはこの事実を深刻に受け止め、1分1秒でも無賃労働の時間を短縮するよう勤めなければならないだろう。労働時間中、計3分くらいはボーっとしてたりウトウトしたりしている時間があるというのは秘密だ。

 帰って、うどんを食べた。美味しかった。何だかうどんとか蕎麦とか、そういうのを食べてる割合がとても多い気がする。

 布団にもぐって「血を吸う宇宙」を見ていた。そのタイトルから、てっきり本格和製映画である「血を吸う〜」シリーズの最新作だと思っていたが、驚くほど物語の破綻した馬鹿馬鹿しい内容で、「血を吸う眼」などとは何の関わりもない作品だった。しかし、つまらないかと言えばそんなこともなく、アホらしくはあったが、それはそれで楽しかった。だが、残念なことに途中で眠ってしまった。最後まで見たかった。

 ちなみに後になって調べて見たところ、「血を吸う宇宙」は狙って作ったバカ映画らしく、結構有名だった。何気に中田秀夫(『リング』の監督)とかも出てた。

2003年10月29日
カレーなし

 4時半に起きたので、日記を書いたりして、6時ごろ朝食蕎麦を食べる。わかめ、それに油揚げを入れた豪華なものだ。蕎麦を美味しく頂いたあと、(10時間も寝たにも関わらず)ウトウトして、適当な時間に目が覚めて、洗顔などして仕事に出た。

 今日は驚くことに、朝4時半に起きたにも関わらず遅刻した。我ながらビックリした。昨日夕方6時半から寝ていたわけだが、何度か途中目が覚めたときに寝惚けて時計の長針をいじってしまったらしい。おぼろげにそんな記憶がある。おそらく目覚ましの時間をセットしようとしたのだろうが、そのせいで時計は10分ほど遅れていた。

 そして、さらに驚くことに仕事中少しだけ寝てしまった。10時間も睡眠を取っていたにも関わらず、である。これはちょっとすごいことを知ってしまったかもしれない。人間は10時間寝ていようが眠い時は眠いのだ。10時間といえば、これは一種の境界線だ。すなわち、平日に取りうる睡眠時間の最長10時間だと私は考える。夕方7時に家に帰ったとして、フロに1時間、夕食に1時間かけて、すぐに寝たとしても就寝時間は9時。翌朝7時に起きて睡眠時間10時間だ。常識的に考えて、これ以上睡眠時間を確保するのは難しいだろう。
 つまり、だ。10時間寝ても今日眠かったという事実、そして、人間が平日に取れる睡眠時間の上限を10時間と仮定すると、そこから導き出される結論は「どんなに寝ても、仕事中は眠くなる」ということだ。翻っていえば「どんなに努力しても仕事中に寝ないなどということは不可能だ」となる。そう。人間は仕事中絶対に寝てしまのだ。これは避けられないことなのだ。諦めるしかない。……私は良からぬ自己弁護の材料を手に入れてしまった気がする。

 あと、今日はサービス残業40分もしてしまった。最後の方に長大な報告書を残してしまい、それを書き上げるのが間に合わなかったのだ。それにしても40分も無給残業をするだなんて、なんということだろう。世に言う、ワーカホリック、モーレツ社員というやつではないか。ああ、恥ずかしい。「カネにならない労働など1分足りともしない」「会社のためになど毛ほども尽くす気はない」と日頃豪語しておきながら、この体たらく。腹をかっさばいて死にたいくらいだ。自分への怒りが収まらない。己の信念一つ貫けなくて、何が男か。一人の社会人として、今日の自分の至らなさを大いに恥じた。
 
 今日の失敗を振りかえってみると、やはり私には、まだ覚悟自覚が足りないのだと改めて思う。「何が何でも定時に帰る」「上司の制止を振り切ってでも帰る」「クビになっても帰る」この位の気迫が必要だろう。そして、今後このような過ちを繰り返さないためにも、私は自分に罰金を設けることに決めた。
 今後、サービス残業をした場合、5分に付き50円のカネを捨てることにする。4分59秒までは、まあOK。10分で100円。50分で500円。捨てる。捨てるといったら捨てる。
 捨て方であるが、ドブ川に勢い良く投げ込んでもいいが、さすがにそれはパンクが過ぎる。最寄のコンビニの募金箱寄付を投じることにしよう。私にとって、寄付など金を捨てるも同じ行為である。さらに言うなれば、「これまで1円たりとも寄付したことなどない」という己の矜持を砕くことにもなる。だから、これからは絶対に無給残業はしない。してたまるか。募金箱になど一銭たりとも投じてはやらぬ。しかし、もし誰かが、中野富士見町付近のコンビニで、血の涙を流しながら悔恨と苦渋に満ちた面持ちで募金箱に数百円を投じる者を見たならば、それは私である。

 帰りにスーパーオレンジ(50円)と鶏ごぼう丼(200円)を買った。どうしてこんな豪奢な買い物をしたのか、自分でも分からない。ちょっと頭がおかしかったんだと思う。残業のショックが尾をひいているのかもしれない。

2003年10月28日
カレーなし

 7時ごろもそもそと起きて、昨日の夜の食器などを洗い、朝食を作ろうとする。鍋の後の朝食といえば雑炊と相場が決まっている。卵はなかったが、米を鍋で炊いてなんとか作ってみた。あまり上手くいかなかった。雑炊というかおじやになった。

 今日は12時から渋谷スタジオなので、そのまま渋谷へ向かった。12時まで漫画喫茶で時間を潰そうと考えていたが、なかなか漫画喫茶が見つからなかったため、スタジオのロビーでコーヒーを飲みながら京極を読んで時間を潰した。
 そしてスタジオ。4人中3人が昨日の鍋会に出席しており、全体的に疲労と倦怠感溢れるスタジオだった。一人はベースを弾きながら寝るし、一人は貧血で倒れそうになった。

 スタジオの後、渋谷にある安いスパゲティ屋420円ナスとチーズのトマトスパゲティを食べながら、メンバーと会議。(個人的に)大切なことが幾らか決まった。今まではCDの売上は全てメンバーで均等に分配していたが、CDの製作セールスに対し、ある程度の報酬を認めさせることができた。微々たる額ではあるが、CDの製作やHPでの通販など、少しはモチベーションが上がるというものだ。一枚20円だから、50枚CDを作れば1000円貰える。50枚作るのに約二日掛かるから日給500円だ。500円か・・・。

 話し合いの後、家に帰って雨で冷えた体をシャワーで暖める。それにしても疲れた。昨日はビデオカメラやらワインやら鶏肉1キロやら持ち歩いて疲れていたし、床の上で寝た上に睡眠不足であったし、今日は雨が降ってて寒かったし、スタジオは体力的に疲れるし、そんなこんなで精神も肉体も衰弱していた。昨日たらふく鶏肉を食べたので、それで持っているようなものだ。まったく。我ながら20代前半とは思えない体力の無さだ。

 それで、布団に入って銀河英雄伝説を見た後、1時間仮眠を取ろうとした。それが夕方の6時半ごろだったろうか。起きたら次の日の朝4時半だった。

2003年10月27日
カレーなし

 納豆を食べて仕事に行った。とても眠かった。一日中意識が朦朧としており、お茶を飲んでも昼寝をしても、全く何も変わらなかった。

 最近、バンドメンバーの白鳥嬢が日々の過酷な仕事でてんてこまいだというので、メンバー3人と鍋会を開いて励ますことになった。仕事で忙しい人に対し、平日に励ましに行くというのもいかなるものかと思わなくもないが、彼女は土日も働いているのでむしろ平日の方が余裕があるとか。訳の分からない世界だ。

 会社の帰りに中野坂上に立ち寄り、肉のハナマサ鶏肉を買う。鶏のモモ肉100g49円で約1キロ分購入。安い。肉のハナマサまで寄って良かった。それと、酒屋で安物のワインを買っていった。
 9時頃、白鳥嬢の家へ到着。11時半頃が終電なので、急いで鍋を作る。しかし慣れない環境ということもあり、作り終わったのは9時45分頃。カレーを作ろうとしなくて良かった。カレーだと作るだけで終わっていただろう。

 何か面白いものを持ってきて欲しい、との白鳥嬢の要望もあったので、私は「科学情報・ウドンスパゲティ」などを持参していた。「ウドンスパゲティ」は相変わらず好評。この作品はすごい。誰に見せても受けがいい。接待ゲームは「もじぴったん」。接待動画は「ウドンスパゲティ」。堅い。

 ――で、楽しい時間はあっという間に過ぎ、何時の間にやら終電も逃し、床で寝ることとなった。

2003年10月26日
夜:カレースパ

 朝寝過ごしたので朝食を食べれずに仕事に行った。行きの電車の中でコンビニで買ったパンを食べた。

 昼はやはりお弁当が作れなかったので、親から送ってもらったグータとかいう高価なカップラーメンを食べた。

 家に帰って、カレースパを食べながら、「機動戦士ガンダム 0083 ジオンの残光」を見ていた。なんか変な内容だった。異常に駆け足で、大切なシーンをすっ飛ばしていて、見ていてあまり面白いものでもなかった。何だか、急いで青春して、急いで敗北して、急いで恋愛して、急いで友情して、急いで挫折して、急いで復活して、急いで失恋して、急いで決戦に趣いていた。なんというか、そういうありがちなシーンばかりを繋ぎ合わせたようなパロディアニメのようにも見えた。ある意味、ギャグだった。
 で、やはり幾ら何でもおかしいと思って調べてみたら、全13話のシリーズ2時間にまとめたものだった。7時間半の内容を2時間にまとめるとああなってしまうのか。しかし、とりあえずガトーがカッコイイことと、コウ・ウラキがピエロなことは伝わった。

2003年10月25日
カレーなし

 昨日買ったメンチカツ(50円)を使い、朝からメンチカツ丼を作って食べた。

 今日の仕事は何だか遊んでるだけだった。毎日こうなら気楽で良いのだが。

 昼は持参のお弁当(主に白米)と、休憩室にあったお茶と誰かが持ってきたお土産のクッキーをたくさん食べた。

 家に帰った頃は、昼にたくさんお土産を食べたこともあり、お腹が減ってなかった。夕食は軽く摂ろうと思い、コールスローだけ食べることにした。とりあえずキャベツを刻んだ。刻みすぎた。コールスローだけで大変な量を作ってしまった。これだけの量のコールスローを黙々と食べるのも少し辛いものがある。というわけで、ごはんもよそってみた。せっかくだから納豆味噌汁も作ってみた。いつもと変わらない量になった。しかもいろいろ作っていたら結局お腹も減ってきたので、何もかもいつもと変わらなくなった。

 そのあと、ネットセイヴァーの対戦をしていた。

2003年10月24日
カレーなし

 お休み。昼頃に起きて、カップ焼きそばを食べた後、少し迷ったが部屋を掃除することにした。

 あまりに部屋が汚かったのだ。人間の生活空間として機能性が阻害されるまでに散らかっていたのだ。以前から何度も片付けたいと思っていたのだが、私の脆弱な精神は掃除という高潔な行為よりも、ゲームを優先してしてしまっていた。今日、「部屋を片付けたい」と強く思ったのは、ある意味チャンスだった。
 というわけで、掃除をした。物を整理し(整理とは物を隅の方に押しやり圧縮する行為を言う)、床を掃き清めた。布団も外に干した。もらったパソコンを開け、中身をいじり、然るべき場所に設置した。そして、もう半年くらい先延ばしにしていた問題にも手を出した。
 その問題とはパソコンのモニターである。私のPC環境はマルチモニター環境というもので、早い話がモニターを二つ使っている。単純に考えて横の幅が2倍になるので、2つのソフトを同時に画面最大化したまま使えるというとても便利なものだ。だが、このマルチモニター環境は半年くらい前にその機能を停止した。サブの方のモニター電源が点かなくなったのだ。
 モニターの故障の原因は主にだという。ならば、モニターをバラして、適当に中身を掃除すればまた動くのではないか。そう思うのが、まあ普通の人間だろう。私もヒマができればモニターをバラして掃除しようと置いておいたのだが、ずっと先延ばしにしていると、そろそろ外が寒い時期になってしまった。本格的に寒くならないうちにこれを何とかしようと思い、今日決行に踏みきった。
 モニターを家の外に出す。なぜ家の外に出すかといえば、もしかしたら中に黒いのが巣食っているのではないかという恐怖心のためだ。モニターのネジを全て外し、中身を確認。別に何も変哲はない。黒いのもいない。だが、埃が詰まっているわけでもない。派手に埃が詰まっていれば、それに原因を求めることもできるのだが、そういうわけにもいかなくなった。
 とりあえず適当にモニターの中を掃いたりして、埃をある程度除去する。……これで直るとは思えない。蓋をして再びネジを締めて終了。部屋に持ちかえり電源を入れる。やっぱり点かない。ダメだ。
 ということで、私の努力にも関わらずモニターはやはり動かなかった。だが、まったく無益な努力というわけでもない。大切なことが分かった。モニターは分解できるのだ。しかも思ったより簡単に。今回はフロントパネルを外しただけだったが、おそらく、ネジを外すだけであと3つくらいのパーツに分けることができるだろう。
 モニターを分解できるというのはどういうことか。すなわち、モニターを有料リサイクルしなくて良いということだ。モニターの外見を備えていなければ燃えないゴミで出しても文句は言われまい。エコロジーの観点から考えれば誉められたことではないが、ゴミを出すだけで4000円も取られるわけにはいかない。とりあえず少し手間をかければ無料でこのモニターを廃棄できることだけでも分かったので良しとしよう。大体、何でリサイクルするのにこちらが金を払わなければならないのだろうか。むしろ金を貰いたいくらいだ。
 誰か壊れたモニターが欲しい人いたら言ってください。送料折半でお譲りします。すごい頑張れば復活するかもしれません。また、壊れたモニターを買ってくれる店など知ってれば教えてください。

 夕食はコロッケを買ってきて、コロッケうどんを食べた。親から送ってもらったうどんスープの素を使い、関西風うどんを食べることができた。それにしても、「母はずっと関西風うどんを作っていたけど、関西風うどん作るのって大変だなあ。母は何気に料理に努力していたんだ」とずっと思っていたのに、こんな便利なインスタントスープがあるなんて、騙された気分だ。

2003年10月23日
カレーなし

 納豆を食べて、仕事へ行った。今日から3日間ほど派遣の仕事だ。人見知りするため、初めての職場に行くのとか本当は嫌なのだが、今回は派遣手当てに加え、なぜか管理職手当てまで付くらしく、金銭的にかなり美味しい。しかし、一体誰を管理するというのだろう。私一人なのに。自己管理に手当てを付けてくれるのだろうか。

 というわけで、出向のお仕事。だが、出向先でうとうとしていたら、会社の評判を落とすことになりかねない。いつも眠たい私には特に危険だ。自社での業務であれば、眠くなれば勝手に休憩とって寝ていれば良いが、出向先では休憩時間が固定のためそういうわけにもいかない。派遣ではいつも睡魔に脅かされていた。そのため今回は前日からちゃんと7時間の睡眠を取り、それなりに対策を練っていたつもりではあったが、しかしそれでも甘かった。
 始まってすぐ依頼先の担当者から仕事の説明があったが、この時からもう既に眠くて仕方ない。担当者の目の前で意識を失いかけた。作業が始まると、やっぱり眠い。開始30分で早くも昼休憩を待ち望んでいたくらいだ(無論、寝るためだ)。寝てしまうとまずいので、頭がくらくらし始めたら立ったり屈伸したりするのだが、そんなことをしたって別に頭がスッキリするわけでも眠気が払拭されるわけでもない。立っていれば意識を失いそうになっても身体がバランスを崩すから目が覚めるというだけだ。
 というわけで、混濁した意識のまま3時間ほど仕事をしていた。目を閉じていない、意識が飛んでいないというだけで、頭は寝ぼけているのと変わらない。後になって、この時に書いた報告書を見直すと間違いだらけで、結局再度書き直すことになった。寝ぼけついでに依頼先の担当者にとても間抜けな技術上の質問などもしてしまった。不真面目な作業者だとは思われなかっただろうが、少し頭の足りない作業者と思われた怖れはある。

 昼食後も相変わらずの眠気に襲われながら(昼休憩中30分くらい寝ていたのに)仕事をした。しかし、眠気は辛いものの、作業自体はいつもと別に変わらない。むしろ、いつもより楽だ。これで普段より1800円も多く日給が貰えるとは何ともお得だ。そんなことを思いながらホクホクしていたら、今日で終わりだと言われた。別に私が寝ぼけながら仕事をしていたのがバレて解雇されたのではなく、すべき仕事が無くなってしまったからなのだが。次からはまた本社勤めだ。基本的に派遣は嫌いだが、この3日間は行きたかった。計5400円の余剰金が絵に描いた餅になってしまった。

 今日の夕食は天ぷらうどんのはずだったが、スーパーが閉まってしまい天ぷらが買えなかったので味噌ラーメンを作って食べた。

2003年10月22日
朝:カレースパ(適当なカレー使用)

 昨日の夜から今朝の4時くらいまでジャンプの感想を書いたり、CDの通販ページを作ったりしていた。この2連休でやるべき作業の1/3くらいが終わったが、もうこの時点で残り2/3をこなそうという気はなくなっていた。

 昼頃起きて、カレースパを作って食べた。それから、映像編集のために映像を圧縮したりしていた。どうも不思議なことに、WMV9の設定をいじっても、CompressAVIのAVI出力結果が変わらない。どういうことなんだろう。その謎を解くことに時間を取られすぎて、結局、全ての映像を扱えなかった。しかも結局謎は解けない。それに良く考えたら、別に無理に謎を解く必要は無いわけで、その分編集に時間を回せば良かったと思わなくも無い。

 夕食。すっかりお米を炊くのを忘れていたので、諦めてスーパーでお弁当を買った。鶏の竜田揚げ弁当440円が半額で220円。竜田揚げと唐揚げの違いが今一つ分からない。

 いま、これを書きながらハルカリMP3で聴いている。無論、何一つ法に触れることはしていない。だから、無駄なのだ。抜け道などいくらでもある。コピーコントロールなんか諦めればいいのに。いつもならセットして10分ほど放置しておけば勝手にMP3になるところを、手動であれやこれやいじって1時間ほどかけてMP3にしただけだ。単に面倒くさくなっただけ。何のプロテクトにもなっていない。むしろ、面倒くさいから今度からコピーコントロールCDは不正入手してやろうかと思ったくらいだ。コピーコントロールなんか無ければ、ちゃんとレンタル屋で借りて聴こうと思うのに。薮蛇も良いところだ。

2003年10月21日
カレーなし

 昼近くに起きて、とりあえず布団の中で昨日ビデオに録った銀河英雄伝説を見た。仕事のある日はいつも「もっと布団に入っていたい。布団の中でだらだらしていたい」と思うのだから、仕事の無い日はそれをつつがなく実行しなければならない。

 1時間程そうして布団の中でまごまごとしたあと、もそもそと布団から這い出てキムチ納豆朝食を摂る。その後は洗濯しながらジャンプ感想を書いていた。すると4時になったので慌ててシャワーを浴び、うどんを作って食べて、出かけた。
 泣けてくる。休みの日なのにこのせわしさは何だ?休みだというのにやるべきことが多すぎて結局時間に追われている。こんなだから慢性的な精神疲労が抜けないんだ。腹立たしい。何もやることがなくて無聊を持て余すような、そんな日々を1ヶ月くらい送りたい。

 ―で、出かけた先はザックスというライブハウス。人のライブを見に行くという一般的には「遊び」に分類される行為で、もちろん私もこれが遊びだということは自覚しているが、それはそれとして、主体的にどこかへ出掛けるとか、そういう積極果敢な行為は精神的な疲労がたまってしまう。思うに、私が精神的疲労を(一時的といえども)回復させるには、何も考えずに何も作ろうとせずに、朝から晩まで時間を気にせず楽しくゲームしたり映画見たりしなければダメなんじゃないだろうか。つまり、年に数度は田舎に帰って親に食わせてもらいながら遊び呆けなければダメだということだ。……って、これではまるで駄目人間だな。駄目だ。

 そういうわけで、今日は森永理科さんのバンドを見に行ったわけだが、非常に有り難いことにゲストパスが出ており、無料で入場することができた。今日のライブで今月は無一文だと思っていたので、本当に有り難かった。森永さんは仏さまのような人だ。

 そして、今日のライブではこれらの大切なことを学習した。

・演奏がどれほど上手くても、ある一定以上のレベルは私には分からない。
・「手拍子をお願いします」といわれると、意地でもやりたくなくなる。
・「メジャーデビューが決まりました」といわれると、次の曲は真面目に聴いてみようかと思う。

 つまり、演奏は別に下手でも良い、「メジャーデビューが決まりました」といえば客はそれなりに注目してくれる。今後、客のノリが悪い時とか、真面目な顔して「メジャーデビューが決まりました」と言ってみようと思う。

2003年10月20日
カレーなし

 朝、寝過ごしたので取り急ぎおにぎりを一つ作って、それをかじって仕事へ向かった。おにぎりは本当に便利だ。白米・塩・海苔・梅干と分解して食べるならとてつもなくひもじいが、それらを一つにまとめるだけで朝食として成り立ってしまう。

 今日は残業10.5時間も労働しなければならない。昼は約束通り上司にお弁当を奢っていただき、チーズトンカツ弁当を食べた。しかも大盛りにしてくれた。なんと太っ腹な上司なのだろう。
 それから夜の10時ごろまで労働して、新宿へ出た。路上でジャンプを売っているおじさんから100円ジャンプを買い、モアで少しだけゲームをして、康龍というラーメン屋でラーメンを食べた。残業をした日は残業手当が付くので、自分へのご褒美として外食をすることにしている。昼にトンカツ弁当大盛りなどという分不相応なカロリーを摂取したため、お腹はあまり減っていなかったが、身体はともかく精神が、外食という中和剤を必要としていた。

 明日から二日休みだ。

2003年10月19日
夜:カレーうどん(適当なカレー使用)

 今日は本当はお休みのはずだったのだが、一昨日うっかりと「人が足りなければ、まあ、働いても、いいですよ。良くないけど」とか言ってしまったばかりに、今日は仕事になってしまった。さらに今日、上司二人から口八丁手八丁で丸め込まれて、明日も働くことになってしまった。しかも明日は残業だ。ああ、なんということか。ワーカホリックだ。企業の犬だ。自分が情けない。しかし、何よりも情けないのは、明日働く決め手となった一言が、明日上司がお弁当を奢ってくれるといったことだろう。わずか昼食一食で己の主張をあっさり曲げてしまった自分が情けない。でも、明日は外食だ。嬉しいなあ。

 帰りにビックカメラCD用のプラケースと、ケースを入れる袋を買った。プラケースなどどこでも売っているのだが、問題はケースを入れる袋だ。ほとんどのユーザーはCDをわざわざビニール袋に入れて大切に保存しようなど考えはしない。そんなものはよっぽどのマニア収集家だけだろう。つまり需要がないのだ。需要がないものは供給もない。従ってそんじゃそこらで売ってるものでもない。新宿にビックカメラは数店舗あるが、あっちで聞けばこっちに売ってるというし、こっちに行けばここにはないから向こうに行けといわれるし、本当に大変だった。一方、ビックカメラのCD売り場には、そのビニール袋が無造作に投げてあり(店員が商品のCDを包むためのものだ)、これを持って帰ってしまおうかと何度も思ったほどだ。

 綾瀬に帰って、レンタル店に寄る。突然、「ハルカリ」という顔のまずい二人組の女の子ユニットCDを聴きたくなったからだ。だが、レンタル店でハルカリのアルバムを手に取り、私は驚愕した。そのCDには恥ずかしげもなく、大きな文字でこう書かれていたからである。「このCDは不良品です」と。
 上記の文面にはいささか事実の歪曲がある。もう少し正確に述べるなら、そのCDの帯には「このCDはコピーコントロールCDです」と書かれていたのだ。コピーコントロールCDとは何か?それはパソコンで再生したり、パソコンでMP3にしたりできないという不良品のことである。まったく、どこの馬鹿がトチ狂ってこんなものを規格したのか知らないが、到底正気の沙汰とは思えない。本当に良い迷惑だ。バカ、ホントにバカ。
 なぜ私がこれほどコピーコントロールCDに辟易しているかといえば、現在の私のオーディオ環境ではパソコンでしかCDが聴けないからだ。元々、CDプレイヤーというものは消耗品であり(繰り返し使用により読み取り用のレーザー出力が弱まる)、私のMDコンポのCDプレイヤーはとうの昔に壊れている。現在はパソコンからデジタルアウトした音をコンポから出力しているわけで、パソコンがないとCDが聴けないのだ。レンタルは勿論、購入したってCDが聴けない。これを不良品と呼ばずして何と呼べば良いのか。
 無論、この程度の姑息なプロテクトなど、あの手この手を使えば何とでもなる。MP3だってやろうと思えば出来る。めんどうくさいだけだ。しかし、なぜレンタル店で金を払って正規な手段で入手した私が、自己の使用の範囲内ユーザーの権限を行使できないのか、なぜ私がわざわざあの手この手を弄さねばならないのか、まったく腹立たしい。こんな不良品は一刻も早く業界から追放して欲しいものだ。

 駄目だ。眠い。夜はカレーうどんを食べた。


2003年10月18日
カレーなし

 10時ごろに起きて、朝食に袋ラーメンを作って食べた。具材はワカメコロッケ、それにネギがたくさん。ネギを入れるとリッチな気分になる。
 食べながらケーブルで洋楽のTV番組を見ていたら、良いバンドを発見した。ステレオラブというバンドで、人を小馬鹿にしたようなオルガンのループが特徴的な、良い意味で馬鹿にされたような感じを受ける音楽だった。

 その後は延々とCDを作っていた。昨日までゲームをしながら傍らでプリンターを動かしていたため、ジャケットの類は全て刷り終わっていた。後はCD自体に直接印刷すれば印刷関係は終わりだ。しかし、CD印刷は場所を取るため、これまでのように部屋の片隅にプリンターを置いていては印刷できない。乱雑に散らかった部屋の中央から強引に物をどかし、ある程度のスペースを空けた後、プリンターをそこへ移動する。プリンターを持ち上げた途端、その周りのものが滑ったり落ちたりと、大変な惨事に見舞われた。いかん。掃除がしたい。
 CDを印刷しつつ、裁断機ジャケットを切り揃える。CD印刷は一度セットすればそれでお終いというわけにはいかない。何度となくCDをトレイにセットし直し、そのたびに幾つかのステップに沿った印刷準備を必要とする。人間の脳はコンピュータと違い並列作業が得意だが、しかし、いくら脳が並列作業を得意としていようが、腕が二本しかない以上、印刷と裁断を同時にこなすわけにはいかない。まったく、もどかしい。
 こうして、夕頃まで私はずっとジャケットをチョキチョキ切りながら印刷をしていた。全く、私はなんと勤労なのだろう。労働の傍ら休みの日まで、こうして家でカリカリと作業をしている。確かに私は週に4日しか会社にいってないが、人より格別楽をしている気はしない。
 大体、CDひとつ作るのに手間が掛かりすぎだ。アイデアを練る時間や練習の時間を差し置いても、レコーディングに少なくとも一日ミックスダウン一日ジャケット製作一日から二日印刷・製作二日は掛かる。日数を数えればたかだか6日だが、6日間丸々潰れるというのは、これは大変なことだ。考えてみて欲しい。日々仕事で疲れているのに、久しぶりの休日を一日製作に潰すのだ。そんなことが6回もあるのだ。週に3日休んでたって、内2日を製作に費やせば、実際は週休1日が3週間だ。おお、なんだか文章に書くと本当にすごいことだな。うん、私は本当に良くやっている。もっと売れればいいのに。もっと売れろ。
 
 5時ごろになり、エーツーを見るために柏ザックスへ向かった。エーツーは今日は鳥肌実と競演だ。これは何気にすごいことだ。45%くらい行きたくない気持ちもあったが、迷った時はとりあえず積極的な選択肢を選ぶことにしているので、結局出掛けた。
 行きたくない気持ち45%の内訳は、まず20%チケット代が非常に高いことだ。2500円もする。ドリンク代と往復の電車賃も合わせれば3500円といったところか。痛すぎる出費だ。食費10日分に値する。 
 次の15%体力がない事だ。すっかり肉体的に脆弱になった私には、数時間にも渡り人ごみと轟音の中で立ち続ける体力はない。それに残念なことに明日が仕事となった。早く家に帰れなければ、体力的に非常に厳しい。
 最後の10%はエーツーと鳥肌実以外の競演者に興味がないことだ。ゲビルさん知らないし、電脳オブラートさんは名前は知ってるけど別に見たいとは思わないし、死ね死ね団さんは昔見たけどその良さが分からなかった。しかも、エーツーは一番最初だし、おそらく鳥肌実は最後か、もしくは最後から二番目だろう。これら両名だけを見てさっさと帰るわけにもいかない。

 柏に着いたのは6時を5分過ぎたところだった。エーツーは既に始まっている。なのにライブハウスの前にはびっくりするような長蛇の列が出来ており、なかなか中へ入れない。エーツーの持ち時間は今にも終わりそうだ。もう諦めて帰ろうかとも思ったが、なんとか間に合った。前半は丸々見逃したが、後半は見ることができた。
 今日の彼女たちは素晴らしかった。きっと、誰の目から見ても、不快で、不可解で、薄気味が悪く、滑稽で、チャーミングだっただろう。ライブ中、会場のあちこちからやるせない苦笑「全部これだったら騙されたね」などの会話が交わされていた。彼女たちの評判は上々のようだ。
 後のバンドについて簡単に触れると、ゲビル良さが分からなかった。残念だ。死ね死ね団も相変わらず良さが分からなかった。残念だ。鳥肌実つまらなかったが、ちんこは立っていた。と、そのように感想を書いて欲しいと本人は言っていた。私の感想としては、鳥肌氏はつまらなくはなかったが、あれは椅子に座って聞くものだと思ったし、それに私は個人的に下ネタが嫌いなので、残念ながら好きになれそうにない。電脳オブラートはエーツーを除いて一番良かったかもしれない。ドラムをドンドン叩いて、ギターをギャンギャン弾いて、ボーカルがウガウガ叫んでいた。全くの雑音だったが、潔くて好感が持てた。彼らはヴィジュアル系というよりパンクだと思う。だが、残念ながらしばしばスピーカーの音が割れ、そのたびに私は少なからぬダメージを受けていたため、2曲ほど聴いたところで退散した。

 帰りにレンタル店ステレオラブを探した。一枚だけ置いてあったので借りて帰った。いま聴いているが、昼間聴いたほど人を小馬鹿にした感じは受けない。残念だ。どうでもいいが、ステレオラブのラブ「Love」ではなく「laboratory」の「Lab」なのだから、ステレオ「ラボ」と表記するのが正しいのではないかと疑問で仕方なかった。そう思って、goo辞書で発音を聴いてみると、確かに「ラブラトリー」としか聞こえなかった。それにしてもgoo辞書は便利だ。

2003年10月17日
朝:カレースパ(適当なカレー使用)

 朝からカレースパを食べて仕事へ行った。4日も連続で働いたから、肉体も精神もボロボロだ。帰りにコンビニでお団子を買って、己の労をねぎらった。

 仕事中に隣の人がネギの話ばかりしていたので、仕事中は夕食のコロッケうどんネギを入れることばかり考えていた。なので、帰りにスーパーでネギを購入。コロッケ(40円)も買って、コロッケうどんネギを入れて夕食とした。あとは斑鳩をやっていた。やっと2ボスの倒し方が分かってきた。

 「ネズラ」という映画を見たが、驚くほどショボかった。しかし、ヒロインがめがねだったため、全く見る価値のない映画というわけでもなかった。

2003年10月16日
カレーなし

 朝は昨日の残りのお味噌汁を食べた。夜は残ったマグロを焼いて、を呑みながら食べた。大量のマグロを肴に酒を3時間ほどに渡って呑んでいた。

 今日は、これからの人生で有用であろう、大切なことを学んだ。すなわち、心身の疲労を拭うのに、酒は極めて有効であるということだ。酒は百薬の長、この言葉の意味を正しく認識できた気がする。

2003年10月15日
カレーなし

 朝は昨日買ったコロッケ(45円)を食べた。仕事へ行った。昼もコロッケを食べた。夜はマグロ(100円)を買って、お味噌汁を作って食べた。マグロは煮るより焼いた方が良い。

2003年10月14日
カレーなし

 現在、12時10分。30分には寝なきゃいけない。残りの20分日記で費やすわけにはいかないので、手短に書き上げてゲームします。

 朝はパンを食べた。昼はオリジン弁当で唐揚げ買って食べた。夜はスーパーで半額のお寿司(350円)を買って食べた。一日で食費に700円も使ってしまった。今日は自炊したくない気分だった。

2003年10月13日
カレーなし

 なんか良く分からないゴス服のイベントにお呼ばれしたので見に行った。なんか踊ったりした。

 今日は秋葉原ASOBOTTOCITYとかいうところで、サターンソフトの投売りがあると聞き、イベントのあと漫画喫茶で時間を潰し(野望の王国が読みたかったのに無かった)、そののち、秋葉原へ。開店まで1時間ほど並んだが、その苦労も虚しく、たいしたものは売ってなかった。「シャイニングフォースIII〜シナリオ1〜」を100円で買ってみた。

 図書館で京極マキャベリを借りた後、家に帰って映画「弟切草」を見てたら何時の間にか寝てた。夕食にレタスチャーハンカップラーメンを食べた。あとはゲームしながらCD作ってた。

 昨日と今日の日記が短いのは肉体的に疲れているためである。体力が無いから徹夜は辛い。

2003年10月12日
カレーなし

 納豆食べて仕事へ行った。仕事の後、夜からオールナイトのイベントに参加するため、会社の休憩室で仮眠を取った。10時ごろ新宿に到り、多天神ラーメンを食べて、イベントに参加した。

2003年10月11日
カレーなし

 朝からラーメンを作って食べた。朝からラーメンはやっぱり間違っていた。

 仕事へ行く電車の中でを読んでいた。選ぶ本を失敗した。こないだまで読んでいた『鉄鼠の檻』を読破してしまったので、家にある未読の本を適当に掴んで電車に乗ったのだが、それがよりにもよって『ソロモンの大いなる鍵』という魔術書だった。
 魔術書などというものは電車の中で読むようなものではない。何せ、読んでいてもつまらない。聖書や神話、さらに言えば辞書と同じようなものだ。分からない言葉を辞書で引くが如く、何らかのアイデアや目的を持って当たるなら魔術書も意味があるが、漫然と眺めていて面白いようなものではない。
 魔術書というものは世間一般に思われているほど、ドキドキワクワクの楽しい内容ではない。呪文はほとんどユダヤ―キリスト教の唯一神を称えたものだし、魔方陣もさっぱり意味が分からない。もし、この書の通りに事を行いさえすれば魔方陣からボヨヨンと魔神が出てくるというのなら、こんなつまらない文字の羅列にも胸が弾むのだろうが、残念ながら魔神がボヨヨンと出てくることなど絶対にないということを私たちは知ってしまっている。よって、これらの書の価値は何かの資料に供するか、またはこの文献自体を読解するしかない。この書を普通の読み物のように読むこと自体間違っているし、今の私にはこの書の有効な利用法はない。
 しかし、この本がいつか私にとって意味ある物となる可能性もあるし、今手放してしまえば二度と手に入らない怖れもある。やはり、この書は当分の間、未読のまま書棚に放置しておく運命にあるようだ。
 ちなみに、帰ってネットで調べて見ると「楽天フリマ」にて一万円の値がついていた(定価3000円)。……ちょっと売りたい気もする。

 帰りに学生寮に寄り、後輩からパソコンを貰い受ける。近くのコンビニから配送処理をしたところ1270円も取られた。その後、後輩と近くのオムライス亭とかいう店に入り、500円ほどのオムライスを食べた。初めて後輩に食事を奢った。後輩もビックリしていた。

2003年10月10日
カレーなし

 (バンドメンバーへ業務連絡)

 新しいCDのジャケットを作ってみました。

・新しいジャケ


・昔のジャケ


どっちがいいですかね。
昔のほうが可愛らしいですけど、新しい方が宅さんだと認識しやすい。

(日記は夜ごろ書きます)

 その日記。

 今日は一日中ゲームをしながらゆっくりとCDを作るつもりだったが、予定が狂った。ジャンプの感想を書き、上のジャケットを作り、CDの会計用エクセルファイルをいじっていたら、もう夜になってしまった。その後、斑鳩を遊びながら、CDを焼いていたが、今日もあんまり休んだ気がしなかった。横目でちょろちょろ見ていた『学校の怪談4』に少しだけ感動した。

 朝は昨日の味噌汁インスタントの味噌ラーメンを入れて食べたが、余計なことはしないほうが良かった。夜はコロッケうどんを食べた。今日は豪華に牛肉コロッケを使った。

2003年10月9日
カレーなし

 朝、納豆とか食べて仕事へ行った。昨日はジャンプの感想も書かずに一日中だらだらとしていたが、それでも休んだ気がしなかった。仕事へ行く足取りも重かったが、通勤中に面白いものを見て、少し元気が出た。
 
 最寄駅から職場のビルまで約15分ほど緩やかなスロープを登っていくのだが、駅を出てすぐに見える高校の外壁にそれは貼ってあった。貼り紙である。こう書かれていた。「カラスにえさをあげるな。バカやろう」と。「エサをあげる」という微笑ましい表現と、「バカやろう」のギャップが何とも間抜けである。こういうとき、私の携帯電話にカメラ機能がないことが口惜しい。

 仕事の帰りに新宿ビックカメラに寄った。懐に幾ばくかの金があったからだ。小人閑居為不善というが、私も同じことで、懐に現金など持っていてはきっと良からぬことに散財してしまい(アイスを買ったりプリンを買ったり)無碍に失ってしまうだろう。
 というわけで、有り金のほとんどをはたいてCD製作の原材料たる高級な厚手両面印刷紙プリンター用のインクを買ってきた。CDは多少多目に作っておいても、長期的な視点で見れば必ず売れる。いわば確実性の高い長期投資といったところか。製造過程に並々ならぬ時間的損失および労働力の投資が必要となることは、この際、積極的に忘れよう。

 帰りにスーパーなめこ白菜を買って、お味噌汁を作って食べた。

2003年10月8日
夜:カレースパ(適当なカレー使用)

 朝は納豆うどんがあったので、納豆うどんを作って食べた。ネットで作り方を調べ、ゆでたうどんに、ごま油醤油を混ぜたもの、生卵納豆刻み海苔鰹節をかけて、ぐちゃぐちゃと混ぜて食べた。不味くは無いが、やはり納豆はほかほかごはんが一番合うと思う。

 今日は久しぶりの丸一日フリーなので、昨日レンタルしたDVDを見ることにした。昨日は最寄のレンタルビデオ店が一泊二日100円だったので、3作ほど借りてきたのだ。内訳は名作と名高いホラー映画『ブレイド』の1と2。それと、ジャケットでおっさんがロケットランチャーらしきものを構えている絵が妙に間抜けだったので借りてみた『さくや妖怪伝』である。


(分かり辛いだろうが、右側上から二段目のおっさんがロケットランチャーを構えている。江戸時代の話なのに、ロケットランチャーを構えている。バカ映画の香りがぷんぷんと漂うではないか)

 で、楽しみにしていた『ブレイド』の1と2を先に見たのだが、これが見事に期待外れだった。まあ、期待外れといっても箸にも棒にもというほど酷いものでもなかったが、これを名作というのは如何なるものか。まずホラー映画にも関わらず、些かたりとも恐ろしくない。もともとブレイドはアメコミ原作らしいので、ではアメコミ映画として見るとどうかといえば、やはり『X-MEN』には遠く及ばない。話題のアクションシーンは確かに格好良いが、それだけ見るならジャッキーチェンの『プロジェクトA』の方が出来が良い。その一方、ストーリーは適当なもので、途中で眠くなってきた。
 『ブレイド』の方は、それでもまだ敵を倒した時のエフェクトが綺麗で、アクションシーンも1に比べて格段の進歩を遂げていたように思える。雰囲気も『怖くないエイリアン2』といった感じで、まあ、それなりに楽しめる。でも、最後はやっぱり寝てしまった。これを名作と言うのは、ホラー映画最高の名作(と私が思っている)『DAWN OF THE DEAD』に失礼というものだろう。

 夕食にカレースパを作り、最後に『さくや妖怪伝』を見た。これは先に述べたとおり、ジャケットがバカっぽかったので借りただけのものだ。まったく期待はしていなかった。だが、これは『ブレイド』と比べても遥かに素晴らしい映画だった。主演安藤希のどこまで本気か分からない気の抜けた演技、スタッフの間違った情熱を感じる妖怪の造形センスガメラの如く巨大化した松坂慶子、皮肉ではなく見ていて心の和む優しい映画だった。良かった。ハリウッド映画はしばしば観客の予想を裏切ろうとして、物語の整合性や説得力を大きく失する場合がある。『ブレイド2』などまさにそのような映画だった。だが、『さくや妖怪伝』は最初から最後まで非常に素直なストーリーで、安心して見ることができた。これは、裏を返せば安直でひねりの無いストーリーということだが、無駄にひねって物語を破綻させるよりは遥かにマシだ。『ブレイド』の1と2を見る時間があったら、これを2回見れば良かったと思ったほど良い映画だった。

 ところで、私が日々常用しているサイトに『みんなのシネマレビュー』というページがある。テレビで映画があるときなどは、しばしばこのサイトを見て、人々の評価如何で見るかどうか決定している。
 で、今日私が見た映画が人々にどのような評価をされているのか気になり、調べて見たところ。『ブレイド2』こんな感じ『さくや妖怪伝』こんな感じだった。『ブレイド2』の平均点数は6.9点。かたや、『さくや妖怪伝』は3.7点。『さくや妖怪伝』はずいぶんと酷評されている。私が美点と受け取ったチープな妖怪造形や、安藤希の気の抜けた可愛らしい演技は、一般的にはマイナス要因でしかないようだ。
 ちなみに、『さくや妖怪伝』と同じく、チープな可愛らしさに溢れた邦画ホラーの名作(と私が思っている)初代『学校の怪談』3.7点良質のB級ホラー(と私が思っている)吉野公佳版『エコエコアザラク』5.7点。先に挙げたゾンビ映画の金字塔『DAWN OF THE DEAD』8.0点。『DAWN〜』はともかく、他は酷い点数だ。人の好みは千差万別、『みんなのシネマレビュー』は参考程度にしか使えないものだと分かった。それにしても『さくや妖怪伝』の酷評は酷いなあ。

2003年10月7日
カレーなし

 仕事。眠い。眠くて仕方ない。昨日、斑鳩なんてやってるんじゃなかった。早く寝れば良かった。とにかく眠かった。朝はうどんを食べた。

 仕事の帰りに新宿に寄り、腕時計の電池を変えてもらった。1200円も取られた。相場を知らないが、電池を変えるだけで1200円とは非常に腹立たしい。
 あと、お気に入りの縞縞のハイソックスを買いにALTAにいったら、靴下屋さんが無くなっていた。困った。また、アレを売っている店を探さなければならない。
 それと、ビックカメラでIEEEを返品した。「間違えて買ったので、返品したいんですけど」というと、店員に「何と間違えたんですか?」と追求されたので、パソコンは全然分からない振りをして乗り切った。

 その後、ゲーセンに行った。ついにエスプレイドをクリアーした。初めてエスプレイドで遊んでから2年が経過していた。ワンコインでクリアーできたアーケードゲームはこれが初めてだ。誰も聞きたくないだろうが、今日のクリアーまでの道程を述べると……

1面…普通にクリアー
2面…普通にクリアー
3面…道中ボムを一発使うも普通にクリアー
4面…ボスで1ミス。それなりにボムを打ってクリアー。
5面道中…最高のタイミングでボムを回復することができ、中ボスまで無事に進む。
5面中ボス(五行覚士)…ボムが切れて1ミス。その後はノーボムでクリアー。この時点で残機4。
5面アリス地帯…ボムを打ちまくって、安全第一で進む。ボムは尽きたがノーミスでアレスへ。
ラスボス(破壊神アレス)…1機目はすぐに死亡。残機は3。ボムを使ってアレスを撃破。
ラスボス(ガラ婦人第一形態)…ボムを2発使うもノーミスで勝利。ボムは尽きる。
ラスボス(ガラ婦人第二形態)…1ミスするも、ノーボムでクリアー。残機は2。
ラスボス(ガラ婦人第三形態)…最初と最後にボムを打ったが、ノーミスクリアー。
ラスボス(ガラ婦人第四形態)…ボムを全部打って逃げきる。ノーミスだがボムは尽きる。
ラスボス(ガラ婦人第五形態)…ノーボムだったのですぐに死んだ。残機1。残りのボムを全て使って焼き払う。残機無し、ボム無しの状態でクリアー。

 と、このような感じでクリアーした。しかし、このゲームはシューティングの中では「初心者向け」と呼ばれるものである。このゲームをクリアーし、ようやく私は「初心者シューター」の仲間入りを果たしたことになる。シューターの道は長く険しい。

 帰ってサラダスパゲティを作って食べた。サラダスパゲティというと、何だかお洒落な感じだが、その実単に肉気のないスパゲティにすぎない。美味しいものでは無い。

2003年10月6日
カレーなし

 朝、納豆とか食べて、仕事に行った。仕事の後、ロフトプラスワンゴングショーに出場した。優勝すれば賞金が出る。ロフトに評価されるのも大きい。作品に「ゴングショー最優秀作品」という仰々しい肩書きも与えられる。得られるものはそれなりに大きく、失うものは入場料の1300円だけ。これに出ない手は無い。

 詳細に経過を述べたいところだが、時間が無いので結論だけ言うと、私は最終審査まで残ったが最優秀賞は取れなかった。最終審査まで残ったって、何が貰えるわけでは無い。オール・オア・ナッシング。最優秀賞を取れなければ少なくとも経済的な意味は無い。だが、今回は負けても仕方の無い相手だった。
 
 優勝したのは藤波かよ子さんという主婦の方だった。ロフトプラスワンのゴングショーは、新しい表現方法を探す、といった謳い文句の割には既成のお笑い(コントなど)が幅を利かせている。別に既成のお笑いが悪いとはいわないが、そればかりではイベントの趣旨に沿ったものとは言え無いだろう。前回は既成のお笑いの枠内ではあるがレベルが高い芸人さんが優勝した。アイディアではなく、純粋な研究と努力を行った者が優勝したのだ。常識的に考えればこれは全く悪いことではないが、私の期待していたものとは大きく違った。「心から驚嘆させられる斬新な発想」ではなく「良く出来た精度の高いお笑い」妥当に優勝してしまったからだ。
 しかし、今回優勝した藤波かよ子さんは、どちらかといえば前者に属する方だった。それも、前回優勝者である猫ひろしさんを押しのけての優勝である(私も押しのけられたクチだが)。今回の出場者を私見で分類してみれば、前者に属する者は藤波さんと私と、あと数組だけだったと思う。他は相変わらずコントグループや一人芸が多かった。そういった多勢に抜きん出て、同じ軍勢である(と私が勝手に思っている)藤波さんが優勝したのだから、これはもう仕方が無い。同じ土俵で相手の方が強かっただけだ。素直に相手の検討を称えたい。

 それにしても、残念だ。前回の私たちはアイディアはともかく、作品のクオリティが低く、見せ方も下手だった。ロフトの客層がどのようなもので、どのようなネタが喜ばれるのかも分からなかった。今回は、それら前回入手した知識を元に学習・研究し、ネタを選び、手を尽くしていた。全ては賞金のためだ。それにしても賞金が欲しかった。ああ、賞金が欲しかった。あの賞金があれば撮影にかけたお金も還元できたのに。賞金が出たら帰りにラーメン食べて帰ろうと思ったのに。残念だ。優勝しなくてもいいから、賞金だけでも欲しかった。

 帰って、寝るまでの限られた時間、必死に『斑鳩』をやった。

2003年10月5日
カレーなし

 寝坊した。親から送られてきたインスタントのリゾットを持って、仕事へ行った。リゾットはお昼に食べた。美味しかったが、朝昼兼用ではとても足りなかった。

 仕事の後、まで行った。自分のバンドが出ていたのに、間に合わなくて見れなかった。まあいい。森永理科さんが見れればそれでいい。しかし、森永さんは綺麗な人だが、勿体無い。損をしている。どうして眼鏡をかけないのだろう。

 帰りにミニストップで良く分からないハンバーガーっぽいものを買って、食べながら帰った。家に帰って、明日のためにビデオ編集した。PCを使っての編集はとても間に合わなかったので、ビデオカメラとビデオデッキを使い、一時停止ボタンや録画ボタンなどを絶妙のタイミングで押すという、アナログな方法で編集した。夜三時まで掛かった。明日も仕事なので、すぐに寝た。

2003年10月4日
カレーなし

 ビデオカメラが動いてくれたので、一日中ビデオカメラをこねくりまわしていた。大変疲れた。動画編集というのは何と言う難儀なものだろうか。

 まずファイルサイズがバカでかい。動画を1秒間パソコンに取りこんだだけで、なんと4メガだ。10分も取りこめば2G使ってしまう。さらに、それをコーデックすると2Gのファイルに3時間も掛かる。編集云々の前に取りこむだけで一日が終わってしまった。それも取りこめたのはたった10分だけだ。

 朝食には昨日の野菜天の残りを玉子とじにして食べた。夕食はグータとかいう高価なカップラーメンを食べた。親が送ってくれたものである。

 あと、時間を縫って30分程『斑鳩』を遊んだ。2面まで行けた。しばらくは点数稼ぎを考えずに、ワンコインクリアを目指す方向で行きたい。

2003年10月3日
カレーなし

 書くべきことはたくさんあるが、書く時間が無い。

 仕事の帰りにたくさん買い物をした。ゲームキューブ用ソフト『斑鳩』と、ゲームキューブ用のメモリーカードだ。また、IEEEのカードも買った。これまでのIEEEカードがどうにもビデオカメラを認識してくれないからだ。合計で1万弱使った。

 帰って、新しく買ったIEEEをPCに取りつけようとした。そのまえに、ダメ元でこれまでのカードを別のスロットに差し替えて見た。動いた。今日買ったIEEEは返品することになった。

 夕食は野菜のかきあげうどんを作った。も落とした。天たまというやつだ。美味しかった。

2003年10月2日
カレーなし

 昨日ビデオに撮った「水曜スペシャル―藤岡 弘、探検シリーズ 第3弾…失われた大地…南米ギアナ高地の洞穴に謎の地底人クルピラは実在した」 を見ながら、朝食を摂った。私はこういう子供騙しのくだらない特番が好きで好きで仕方が無い。そして、昨日の水曜スペシャルは期待を裏切らない素晴らしい出来だった。
 極めて薄弱な根拠から強引に仮説を証明し(た気になって)、ものすごく軽々しい理由で次の目的地を決め(クルーの一人が「そういえば、どっかの村で宇宙人のミイラが出たといっていた」といったら「じゃあ、そこへ行ってみよう」)、道端を歩いているだけで毒蟻やら毒ガエルやらが現れ、クライミングをすれば当然のようにボトルが外れ、ボートで川を渡ろうとすれば当り前のように浸水する。挙句の果てには、リュックを下ろしたところへ現地住民の方が毒矢を飛ばしてくる。この毒矢が飛んできた時の、クルーのわざとらしいリアクションは必見である。一体、何度このリアクションを撮り直したのだろうか。いやあ、面白かった。素晴らしい。

 だが、残念なことに私はこの番組を最後まで見ることが出来なかった。途中から裏番組の映画「陰陽師」を録画してしまったからだ。水曜スペシャルは、緑色の全身タイツを着た人が遠くの方で走りまわって、藤岡弘が「クルピラだ!」と言っているところで終わっていた。続きが気になって仕方が無い。一体、あそこからどうやって、「今回の探検ではクルピラの正体を判明することはできなかった。やはり彼らは宇宙からやってきたなんたらかんたら・・・」と話をまとめたのだろうか。ああ、やはり気になる。

 水曜スペシャルを犠牲にして録画した映画「陰陽師」夕食を摂りながら見た。ちなみに夕食は豆腐ハンバーグだった。豆腐ハンバーグはハンバーグと名乗るのはおこがましいと思った。あれがハンバーグなのは形だけではないか。ただの豆腐料理だ。触感も味わいもまったく豆腐じゃないか。ハンバーグなんかじゃない。騙された。
 閑話休題。映画「陰陽師」だが、わざわざ冷奴冷酒まで用意し、用意万端、楽しむ気満々で臨んだにも関わらず、大きく期待を裏切られた。全編、陳腐でチープなお化け屋敷のようで、子供騙しが大好きな私でさえ、ヒマでヒマで仕方が無かった。それでも1時間半ほどは集中して見ていたが、ラスト30分はネットサーフィンをしながらながら見していた。もっと早くからこうしておけば良かった。野村萬斎と真田広之が好きな人だけ見ればいい映画だ。失敗した。こんなことなら水曜スペシャルを終いまで録っておくべきだった。

 そういえば、昼間には工事の人がきてガスのリモコンを新しいものに変えてくれた。湯が突然水に変わる恐怖に震えずに入浴するのは久しぶりだ。それはとても気持ちの良いものだった。

2003年10月1日
カレーなし

 明け方までCDを作り、それから6時間ほど寝る。起きて昨日の残りのお味噌汁を食べ、またCDを作る。時間が迫ってきたのでお風呂に入った。

 最近、お風呂のガスの調子が悪い。たまにが出なくなるのだ。一昨日修理に来てもらったのだが、モノが古すぎて部品が足りないらしく、改めて明日修理に来ることになっていた。しかし、湯が出ないといっても、ずっと出ないわけではなく、1分ほど粘っていればいつかは湯が出る。不便ではあるが、それまでは入浴に支障をきたす程でもなかった。それならば、わざわざ銭湯に行くのは面倒だ。今日もあまり深くは考えず、シャワーを浴びることにした。
 だが良く考えると、このガスは修理の人によって「壊れている」と、いわばお墨付きを貰ったようなものだ。正真証明の「壊れ物」である。いままでは、1分も待てばお湯は出た。だが、「壊れているもの」が常に「1分待てばお湯が出る」と考えるのは、今振り返ればあまりに浅慮であったと思う。なぜなら、それは「壊れている」からだ。壊れているものが、常に1分後にお湯が出る保証など、どこにもない。
 滑りだしは好調だった。だが、私がシャンプーを使い洗髪し、今から頭の泡を洗い落とそうというとき、シャワーはへと変わった。水になること自体は覚悟していた。しかし、1分待っても2分待っても湯に変わらないのは誤算だった。
 私は頭に泡を乗せたまま、指の先で流れ出る冷水の様子を伺いつつ風呂場で震えていた。10分ほど震えた頃だろうか。「心頭滅却すれば火もまた涼し」という極めて非合理的な行動を私が決意したのと前後して、シャワーのお湯は回復した。私は急いで頭の泡を落とし、身体を洗った。
 こう書くと、風呂場で湯が出なかっただけのことを、なぜこの人はこうも長々と書いているのだろう、ひょっとして日々の日記のネタがないのではないか、そう読者の方々は思うかもしれない。確かに、上に記した一連の顛末は、文章にしてしまえばそれほどの大事には感じられないだろう。だが、そのときの私の心情はそのような生半なものではない。頭に泡を乗せたまま、いつ出るか分からないお湯を待ちつつ寒さに震えていたこのわずか10分がどれほど長大な時間に感じられたか、想像を巡らせていただきたい。時間の流れというものはニュートン的な絶対のものではなく、個人の主観によるものだからだ。

 その後、ライブした。水族館で海鮮丼を食べた。ライブのあと、宅さんとラーメンを食べた。CDは20枚作ったのに4枚しか売れなかった。お風呂のことを書いたら何だか疲れたので、こっちを書く気力が無くなった。

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