架神のカレー日記02.11前半
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2002年11月15日
夜:パン工房(カレー味)

 目が覚めると、布団の中にいた。鏡を見るとフルメイクのままだ。ああ、お肌が痛んでしまう。お腹にはタトゥーシールが貼ったままだ。そういえば、昨日ライブ中に見せびらかそうと思っていたのに、すっかり忘れていた。なんのために貼っていたのだろうか。まったく情けない。

 メイクを落とし顔を洗ったところで、異常に空腹なことに気付いた。何か食べれるものはないかと探していると、昨日持って行ったリュックの中からお菓子を発見。よく分からないが有難く頂く。その後、メールを見ていたら

  >>リュックの中のブルボンは差し入れです。
ブル特有の哀愁をしっかり味わってそしてお願いだからも少し肥えてくれ。見てられないよ。

 と、エーツー2号さんから届いていた。ああ、これは2号さんの差し入れなのか、有難う、有難う。
 他にも荷物を確認してみると、るんさんから不思議なココナッツや、生贄さんからハムやらグラノラやら、誰がくれたものかさっぱり分からないが鍋の中にバナナが二本入っていた。有難い、有難い。

 朝食にはそのバナナを一本頂き、またトースト3枚使ってフレンチトーストを食べた。流石に3枚は多すぎたようで途中で気持ち悪くなった。

 その後、昨日使ったフライパンを洗ったり、衣装を洗濯したり、ジャンプ感想を書いたり、ゲームしたりしているとあっという間に夜になった。さて、夕食にカレーでも作ろうか、と思った時、私はあることに気付いた。しまった!まな板と包丁がない!!

 何か無いと思ったらまな板と包丁を忘れて帰ったようだ。どうやらメンバーが持って帰ってくれたらしいが、メンバーと次に会うまでまな板と包丁無しで料理をしなければならなくなってしまった。決してムリではないが、これはかなり不便だ。
 とりあえず夕食はどうしたものかと考えた挙句、シチューを作ることにした。シチューならキャベツを適当に手で千切って入れればなんとかなる。あらかじめ切って冷蔵庫に保管していたニンジンタマネギ、それと手で千切ったキャベツを入れる。また、少し考えたあと、ジャガイモもなんとか入れてみることに。皮切り器で皮をむいだ後、さてどうやってこのジャガイモを小さくすべきかと悩む。とりあえず調理用はさみで穴を穿ってみることに。意外と柔らかい。所詮はイモか。果してジャガイモは力ずくのはさみにより3等分された。しかし、はさみでジャガイモを切るのは大変危険だし、難解だ。こういった有事を除き、普通の時は包丁を使うことを強くお勧めする。
 それで出来たシチューパン工房(カレー味)を塗ったパンを食べた。まな板と包丁が無いため、これから先しばらくはカレーを作れない。それまで一体どうすればいいのだろうか。

 そういえば朝からずっと気になっていた「どうして昨日のカレーはいつもと味が違ったのか」、お風呂に入ってる時に気付いた。そうだ、昨日は確かに分量はいつもの3倍にあわせていた。だが、合わせていない具材もあったのだ。タマネギとオリーブオイルだ
 タマネギは基本的に量が多ければ多いほど炒めるのに時間が掛かる。またフライパン一つではみじん切り大2個を炒めるのが限度だろう。ゆえに昨日のカレーではタマネギは2つまでしか使用しなかった。タマネギの使用数が少ないだけなら、それは然程の問題ではないかもしれない。だが、問題はだ。

  >> このカレーを作る際のポイントは、油を多めに、野菜は控えめに使うことです。スパイスの風味は油 に移るので、油が少ないと、おいしさは明らかに半減します。カレーの穴さんより引用)

 昨日のカレーの失敗は、おそらくタマネギが少ないことと比例し、オリーブオイルの使用量が少なかったことにあるだろう。いつも油だけは目分量で作っていて、それで成功していたが、今回は(実際より少ない)タマネギに油を合わせてしまったため、スパイスが十分油と混じらず粉っぽくなってしまったのではないだろうか。全くの盲点だった。くそう、口惜しいなぁ。

2002年11月14日
夜:ライブDEチキンカレー

 まずは昨日の話を少し。一日時間があるからと、藤宮気胸シールなど作らなくてもいいものまで作っていたらすっかり時間がなくなってしまい、結局寝たのは4時ごろだった。何と計画性に欠けることか。

 朝。比較的早く起き、コメかつおぶし味噌汁を食べる。一汁一菜というやつか。そのあと、お風呂に入ったり、お腹にシズクとお揃いのクモのタトゥーシール(手製)を貼ったりした。

 その後、荷物をまとめて家を出る。炊飯器やらフライパンやらやら食材やらで荷物は悪い冗談のような重さで、玄関から自転車置き場まで運ぶだけで息が切れたほどだ。普通に持っていたら腕がピクピクと震えてくるので、柔道で言うところの肩車、レスリングで言うところの飛行機投げの姿勢で運んだ。傍から見れば私がアーティストだと思う人間などいないだろう。何かの苦役に就いているのか、人類の原罪を一身に背負っているのか、マゾなのか、罰ゲームなのか、といったとこだろう。ライブハウスに着く頃には、朦朧としてゴルゴダの丘が見えてきた。

 ライブはワンマンだったので、ゆっくりまったり準備できるかと思ったが、そんなことも全然なく物凄く慌しかった。しかし、リハはワンマンにも関わらず、普段と同じ程度の時間で終わった。我ながら、どういうバンドだ。

 ライブ本番。約30人分のカレーを作る。思った以上にたまねぎを炒めるのに時間が掛かり、用意していた1時間を大幅にオーバー。かなり焦ってたまねぎ炒めを不完全なまま先に進めてしまった。その後もほとんど味見できないまま客にお出しすることに。少し口に含んだ限りではいつもと全然違う舌触りだった。お客さんからは「粉っぽい」などと言われてしまった。
 時間に追われ、ほとんど味見できなかったのは痛かったが、しかしいつもと同じ方法で作っているのに、どうしていつもと違う味になってしまったのだろう。不思議だ、困った。まさかこんな大勢の前で今日に限ってカレーを失敗するだなんて。まだ人前でカレーを作るには時期尚早だったかもしれない。

 思えば、私は周りから「カレー王子」「カレー王子」と持て囃され、カレー天狗になっていたのだろう。実際の私は、まだ一流を編み出した訳でもなければ、一城(カレー屋)を構えた訳でもない。たかだか二百数十日カレーを食い続けただけの一介のカレー者に過ぎないのだ。今回のカレーライブは失敗ではあった。多くのお客様の前で恥をかいてしまった。だが、それも良い経験かも知れない(お客様には迷惑な話だが)。失敗は若いうちにしておくべきだ。高くなった鼻は早くへし折られた方がいい。今回の失敗を契機に、私は初心にかえってカレーを作ろうと誓った。

 カレーの後は、おまけの音楽。今回は藤宮君が抜けてボロボロになるであろう音楽をどうカバーするかが最大の焦点であった。そこで私たちの出した結論は「ライブ中に酔いつぶれて全てをお茶に濁す」というものだった。酔いつぶれてお茶に濁すというのは、これはある意味厳しい現実からの逃避かもしれない。だが、私達の逃避は全力での逃避だ。全ての力を傾注した逃避は、それは既に逃避ではなく、むしろ攻めであろう。よく分からないが、私は脳内でこういう理屈を組み立て、自分を納得させることに成功した。

 というわけでステージでがぶがぶと安酒を煽った。しかし、とはいっても私も既にかなりの酒を愉しんでいる人間である。どの程度呑めば酔いつぶれるのか、限度は分かっている。吐かずに酩酊するギリギリのレベルまで酒を入れ、酔いに任せて演技する。ステージ上では大体理性は8割程残っていた。楽屋では理性は4割ほど。ライブハウスを出た時点では2割程度に減っていた。が、ここまでは何とか前後のことも思い出せるし、理解できる。
 ライブハウスを出た時点で、こりゃ綾瀬に帰るまでは絶対に持たない、と思い、あらかじめ頼んであったみっきーに家まで連れて帰ってもらった、という記憶がなんとなくある。確か、常に「オーケー、オーケー」と口走っていた気がするが、一体何がオーケーだったのだろうか。少なくとも私はオーケーではなかった。

 どうやら電車代はみっきーに立て替えてもらったらしい。備忘のため、みっきーに電車代320円を返すことをここに記しておきたい。

2002年11月13日
朝:贅の極みカレー(終了)

 うわああ・・・どうしよう。油断してたらすっかり時間がなくなってしまった。朝はカレースパ食べました。なんて計画力がないんだ、アホか己は。

2002年11月12日
朝:贅の極みカレー

 朝カレーを食べて、自転車を直してもらい、新宿へ行く。自転車のチェーンはやはり素人の手ではどうなるものでもなく、半ば分解して修理していた。自転車屋のオヤジさんも最初は「ひっくり返して押さえつけりゃ直るよ、チェーンなんて」と、最近の若い者はだらしないといわんばかりだったが、終わった後は「素人じゃどうにもならないね。たかがチェーン、されどチェーンだよ」とよく訳の分からないことを言っていた。

 明日の仕事はお休みになったので、スタジオの後、モアへ。明日休みが取れなければ即帰って寝るまでカツカツに作業しなければ行けなかったが、明日一日あるので随分気が楽になった。モアではほえさんや影さんがいた。久しぶりだったので随分とお金を使った。しかし、相変わらず勝てなかった。というか、アドバンシングガードの存在をすっかり忘れていた。ダメだ。

 帰りの電車で池波正太郎の本を読んでいたら「掛け蕎麦を食べながら酒を呑む」という描写があり、私にはそれがとても瀟洒に思えたので、夕食はそれを真似てみることにした。幸い、親から田舎の名品「宇山蕎麦」が届いたところでもある。月見蕎麦にして、コメと一緒に食べた。コメにはかつお節を乗せて醤油をかけて食べた。かつお節があれば、それで十分コメは旨い。も呑んだ。蕎麦と酒だけなら確かに瀟洒かも知れないが、コメもあったため夕飯で茶の代わりに酒を呑んでいるようで、瀟洒というよりむしろやさぐれた感じだった。

2002年11月11日
昼:カレーパン

 忙しいので手抜きで失礼。

 朝、バタートースト目玉焼きを乗せ、ポタージュスープと一緒に食べた。昼、昨日スーパーで買っておいたカレーパン(おつとめ価格53円)を食べた。夜、新宿のラーメン屋「康龍」にて、ラーメンを食べた。道で拾ったサービス券が有効だったので無料で半ライスも食べれた。幸せだ。

 その後、スタジオ。頑張った。最近うまく歌えず悩んでいた曲が、単に疲れていただけだと分かった。元気なら何の問題も無く歌える。

2002年11月10日
夜:カレースパ(贅の極みカレー使用)

 朝、どうしてもカレーを食べる気がしなかったので、仕方なくカップラーメンを食べてみる。他に食べるものが何もなかったからやむを得ない。食べながら龍騎を見た。今日の北岡さんは終盤、非常にへっぽこで面白かった。

 さて。昨日自転車のチェーンが外れたことは書いた。駅まで徒歩で行くには少々遠すぎる。ついにキックボード通勤をする時が来たようだ。
 だがまあ、考えてみれば良い機会ではある。もともとキックボード通勤に使えないかと思い購入したものだった。しかし、少し乗ってみて、キックボードが思ったより疲れる乗り物であることが分かり、これなら自転車の方が全然楽だからと、キックボード通勤を試みる気もなくしてしまったのだ。
 だが、何事もやってみるまでは分からないものである。今回自転車が使えない境遇は、私にキックボード通勤を試してみろという、天の思し召しかもしれない。きっと違うだろうが、そう考えれば、チェーンが外れたことも何かの必然だと自分に言い聞かせることが出来なくもない気分をうっすらと感じるような気がするかもしれない。

 そんなわけでキックボード通勤。自転車に比べると時間は掛かるだろうと思っていたが、この程度の距離なら案外違わないものだ。むしろ自転車置き場に自転車を置きに行く時間を考えれば、こちらの方が早いくらいだ。特に自転車置き場の愛想が悪いことで有名な整理のおっさんたちと顔を合わせなくて済むのは大きい。
 キックボードにカギを掛けるわけにもいかないので、折りたたんで電車内に持ち込んだが、これは非常に邪魔臭かった。今日は日曜なので車内もたいして混んでおらず迷惑にはならなかったろうが、平日の通勤電車では迷惑かもしれない(とはいえ、明日もやむを得ず同じ事をするのだが)。
 電車から降り、から職場まで、またキックボードで移動。職場は駅から徒歩10分ほどの距離なので、これはなかなか快適ではあった。

 仕事中、今日はいつもより遥かに空腹を覚えた。カップラーメンというのは、よく身体に悪いと言われるので、カロリーもそりゃあすごくあるのだろうと期待していたのだが、そうでもないようだ。なんだか、すごく侘しい気分になったので、コンビニでプリントースト(120円)を購入。休憩室にあった紅茶と一緒に食べた。すごく幸せだった。昼に菓子パン一つ食べるだけでここまで幸せな気分になるとは我ながらびっくりだ。もう諦めて昼食は食べるようにした方がいいかもしれない。
 なお、コンビニに行く際にもキックボードを利用した。いろいろと便利だ。
 
 綾瀬へ帰ってからキックボードで家に帰る。疲れた。筋肉痛にはなった。しかし、慣れればそれは苦にはならないだろうし、電車の中での邪魔臭ささえなんとか出来ればキックボード通勤もあながち悪くはない。でも自転車をさっさと直した方がやっぱり妥当だとも思った。

 今日の夕食はカレースパトーストで食べた。カレールゥに3欠片もが入っていて、いま、とても満ち足りた気分だ。

2002年11月9日
朝:贅の極みカレー

 カレーを食べて、仕事へ。自転車綾瀬駅へ向かってる途中でチェーンが外れた。緩くなって外れたチェーンならはめることは容易だが(すぐにまた外れるが)、きついまま外れたチェーンは私の力でははまらなかった。滑車の原理を応用した人類の叡智の結晶も、こうなってしまえばただの鉄塊に過ぎない。私は空しく自転車を押して歩いた。まあ長い人生こんなこともあるだろう。

 親の悪口など公共の場で言うものではないが、頭の悪い親を持つと苦労する。仕事中、私は携帯電話留守電メッセージが入っていることに気付いた。聞いてみると、父の声だ。声は少し緊張している。すぐにかけ直してこい、とのことだ。休憩を取った私は嫌な予感を押さえつつ、父に電話をかけた。

 父「おう。わしゃあ、昨日不吉な夢を見てのう。なんかあるんじゃにゃあかと思うとるんじゃあ。お前、気ィつけーのう」

 クッ、またか・・・・・・。私は即座に電話を切り、仕事へと戻った。嫌な予感は当たってしまった。

 昼頃、上司と同僚が一緒にコンビニで買ったと思われる菓子パンを食べていた。

 私「何か食べ残しがあったら下さい」

 言ってみるものだ。まるごとバナナベイクドチョコケーキの食べ残しを貰った。特にまるごとバナナは好物だが高価過ぎて買うことが出来ず、ここ半年くらい「あー、まるごとバナナ食いてえなあ」といつも思っていたので、とても嬉しかった。

 駅からとぼとぼと自転車を押して帰宅。近所の自転車屋は当然のように閉まっていた。困った。明日はどうすればいいんだろう。

 帰ってそば飯を作って食べる。前回の教訓を活かし、今回はチャーハンのようにコメを一度とき玉子に絡めてから炒めた。具材はキャベツ・玉ねぎ・ニンジンが欲しいなあ。欲を言うならキノコも欲しい。
 食べながら「USO!ジャパン」を見た。この番組はUSOトリックをメインに据えてから、確かに番組としては遥かに面白くなったが、しかし、これでは本来の番組の特色を完全に失ってしまっている。「マジカル頭脳パワー」もそうだが、最初から見ている人間にとってはどこか歯がゆい。ちなみに「マジカル頭脳パワー」は、パーティーゲーム番組と化した終盤のそれからは想像出来ないほど、最初期は極めて硬派なクイズ番組であり、その最初期が一番楽しかったと私は思うのだが、実際率は取れていなかったらしく、多くの人間の嗜好には合わなかったのだろう。
 今日のUSOトリックはカギの方はすごく簡単だったのですぐに分かったが、もし間違えてると恥ずかしいので、ここで言うのはやめよう。にも関わらず、当たってた場合は「ほーら、やっぱり!思った通りだ!!」と威張り散らすつもりなので、そういうものだと諒解していただきたい。

2002年11月8日
夜:贅の極みカレー

 昨日は深夜にやっていた映画「エコエコアザラク」を見ていたらすっかり寝るのが遅くなってしまい、4時ごろ床につくことになった。すると当然朝早く起きれるはずもなく12時ごろに起床。

 トリック2の再放送を見ながら、昨日のリベンジであるフレンチトーストを食べた。オレンジマーマレード美味しいなあ。他にもヨーグルトにマーマレードを入れても美味しいことが分かったし、そのヨーグルトをフレンチトーストにつけて食べても美味しいと分かった。マーマレード大活躍だ。

 昼から夕方にかけてゆっくりとゲームして、さて、そろそろ何か作ろうかと思った頃、一本の電話が入る。それは、極めて深刻な内容だった。
 昨日、非常に体調が悪く歌を歌うことすら拒んでいたバンドメンバーでありリーダーである藤宮氏だが、どうも体調が悪いとかいうレベルではなく、肺に穴が空いていたらしい。気胸というやつか。細い人がよくなる、いわゆるヴィジュアル病だ。すぐに入院、手術らしく14日のワンマンライブにはとても参加できないという。

 藤宮氏「オレがいなくても何とかなるだろう。やってくれ」

 なんだか変なところで信頼されている。まあ、確かにやってやれないことはないだろうが、今まで練習してきたことが当面の目標で発揮できないのはショックだ・・・。しかし、落ち込むヒマもない。ライブまで1週間を切っている。それから後の時間は、ほぼこの件の処理で終わった。参った。

 夕食には焼きそばカレーを食べた。食べながらマリリンマンソンのライブビデオを見ていたら、うんことか出てきてすごく困った。

2002年11月7日
夜:XOカレー(終了)

 朝起きると、が痛い。困った。昨日寝る前と何も状況が変わっていないじゃないか。

 朝食にはフレンチトーストを作って食べた。昨日スーパーでオレンジマーマレードを購入したので、今朝はそれをフレンチトーストにつけて食べようと、昨日からドキドキしていた。(フレンチトーストにジャムをつけるだけのことを一日前から楽しみにできるなんて、私はある意味幸せ者かも知れない)
 しかし、困ったことにオレンジマーマレードのフタが開かない。昔何かで、フタが開かないときは湯をかければいい、とあったので早速試してみたが、やはり開かない。滑らないようにタオルで包んで力を入れるが、それでもやはり開かない。私は成人男性の中ではおそらく最も貧弱な部類に入ると思うが、それにしてもビンのフタを開けるのにこれほど労力を要するとは思わなかった。
 諦めてチャツネをジャム代わりにしても良かったのだが、昨日から楽しみだっただけに諦めきれないものがあり、苦闘すること約15分、ついにマーマレードのフタが開いた。開いた時の衝撃でビンをひっくり返すんじゃないかと怖れていたが、最悪の結末は免れた。だが、15分のうちにフレンチトーストはすっかり冷え切ってしまい、一緒に作っておいた豚肉ともやしの炒め物も冷めていた。冷えたフレンチトーストでも、まあそんなに不味くはなかったが、これでは本来のマーマレード付フレンチトーストが味わえない。明日リベンジするしかないだろう。

 その後、スタジオへ。少々体調が悪いとはいえ、スタジオくらいなら問題はなかろう。そして案の定何の問題も無かった。私よりもむしろ、藤宮君が体調を壊しており、彼はギターボーカルなのに今日はほとんど歌えなかった。また、バンドには何の支障もなかったが、ギターの亀山先生は虫歯だった。病人率3/5。
 スタジオの後、ベーシストのメタリカ君がこないだ私が食べた賞味期限が何時のものか分からないソーセージと同じ物を食べていた。ああ、このソーセージは本当はこういう色をしている物だったのかあ、と驚いた。

 今は若干もあるし、帰りにモアにでも寄って帰りたいところだったが、体調がよろしくないので、さっさと家に帰る。家に帰っている最中の電車の中では「ああ、体調悪いから食欲ないなあ、今日の夕食どうしようかなあ」と思い悩んでいたが、これは全くの思い過ごしで、家に帰ってすぐにお腹が減った。

 今日の夕食は昨日の豚肉を使っての豚汁カレー。豚汁にはキャベツ・玉ねぎ・ニンジン・もやし・ジャガイモ・豚肉を入れた。ちなみに豚肉はしゃぶしゃぶ用のものである。なぜそんな高価そうなものを買ったかと、人は不審に思うかもしれないが、昨日スーパーにあった半額肉でいちばん安い肉がこれだったのだ。
 しかし、しゃぶしゃぶ用の豚肉というのは厄介な代物である。しゃぶしゃぶ肉というものの常として、煮すぎれば肉が固くなる。これが牛肉ならば、本当に軽く湯に通し、半分は赤いまま食べるくらいで丁度いいのだが、如何せん豚肉。そういう訳にもいかない。この見極めが難しい。そして今日の豚汁も、一度湯に通した豚肉を皿に避難させたにも関わらず、お肉が固くなってしまった。やはりしゃぶしゃぶ用はしゃぶしゃぶで食べるしかないのか。

 最近、仕事がないらしく、明日も休みだ。困った。来月餓えて死んでしまう。明日は遊び惚けたりせず、何か金になるものをちゃんと作るとしよう。

2002年11月6日
朝:贅の極みカレー

 朝起きるとが痛い。朝カレーを食べることで多少良くなった気はしたが、明らかに体調はあまり良くない。

 職場では一緒に仕事をしていためがねのおねーさんも風邪をひいてしまったようだ。最初は多少体調を崩したのかな?という程度だったが、終わる頃には明らかに辛そうだった。明らかに換気のされていない職場の澱んだ空気に当たったのか、私も途中から頭が痛くなり、身体がだるくなった。
 やはり季節の変わり目は危険だ。私は家に帰れば欠かさず手洗いうがいをして予防に努めていたが、朝方の冷え込みが激しい最近になっても夏のように半裸で寝ていたのがやはりまずかったようだ。

 当然のことだが、私は風邪をひくわけにはいかない。まずを買うような金がない。次に2週間後にライブが控えているため、体調を崩す訳にはいかない。そして何といってもプライドに賭けて風邪をひく訳にはいかないのだ。
 普段から「カレー食べてるから風邪ひかないよ!」と言い張っている私としては、ここで風邪をひいてしまうと「カレーばっかり!偏った食生活してるからだ!」との謗りは免れない。カレーが医食同源完全食であることを証明するためにも私は風邪をひけないのだ。

 というわけで、こんな日には何か栄養のある温かいものでもたらふく食べてさっさと寝るのが一番だ。迷った挙句、帰りのスーパーで豚肉(190円)と刺身用のかつお(100円)を買って帰る。
 帰って、キャベツ・玉ねぎ・ニンジン・豚肉バターで炒め、目玉焼きを作り、それらを味噌ラーメンに入れて食べた。またかつおを切って生姜醤油マヨネーズで食べた。コメもたっぷり食べた。いつもの食生活ならキャベツを炒めて味噌ラーメンに入れて、茶碗に軽く一杯のコメで終わることを考えると、今日は非常に豪奢だ。しかし、私には量が多すぎて今ちょっと苦しい。なので、今日はさっさとでも飲んで寝たいと思う。

2002年11月5日
夜:カレースパ(贅の極みカレー使用)

 お腹は痛くならなかった。やはりソーセージは腐っていなかったようだ。朝は先日差し入れで頂いたトムヤムクンヌードルを食べた。月初め=お金に余裕がある=冷蔵庫に食材が多い、なので、キャベツジャガイモニンジンタマネギを炒めて入れて食べた。朝から豪華だ。

 昨日までとは打って変わり、何することもなく暇な休日。もともと今日は仕事に行く予定だったのだが、仕事がないとのことで暇を出された。4連休だ。素直には喜べない。
 暇とはいっても、やることはたくさんある。私のやることは、大きく「しなければならないこと」「やりたいこと」に二分される。どちらにも共通するのはほとんど金が掛からないことなので、どちらをやっても構わないのだが、弱い私は後者に流れがちだ。というわけで、今日は前者も少しはやりたいと思う。うん、がんばろう。

 そんなわけで、まずは後者、つまりゲームから。いつもならここでゲームから抜けられず一日が終わり、「あーぁ」とため息をつきながら床に着くのだが、今日は5時でゲームは終了。その後、お風呂に入って、夕食にカレースパを食べた後、前者、つまり金になることを始める。

 そんなこんなで今日はこのページのリンクページを更新してみた。この後はニヒル牛で売る商品をがんばって幾らか作りたいと思う。作りたいもの、作らなければならないものが山ほどあるが、最近根性が足りないので、どれも手付かずのままだ。駄目だ。

 ところで、今日マリリンマンソンライブビデオを見ていて、エーツー「I ate Love(俺は愛を喰っちまった)」の意味がようやく分かった。元ネタは「I hate Love(俺は愛を憎む)」だったのか。今更気付いたのは私だけだろうか。

2002年11月4日
夜:贅の極みカレー

 昨日、ソーセージを食べた後、お腹がキューっと痛くなったが腹を下したり嘔吐感を催したりはしなかったので、たぶん腐ってはいなかったのだろう。今日の夜、残りのもう一本を食べても大丈夫そうだ。

 朝、賞味期限3日ほど切れた牛乳を飲む。ほんの少々味がおかしかった気がしたが、だからといって直に腐っていると考えるのは早計だろう。ということで気にせずに飲む。しかし、私は昨日「味がおかしくないから」という理由でソーセージを食べ、今日は「味がおかしくても腐っているとは限らない」という理由で牛乳を飲んだ。結局のところ、私は何でも口にしてしまうのではないだろうか。賞味期限を気にしたり、腐ってるのではないかと心配したりするのは無意味かもしれない。

 朝を牛乳だけで済ませたのには訳がある。昼食を大学の後輩達と一緒にメーヤウというカレー屋で食べるためだ。しかし、現に行ってみると、メーヤウは祝日なので閉まっていた。
 無論、今日が祝日だったことは私も理解していたし、普段のメーヤウが日祝日は休みであることも知っている。だが、今日は早稲田祭だ。当然、早稲田の街は来場客でごったがえすであろう。そんなかき入れ時を飲食店がむざむざ逃すはずはないと踏んでいたのだが、私の予見は見事に外れた。
 その後、後輩達とどこへ行こうかと悩むが、洋食店レッドピーマン名物牛丼屋三品もお休み。早稲田周りの飲食店は祭りに乗じて一儲けしようとは考えていないらしい。奇特なトンカツ屋フクちゃんは空いていたが、こちらは6人の大所帯なため、空いてる席がなく断念。結局、キッチンオトボケに落ち着き、私はそこでチキンカツ定食(500円)を食べた。なお、キッチンオトボケはコメとキャベツの量がかなりあるので、ボリュームは相当のものだ。さらにこの店で「ライス大盛り50円」を頼むと、マンガ日本昔話のようなコメが出てくるそうである。私は食べきる自信が全くないので、誰か試してみて欲しい。

 その後は後輩達と別れたり合流したりしながら、早稲田祭を楽しんだ。私の私見では、基本的に大学の学園祭は楽しくない。どこの学園祭も似たようなことを同じ程度のレベルでしか行わないからだ。高校の文化祭でまれに見られる若さ溢れる突飛な行動があまりない。
 ちなみに、私の行った中で最も詰まらなかった学園祭上智大学。ほとんどが屋台でどれも値段が高く、催し物やイベントの類は常識的なものばかりで何の深慮も工夫もない。サークルもありきたりなものが一通り揃っているだけでインパクトに欠け、ビラなどの宣伝広告も寂しいかぎりであった。一通り眺めた後、やるせない気分を感じながら帰路に着いたことを思い出す。
 逆に、素晴らしい学園祭もあった。法政大学市ヶ谷キャンパス自主法政祭である。キャンパスの壁一面を汚らしく埋め尽くすビラの数々は過剰なまでの活気に溢れ、屋台はどれも値段が安く、個性溢れるものも多い。応援団とんぶりキャビアと言い張って売ろうとしてくるし、「下級酒」「最下級酒」つまみ「塩5円」「味噌5円」しかない貧乏居酒屋などもあった。また、探検部探検カレーは、最も辛いものを選ぶとこの私でさえ完食した後倒れそうになるほどの、常軌を逸した辛さだった。あれは純粋な毒だ。
 まあそんなわけで、私の中で大学の学園祭は今のところ法政がダントツでトップだったのだが、その一方で「早稲田に学祭が復活すれば法政だってメじゃないぜ!」という自負もあった。そして今年、実に6年ぶりに早稲田で学園祭が復活。在学中に一度も学園祭を味わえなかった私としては寄せるところの多い、秋の一大イベントである。

 まず、本部キャンパスに向かう途中で、おかしな一団と出あった。彼らは作業服に身を包み、ダンボール製の巨大なメガネと、のび太の描かれた大きなパネルを持ち、「めがね!めがね!」と叫びながら、街道を練り歩いていた。あまりにただごとではないので、私は近寄って何の団体か尋ねてみたが「オレたちはメガネを広めたいだけなんだ!」と連呼するばかりでとても会話にはならなかった。素晴らしい。

 幸先の良いスタートに恵まれ、期待に胸を膨らませながら本部キャンパスを歩いてみる。しかし残念なことに、本部キャンパス内にはそれほど目ぼしいものがなかった。多くの屋台値段は良心的独創的な料理はあるものの、鬼面人を驚かすようなものは何もなかった。私としては、往来の人間を捕まえてムリヤリ青汁を飲ませるようなサークルを期待していたので、この点は少し残念だった。他に路上では少林寺拳法部殴られ屋と、全身に金粉を塗ったパフォーマーが目を引いたくらいで、特筆すべきものはなかった。

 校舎内に入ってみたが、当然予想されていた「一寸の隙もなくビラで埋め尽くされた壁・階段」は存在しなかった。私の在学中から壁へのビラ貼り規制問題は深刻化していたが、まさか祭りにおいてすら規制してくるとは驚いた。相当実行委員の方にも圧力が掛かっていたのだろう。彼らの苦労が偲ばれる。
 校舎内の催し物では、まず文学部映像研究科の作った映画を一本見た。ストーリー的にはそれほどでもなかったが、映像の完成度は非常に高く、学生の作ったものの中ではかなりの良作といっていいだろう。
 次に早稲田猿(わせだモンキー)なる団体の「でズニーランド」という催しものを訪れた。えせテーマパークというキャッチフレーズと、絢爛な装飾を施そうとしながらも途中でめんどうくさくなって諦めたような外装に強く心を奪われたからだ。
 そこのビラには「100円払って苦笑しよう」「お金を出すと損するよ」など書かれてあり、また並んでいると、スタッフらしき人から「何で並んでるの?」「本当にいいの?」「100円取るよ?」などといわれた。また整理券は長ネギを手で引きちぎったもので、持っていると手がネギ臭くなった。1時間に2回公演を行うらしく、先に出てきた人たちの話に耳を傾けると「すげー微妙な空間だったね」「何かあるのかと思ったけど本当に何もなかったな」「なんだったんだろうな、あれは」と、非常に興味をそそられる。
 それで、この内容は・・・・・・説明するのが非常に難しいが、あえて説明するなら極めて不条理かつ断片的な寸劇の連続で、苦笑するしかないようなネタをやる気なく繰り返していた。しかし、侮れないのは、これが明らかに幾度もの練習と、研鑚推敲の上に積み上げられた「苦笑いするしかない空間」であり、客に決して爆笑させないよう細心の注意が払われていたことである。彼らは「いたたまれない微妙な空間」をクリエイトすることにかなり意識的に時間と手間を掛けており、その大きくベクトルを踏み違えた情熱に私は胸を打たれた。バカはここにいた!流石は早稲田祭だ。来て良かった。

 その後は学園祭のグランドフィナーレイベントパレードの練り歩きを見物。手作りのストイックな(貧相な、といってもいい)神輿の後、阿波踊りサンバカーニバルが続き、最後の方で巨大な魔羅の張り型が現れた。よく見ると、先のメガネと同じ人たちではないか。本当にいったいどういう集団なんだろう。
 グランドフィナーレはその後も続き、お約束の学内バンドの演奏があった。ミクスチャーバンドなのだが、群集の暴れ方が激しすぎて、最初真中のあたりにいた私は終わってみると、道の外まで弾き出されていた。かなり揉みくちゃにされて、私は自分のマントが剥ぎ取られそうになるのを押さえるので精一杯だった。
 その後は前日から100キロを走ってきた人が到着したり、奥島総長(校長みたいなもの)に「ハーゲ」コールが起こったり、コンドームが爆発したりそんまんま東が全裸になったりして、応援歌と校歌を斉唱して終わった。特に100キロ走ってきたりする辺り、イベントの挿し方が上手い。早大生は基本的に応援歌と校歌さえ歌っておけば勝手に盛り上がるしライトアップされた大隈講堂も演出効果に一役買っている。そのまんま東という現役学生もいて、またゲストで小室哲哉も登場した。手駒には事欠かない。最後のフィナーレを演出した実行委員はさぞかし楽しかったことと思う。

 しかし、口惜しいのは何故私が在学中に早稲田祭が行われなかったかということだ。もし参加できたなら、早稲田猿並に苦笑しかできない下らないことをたくさんする自信があるのに!ああ、残念だ。来年こそ後輩が何かやってくれることを期待しよう。

 その後、帰ってなんとなくカレーを食べて、さっき問題のソーセージを食べ終えた。やはり味に異常はない。今日はお腹痛くならないといいな。

2002年11月3日
夜:贅の極みカレー

 3連休にも関わらず、まったりできない2日目。今日はバンドの撮影日だった。朝10時半集合、12時開始の予定だったが、私が起きたのは10時。現地に到着したのは12時半と、駄目人間っぷりを如何なく発揮した。

 撮影中、小道具に持ってきた鍋のフタを割ってしまった。丈夫そうだったが、所詮、ガラスはガラスだ。落とせば割れる。どうも私は危機管理意識が低いようだ。落として割れる可能性のあるものなど、持っていくものではない。
 なお、撮影時に様々な物を差し入れに頂いた。辛そうなインスタントラーメンや、インスタントのカレーコーヒー、香辛料各種、チャツネ、雑穀などだ。特にマンゴーチャツネは先日カレー研究所で食べて以来、金に余裕が出来たら購入したいと思っていたので非常に有難い。

 帰って、スーパーで試食(今日は中トロが食べれた)した後、家に帰ってたまった洗濯物を片付ける。それから夕食にそば飯を作り、また、食べる必要は全くないが、やむなくカレーをすすった。

 今は貰い物のソーセージを食べながら、を呑んでいる。貰い物ゆえ賞味期限など分からない上、部分的に黄色や黒に変色しているため非常に恐ろしいが、味も匂いも別段異常はなかったため、美味しく頂いている。根拠はないが、私の腹は少々腐ったものを入れても大丈夫な気がするので、多分問題ないだろう。

2002年11月2日
朝:贅の極みカレー

 朝起きて昨日作ったカレーを食べる。丁度、点けていたテレビ番組「サタモニ」では魚河岸のカレーの名店を取材していた。そこで主人は「カレーは一晩寝かせた方が絶対美味しくなりますから!」と豪語していた。しかし、私の手元のディナーカレーは昨日までのフルーティな香り高さを失っている。
 そうなのだ。カレーにおける時間の経過諸刃の剣なのだ。つまり、カレーは時間を置くことにより味が馴染むのは確かなのだが、香り自体は揮発性であるため、時間の経過と共に香りは拡散してしまうのだ。これは出来上がったカレーだけでなく、カレー粉にも同じことがいえる。

 > また、混合スパイスには長時間寝かせることで
 > 風味の調和が生まれる特徴があり、これを
 > 熟成 (エイジング)効果と言います。ところが、
 > 香り自体は揮発性なので、時間が経つと風味
 > が弱くなって しまう。どちらを選ぶかは、作り手の好み次第です。
カレーの穴さんより引用)

 というわけで、カレーは一概に一晩寝かせた方が旨いとは言えないという話だ。個人的にはやっぱり出来たてがいちばん美味しいと思う。作る過程でお腹も減ってくるし。

 それで、その後、日大芸術学文化祭に、個人的萌えキャラである紫タソのライブを見に行く。今日の彼女は、何だか自信に満ちたギタープレイいつもの愛くるしさが損なわれていた。しかし、自信を持ってプレイしている人間に「おどおどしながら弾いた方が萌えですよ」とは言えない。芸術の難しいところだ。
 大学の文化祭は高校の文化祭とは違い、映像作品の類は極めて多い。だが、はっきりいって高校文化祭の映像ほどには傑作を望むことが出来ない。彼らは下手に良いものを作ってしまうからだ。今日の日大も芸術学部だったこともあり、映像作品には事欠かなかったが、同じようなクオリティの作品ばかりで食傷気味になった。あれだけあるのだから、見ている者に大いなる疑問をふっかけるものや、胎の底から驚かすようなものが一つ二つ出てきても良いと思うのだが。
 その後、放送部フレンチトーストを食べた。200円は安いと思ったがサイズが小さかった。しかし、フレンチトーストにジャムクリームチーズが合うことが分かったのは大きい。今度、ジャム買おう。

 その後、紫タソに江古田ドロシーというライブハウスに連れて行ってもらう。ここでは今度カレーライブを行うので、その下見というわけだ。ライブハウスのスタッフに、水周りや調理場とする机の有無、換気扇などのことを尋ねていると、向こうも流石に気付いたらしい。

スタッフ「あ、あんた・・・もしや、カレーの人か!?」

 私がカレー王子だと気付かれては何かと面倒なことになる。答えはお茶に濁し、早々にライブハウスを立ち去った。
 その後、紫タソから「美味しいですよ!」と勧められたラーメン屋「大番」で、スタミナラーメン(500円)とサービスの半ライスを食べる。値段の割には美味しかったが、康龍と比べるとやはり味は落ちる。というか、最近よほど美味しいラーメンでないと食べ終わった後、(おそらく油に)胃が付いていけないのだろう。気持ち悪くなってしまう。

 帰りに西スポに寄ってギルティギアの大会を眺めてみようと思ったが、人が雨後の筍のようにわんかさといて、画面を見ることすら出来なかった。モアに行くと、赤汁さんがいたので少しセイヴァーをしたが、面白いくらい歯が立たなかったので、3コインくらいで引き上げた。金が無くてゲーセンに行けなかったこの半月、家で自分なりに攻め方など研究し、それがどの程度達人相手に通用するものかと試してみたのだが、一切全く全然微塵も通用しなかった。やっぱり、ちょくちょくゲーセンに行って試してみないと駄目だ。

 帰って、USO!ジャパンを見る。先週のトリックの答えが気になっていたのだが、ほぼ大筋が私の想像通りだった。しかし、その答えは私が「これならスジは通るが、確実ではないし、後で犯人を特定されるから完全犯罪とは言えないだろう」と考え破棄したものだったので、あまり喜ぶことは出来なかった。肩透かしを喰らったような感じだ。まあ、USO!ジャパンだしこんなものか。

2002年11月1日
夜:贅の極みカレー

 朝、ゴハンを適当に食べて仕事へ。仕事は携帯に関するものだった。携帯の仕事はよくPC班に回ってくるが、PCが使えるからといって、決して携帯が使えるわけではない。私も自慢ではないが、携帯は電話とメールくらいしか使えない。
 よく「架神クンはPCは使えるのに、なんで携帯は使えないんだ」と言われるが、それは仕方無い。逆にPCが使えるから、あまり携帯を使う理由がないのだ。それは私だけではなく、PC班のメンバーにも同じことが言えるようで、同僚・上司と一緒に「半角で英語を打つにはどうすればよいのか」を30分くらい悩んだりした。

 そういえば今日は給料明細を貰った。先々月は、すごく働いた気がしたのに、たいして稼げてなかった。この分だと、あまり働いた気がしない先月はさぞかし酷いものだろうと思ったが、びっくりしたことに先々月よりも稼ぎが良かった。先々月は作業が辛かったため、実際よりも多く労働をした気になっていたのであろう。今月はすこし豪華に食べることが出来そうだ。

 お金が入ったので早速散財する。私には収穫時に穀物を食い潰す農民の気持ちが良く分かる。長期的視点に立てば今月の末も先月のように四苦八苦することは目に見えているが、そうは言っても手元に金があれば使ってしまうのが人間というものだ。
 そんなわけで、職場の隣にある団子屋で、串だんご(80円)を買うことにする。よもぎの団子あんこがたっぷりついたもので、いつも美味そうだなあと思いながらも、高価ゆえに手を出せなかった一品である。しかし、給料の入った今買わずして何時買おう。意を決し、私は団子を買った。

「オヤジ、団子、一本だ」
オヤジ「あいよ、勝手に取っていってくんな」

 クッ・・・!なんというぞんざいな扱いだ。こっちは丁重にパックに詰めて渡して欲しいくらいだというのに。が、まあ、小さいことは気にせず食べる。口に入れた刹那、弾力感のある団子の歯ごたえとあんこの甘さが口中一杯に広がる。や、やはり旨い・・・。真面目にコツコツ働いてきて本当に良かった。幸せだ。飽食日本に産まれて本当に良かった。今、私は「食を美味しく食べることができる人間ランキング」で全国上位5%に入る自信がある。

 帰りにスーパーで買い物。今日は金に糸目をつけず贅を極めたカレーを作ってやろうと思い立つ。スーパーに入ってすぐ、おつとめ品で椎茸を発見。おお、ラッキー!49円で椎茸1パックを購入。
 その後、玉ねぎ、ニンジン、さらになんとジャガイモまで購入。カレールゥには、最高級のインスタントカレールゥである「ディナーカレー」を購入。ルゥだけで299円もするインスタントカレー界のモンスターだ。(cf.ジャワカレー199円)
 次にスーパーを変え、牛肉を買いに行く。牛肉である。豚や鶏ではない。牛様である。そう、今日は11月1日毎月1日は牛肉半額の日なのだ。
 この日は何故か牛肉4割引で半額には届かなかったが、まあやむを得ないだろう。月初めなので私も気が大きい。結局、シチュー用の牛肉と、牛スジ肉を購入した。カレーに2パックも牛肉を使うのである。今まで牛肉を用いて作ったカレーの場合、ルゥの中の牛肉はまさに宝玉のように希少な、価値あるものだったが、今回は違う。何せ2パックも入れているのだ。1食に付き2〜3欠片は肉を食べることが出来るだろう。いやぁ、豪華だなあ。

 帰って早速カレー作り。ジャガイモは1つはみじん切りにし、もう1つは粗く大きめ切る。みじん切りはルゥに溶かし、大きく切った方はそのまま食べるためである。というのは、ジャガイモは冷凍すると、美味しくなくなる(らしい、試したが良く分からなかった)。そのため、大きく切った方は今日の一食で食べきらなければならないのだ。一食でジャガイモを1つ丸まる食べきるなんて、本当に贅沢だなあ。
 ニンジン粗く大きめに切っておき、玉ねぎはいつも通りみじん切りに。シチュー用の牛肉と牛スジ肉も食べやすい大きさに切っておく。そして玉ねぎ炒め。弱火で時間をかけてじっくりと炒める。まあ、いつも通りだ。ある程度炒めたところでローリエを一枚加え、きつね色になったところで鍋へと移す。次にシチュー用の牛肉を軽く焼き上げて、これまた鍋へ。
 鍋に、切った椎茸みじん切りにしたジャガイモニンジンを加え、小量の紅茶を足し、弱火で煮込むこと約1時間大きく切ったジャガイモも加えしばらく煮た後、火を止め、ディナーカレーを溶かす。ディナーカレーは相変わらずフルーティな良い香りだ。そこにチャツネを小量加え、完成。醤油などの隠し味はディナーカレーのフルーティな香りを殺しかねないので今回はやめておいた。

 食べてみたところ、前回も感じたことだが、やはりコメと一緒に食べるとディナーカレーのフルーティな香りは目立たなくなってしまう。どうもコメには少々の味の違い香りの違いを平均化する力があるようだ。コメと一緒に食べてもはっきり香りの高さを感じるのはレッドカリーくらいか。ディナーカレーはルゥだけで食べた方が美味しいかもしれない。
 あと、牛スジ肉はまだ煮込みが足りなかった。口に入れて噛み砕くことは無論出来るが、個人的には噛んだ途端とろけるような柔らかさになるまで煮込みたかったので、そこは残念だ。煮込んでいる時もまだ固い気はしていたが、いかんせん空腹に負けて断念した。串だんご食べたのになぁ。調べたところ、串だんごのカロリーは1本150Kcal程度だという。80円もするのだから、500Kcalくらいあればいいのに。
 まあ、そういった問題はさておき、全体的に見るとやはり良い味のカレーだった。しかし、カレー粉からカレーを作るようになると、インスタントのカレーは頑張ってもこんなものかという気がしなくも無い。だが、1食に2つも3つも肉を食べることが出来るというのは大きい。これから毎日の食事が楽しみだ。

 その後、いわしの丸干しを肴に、これまた買ってきた日本酒を熱燗にして呑んだ。幸せだ。



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