2002年7月15日
夜:骨いっぱいの鯉カレー
実に不幸な一日だった。いつか来るとは思っていた不幸と、まさに今日エンカウンターしたのだ。
今日は起きた後、掲示板にレスを書いたり、ジャンプ感想を書いたり、洗濯をしたりしながら、意外と慌しく時を過ごした。そして今日作るカレーのため、買出しへ。
最近、カレー作りに対するモチベーションが少々下降気味なので、テンションを高めるためにも、奇抜な食材に挑戦してみることに。丁度、鯉のお頭が50円であったので購入。今日は鯉カレーだ。魚肉もいつかは試してみたいと思っていたので、丁度いい。一応、押さえとして牛すじ肉も購入しておいた。
いつも通り、タマネギを刻み、牛すじ肉と一緒に炒める。鯉はうろこがあまりに取りにくかったため、一度レンジにかけ、蒸した後皮ごと取った。そして、それらを鍋にかけようと流しの下を開けたとき、事件は起こった!
いつも使っているカレー用の大鍋を取り出すと、中に何か小さな黒い粒々が入っている。いやな予感がする・・・。実家で見たねずみの糞に似ている。私はおそるおそる流しの下を開け、確認してみる。
そこにヤツはいた!さすがにねずみではなかったが、同程度の脅威である黒い悪魔。そこにはやつが潜んでいたのだ!!
私は急いで流しの下を閉め、自分の身の安全を確認した後、これから取るべき行動を熟慮した。流しの下には鍋の他にも、塩・砂糖・サラダ油・米などが入っている。不幸中の幸いだが、それらはどれもタッパーにて厳重に封をしているため、やつらの侵入を許すことはない(サラダ油は多少危険だが)。それよりも、それら食材のある流しの下スペースへ唯一の武器である殺虫剤を噴射するのは流石に気が引ける。とはいえ、やつを誘導し、部屋の中へ導いてしまえば、殺るか殺られるかの命がけの戦いとなってしまう。また、フライパンの中には作りかけのカレー具材があり、台所付近で殺虫剤を使用するのも同じくらい気が引ける。
様々な条件を考えた後、これは一人では結論出せないだろうと思い、みっきーに電話。震える声で現状を説明し、対応を練る。結果、とりあえず食材は無事なことだし、今日のところは見なかったことにしてはどうか、ということになった。そういうわけで、今日のところは流しの下は封印。明日、仕事の帰りに考えうる最高の装備を購入し、やつらを殲滅させることにする。しかし、最強の装備を持ってしても、この扉を開けるときが最大の恐怖であることは間違いない。ああ、明日が恐ろしい。誰か、一緒に開けてくれないかなぁ・・・。
しかし、やつは一体どこから流しの下スペースへと侵入してきたのだろう。排水口のホース周りは確かガムテープで厳重に封じておいたハズだ。その他にあの空間へ侵入できそうな抜け穴は存在しないはずなのだが・・・。私が調理の最中、一瞬開けた時などに侵入したというのだろうか。
とにかく出会いたくはなかったが、見てしまった以上、私はやつらを殲滅しなければならない。やるとなったら、手加減は無用。中途半端なことをしてはダメだ。予算は一万円を考えている。これで、あらゆるタイプの兵装を整え(設置系・電波系・近接攻撃兵器・全体攻撃兵器etc・・・)やつらを根絶やしにしなければならない。私の砦に一歩足りとも踏み込ませてなるものか。この作戦の遂行中、私も少なからず嫌な目に会うだろうが、仕方ない。我慢しよう。痛みを伴わない戦争などありはしない。
しかし、この「出てから慌てる」という自分も腹立たしい。どうして、これまでに何らかの予防策を打たなかったのか。いや、理由は分かっている。バルサンだって高価だ。出てもいないものに金をかけるのは気が引けたのだ。だが、これで学習した。少なくとも来年は、完全な対ゴキブリ予防策を打つとしよう。定期的なバルサン攻撃、各種対ゴキブリトラップの設置、ペストXの完備、また可能なら、虫に耐性のある彼女を作って夏の間は部屋に置いておきたい。
やつの件はとりあえず置いておき、(おそるおそる)カレー作りへと戻る。暗がりからやつが突然顔を出したりしないかと、気が気でしょうがない。黒いものが全てやつに見え、ビクッと身構えてしまう。が、幸いなことにそれからやつを見ることはなかった。一体どこに潜んでいるというのか・・・。
カレー鍋を入念に洗った後、食材を移し、マイタケを加え煮こみに入る。煮込み中にゴキ対策ページを調べ、明日への戦略を練る。今度は戦争だ!
煮込み終わった後、カレールー(ジャワ辛口とゴールデン辛口)とココナッツミルク、ガラムマサラを溶かし、ナンプラーで味を調え、出来上がり。鯉のお頭は本当はダシだけ取って、食べる前に捨てようと思っていたのだが、1時間半の煮込み時間はお頭の各部位を溶かしてしまったらしく、うまくサルベージできなかったので諦めてそのまま食べることにした。すごく不安だ。
不安は的中した。普通のカレー気分で食べていると、大きな骨は口中に突き刺さり、小さな骨は数が多く、煩瑣なことこの上ない。魚肉はなかなか美味いが、この骨から受けるストレスを考えると割が合わない。久しぶりに人に出せないカレーを作ってしまったようだ。また、魚を煮込むことにより、何らかのダシがスープに出ていることを期待したが、ほとんどそれを感じることはなかった。残念だ。
とにかく結論としては、ただただ食べにくいカレーとなってしまった。カレーライスで食べるならまだともかく、カレースパにして食べるには不都合が多そうだ。魚を使いたいなら、網かなんかに隔離した状態で煮込まなければいけないと分かった。
さあ、決戦は火曜日だ。
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